2020.03.23

翻訳会社の十印、AI翻訳「T-tact AN-ZIN」の翻訳精度を大幅向上言語ペアの追加と金融エンジンのリリースも

企業向け翻訳サービスを行う株式会社十印(TAKARA & COグループ、本社:東京都港区、代表取締役会長:岡田 竜介、以下 十印)は、AI翻訳サービス「T-tact AN-ZIN」における翻訳エンジンの深層学習方式を次世代モデルにアップデートすることで、翻訳精度を大幅に向上しました。

■T-tact AN-ZINとは

国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT) から技術提供を受けて開発した商用のAI翻訳サービス。NICTでは総務省と共に翻訳データを収集し機械翻訳エンジンの精度を高めるためのプロジェクト(翻訳バンクプロジェクト)に取り組んでおり、さまざまな企業からの翻訳データを収集することにより日増しにその精度を高めています。
十印でも、この翻訳バンクプロジェクトに賛同し、独自に作成した対訳データを提供することで機械翻訳エンジンの品質向上に協力しています。T-tact AN-ZINは、NICTからの技術提供を受け、簡単な手続、かつ低価格でビジネスに利用できるようにしたものです。
高いセキュリティ、豊富な便利機能、高精度の翻訳で、ビジネス翻訳に関わる時間を劇的に短縮します。
T-tact AN-ZINの詳細については以下をご参照ください。
https://to-in.com/lp
https://to-in.com/service/mt/an-zin

2週間の無料トライアルを実施しています。ご希望の方は以下よりご登録ください。

▼トライアル登録サイト▼
https://an-zin.com/content/register
月額料金の詳細は以下を参照してください。
https://to-in.com/service/mt/an-zin

■最新式のTransformerモデルエンジンにより翻訳品質が大きく向上

機械翻訳の精度は深層学習によるニューラル機械翻訳(NMT)によって格段に向上しました。AI翻訳システムでは質のいいコーパス(対訳データ)の量があればあるほど翻訳の質が向上します。その学習方法も日進月歩の進化を遂げています。最新の学習モデルであるTransformerという第二世代のNMTでは、文全体をより正確に表現可能になったため、従来のNMTよりも少量のコーパスで高い精度の翻訳結果が得られます。第一世代エンジン(RNNモデル)の学習用のコーパスを使用してTransformer方式で学習を行ったところ、翻訳精度が大きく向上しました。
AI翻訳サービス「T-tact AN-ZIN」でもこのTransformerモデルの最新式エンジン(NTエンジン)を搭載しました。現在は、汎用エンジンでの日本語と英語の言語ペア・日本語と中国語の言語ペア、特許エンジンでの日本語と英語の言語ペア、日本語と中国語の言語ペアがNTエンジンにアップデートしています。

図1)NTエンジン(Transformerモデル)にアップデートした言語ペア

図2)翻訳サンプル:日本語が自然で流暢になっている

■NTエンジン(Transformerモデル)のBLEUスコアでの品質検証結果

人間の翻訳した参照訳にどの程度近くなったかを計算して評価するBLEUスコアにて第一世代エンジン(RNNモデル)とNTエンジン(Transformerモデル)との品質を検証しました。数値が高ければ高いほど、人間の翻訳に近いと言われています。

図3)英日翻訳での比較:BLUEスコアが34から40にアップしている。

■NTエンジン(Transformerモデル)の翻訳者による品質検証結果

当社では各分野において、サンプル文を抽出し、従来型の汎用翻訳エンジン(RNNモデル)とNTエンジン(Transformerモデル)の汎用翻訳エンジンでの品質評価を行ったところ、英語からの日本語訳、日本語からの英訳のいずれにおいても、各分野で翻訳品質の向上が見られました。ことに英訳では、一般的に機械翻訳が苦手だと言われるマーケティング分野の翻訳に大きな向上が見られました。

当社での評価による旧エンジン(RNNモデル)とNTエンジン(Transformerモデル)の比較結果は以下の通りです。

英語→日本語

日本語→英語

■言語ペアの追加と金融分野のエンジンの追加

第一世代エンジンにも新たに汎用翻訳エンジンに「英語とドイツ語」の言語ペアが加わりました。

ある分野の対訳集を使ってエンジンの深層学習を行うことで、その分野の訳文の精度を上げることができます。その技術を使用して、収集した対訳で学習(アダプテーション)させた分野特化型エンジンを作成し、リリースしています。「汎用エンジン」の他に分野に特化した「特許エンジン」、「特許請求項エンジン」、「半導体エンジン」をリリースしていますが、2020年4月には金融分野に特化したエンジン(Transformerモデル)をリリース予定です。今後もさまざまな分野のエンジンをリリースしていきます。

これにより、現在使用できる分野と言語ペアは以下の通りです。

図4)エンジンの種類と言語ペア

■創業57年の翻訳会社がよりよい運用をサポート

十印は、1980年代より機械翻訳に取り組んできました。当社は、NICTが主導する翻訳バンクプロジェクトに協賛し、総務省主催のオープンイノベーション大賞ではNICTと共に総務大臣賞を受賞しています。
https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/prize/2020taishogaiyo.pdf

企業のAI翻訳の導入にあたっては、用語集や過去の翻訳済ドキュメントの活用方法、効果的な原文の作り方、社内での言語資産構築方法など、半世紀以上産業翻訳界をリードしてきた翻訳のプロフェッショナルとしての知見を活用し、お客様の社内運用をサポートいたします。まずはご相談ください。

T-tact AN-ZINの詳細については以下をご参照ください。
https://to-in.com/lp
https://to-in.com/service/mt/an-zin
2週間の無料トライアルを実施しています。ご希望の方は以下よりご登録ください。
▼トライアル登録サイト▼
https://an-zin.com/content/register

月額料金の詳細は以下を参照してください。
https://to-in.com/service/mt/an-zin

お客さまの使用状況に応じて最適なプランをご提案いたしますので、まずはご相談ください。

■問い合わせ先

メール  :mt-strategies@to-in.co.jp
電話番号 :03-6453-6285 担当:MT事業部 AN-ZIN担当まで
受付時間 : 9:00~18:00(月~金:日本時間)

■翻訳バンクプロジェクトについて

NICTが総務省と共に企業がもつ良質な言語ペアを収集することで、日本の翻訳技術の多分野化・高精度化に取り組むというプロジェクトです。十印はこのプロジェクトに賛同し、独自に作成した翻訳データを提供ししています。

■株式会社十印について

株式会社十印は、1963年より半世紀にわたり企業向けのドキュメント制作に携わってきました。技術文書の翻訳からスタートし、時代の変化とお客様のニーズにいち早く対応しながら成長し、現在ではIT分野のローカライズで高い実績を誇り、「ローカリゼーションの十印」として認知されています。
1980年代からは、「言語研究所」を設立し、日本初の機械翻訳プロジェクトMu プロジェクトに関わってきました。
一般社団法人日本翻訳連盟の立ち上げにも関わり、当社代表が長く会長を務めるなど、日本の産業翻訳の発展に貢献してきました。独自の厳正なトライアルを合格した登録翻訳者数は3000名を超え、IT分野にとどまらず、半導体、自動車、医療・医薬、ビジネス一般、金融など広い分野に対応しています。
2019年2月、ディスクロージャー及び IRサービスを提供する宝印刷株式会社(現株式会社TAKARA & COMPANY)の100%子会社となりました。
米国・中国・韓国にもネットワークを持ち、海外のお客様との取引も多く行っています。

【株式会社十印】

所在地 : 〒108-0014 東京都港区芝5丁目31番19号 ラウンドクロス田町7階
代表者 : 代表取締役会長 岡田 竜介
事業内容: 1) 翻訳、ローカリゼーション、2) MT翻訳サービス、3)通訳派遣
資本金 :9,998万円
従業員数: 約80名
電話番号: 03-6453-6285(代表)
URL  : http://www.to-in.com

■国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)について

情報通信研究機構(NICT: National Institute of Information and Communications Technology)は、情報通信分野を専門とした公的研究機関で、情報通信技術(ICT)の研究開発を推進するとともに、情報通信事業の振興業務を実施しています。
NICTの開発した機械翻訳エンジンは、国内でも高い水準の翻訳品質を提供しています。

【国立研究開発法人情報通信研究機構(本部)】

所在地 : 〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1
代表者 : 理事長 徳田 英幸
電話番号:042-327-7429(代表)
URL  : https://www.nict.go.jp/

backtotop