AI翻訳があれば英語の知識は不要?AI翻訳と英語学習について
近年、人工知能(AI)の発達とともにAI翻訳サービスへの期待も高まっています。機械が翻訳を行うため、これまでのような英語の知識は不要になっていくのではないか、と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、AI翻訳と英語学習について今後どのような展開になっていくのかを解説していきます。
AI翻訳の発達で英語教育が必要ない未来は来る?
AI翻訳が発達して、英語教育が必要ない未来がくるという意見も聞かれます。その一方で2020年から小学校でも英語教育が導入され、大学入試ではスピーキングなどの項目が増えることになりました。このため高校生までの英語教育は、大きく変わることが予想されます。
英語教育が必要ないと囁かれている一方で、英語教育はこれまでより強化される傾向が見られます。今後どのような動向をたどるのか気になる所です。
AI翻訳が発達しても英語を学習したほうがよい2つの理由
英語が苦手にも関わらず、海外の取引先からきたメールを翻訳しなければならない人にとって、AI翻訳の発達で英語学習が必要なくなるのは夢のような出来事かもしれません。
しかし、たとえAI翻訳が発達しても英語学習はやはり必要なようです。その理由を説明します。
AI翻訳には限界がある
残念ながら現在のAI翻訳には限界があります。
AI翻訳はもちろん、文法を基礎として取り込んで開発されています。文法とは、言語の規範を意味します。しかし、自然言語には文法上の例外も多く存在しているのです。また、曖昧な表現も実際には多数あるため、人工知能であるAI翻訳では自然な翻訳にならず、自分の想像とは違った訳文ができてしまう場合があります。
他にも、AI翻訳が苦手とする領域には、文化的背景を含む言葉、地名、駅名、メニュー、ことわざ、慣用表現の翻訳などがあります。また、「心」、「ココロ」、「こころ」といった表記の違いによる微妙なニュアンスの違いも、AI翻訳は同じものとして捉える傾向にあります。
英語ができる人のほうが活用できる
AI翻訳は、情報処理能力や豊富な知識を持つ人の方が有効活用できます。
例えば、大阪の地名である「天下茶屋」は「てんがちゃや」と読みます。しかし、AI翻訳を使うと、「Tenka Tea House」と間違って翻訳される場合があります。こういったAI翻訳のミスも英語の知識があれば修正できます。
また、「鯵の開き」という和食メニューを英訳したいとき、「dried horse mackerel」といった訳語が考えられます。しかしAI翻訳は、「Opening of a coffin」と誤訳する場合があります。「coffin」とは「棺」の意味です。ここでも英語の知識があれば、AI翻訳のミスに気付くことができるでしょう。
このように、AI翻訳がまだ完璧ではない分、英語の知識はある程度必要だと言えます。翻訳会社には、AI翻訳が翻訳しやすい文章に校正し直すサービスであるプリエディットや、ポストエディットと呼ばれるAI翻訳の出力結果を修正するサービスがありますので、英語の知識がない場合は、このようなサービスの利用を視野に入れておくと良いでしょう。
正確な翻訳は英語の知識に裏付けされる
既に説明しましたが、現状のAI翻訳では翻訳しきれない部分が出てきます。原文の持つニュアンスや文脈の理解や精度を考えると、すべてをAI翻訳に頼ることができないことも事実です。このような場合でも、英語の知識がある人であれば、AI翻訳で翻訳しきれない部分を担保することが可能です。
一方で、現状のAI翻訳は人間が翻訳するより迅速な場合もあります。まず、AI翻訳を行い、その後、英語の知識がある人が翻訳結果を修正することにより、短時間で高品質な訳文が作成される場合もあります。また、同じような言い回しが何度も出てくるような大量の文章の場合、AI翻訳によって効率的に翻訳を行える場合があります。
AI翻訳が発達しても英語学習が全く不要というわけにはいかないかもしれません。しかし、AI翻訳が発達するにつれて、英語学習も変化していくでしょう。AI翻訳によって今までより、効率よく、正確な翻訳を短時間で行える可能性は拡がっています。
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