2025.06.11

AI翻訳は完璧なのか?ポストエディットで重要な文書も安心

人間の翻訳に近い翻訳ができると言われるAI翻訳は、近年大きく進化しています。人間より格段に速いスピードで効率的なAI翻訳は、ビジネスも含めて広く利用されるようになりました。簡単に使えるAI翻訳ツールも数多くあり、将来は翻訳者がいらなくなるという意見もあります。しかし、本当にAI翻訳は完璧なのかどうか、訳出された文章の精度は気になるポイントでしょう。

本稿では、AI翻訳が完璧に翻訳をこなせるのか、AI翻訳を使った翻訳の精度を確認するための方法を含めて、AI翻訳について解説していきます。

AI翻訳による翻訳の特徴

AI翻訳は、AI(Artificial Intelligence)、つまり、人工知能を使った機械翻訳です。ディープラーニングによる精度の向上により、近年では分野によっては、人力の翻訳に引けを取らないとも言われています。

スピーディーなAI翻訳は、翻訳にかかる時間と労力の削減を可能にし、人の手による翻訳と比べて翻訳作業効率が格段に上がりました。

以前は専門分野ではAI翻訳ツールは使えないとも言われていましたが、専門分野に特化したエンジンを使えば、特殊な語彙や定型文なども、そのまま翻訳結果の利用が可能です。

対応言語も幅広くなっているため、さまざまな言語への翻訳が可能になっています。

AI翻訳の実力とは?

AI翻訳は日進月歩で、1年の違いでも大きく進化していることに気づかされるでしょう。しかし、AIにすべての翻訳を任せられるほど、現段階ではAI翻訳の精度が完璧とは言えません。AIの学習量が増えるに従い、翻訳精度が上がっていくため、今後も精度の向上が期待されます。とはいえ、現在のAI翻訳は、不自然さが残ったり、文脈や前後関係に合わせた翻訳や文化・習慣を考慮した翻訳が不十分であったり、分野固有の表現が誤訳となったりする可能性もあります。

また、AI翻訳は、キャッチコピーや文学作品の翻訳は苦手です。うまく翻訳ができないばかりか、全く異なる翻訳となる可能性があるため、人手による翻訳が必要になる分野です。そのため、AI翻訳を上手に活用するには、何らかの手立てが必要です。

AI翻訳の苦手分野はディープラーニングが原因?

人気のAI翻訳ですが、苦手分野もあります。そのため、すべての翻訳においてAI翻訳ツールが利用できるわけではありません。どの分野が苦手かをあらかじめ知っておく必要があります。

AI翻訳が苦手だと言われる分野があるのは、AI翻訳ツールの作られ方に原因があるとも言えます。ニューラルネットワークを利用したディープラーニングによるAI翻訳ツールは、大量の対訳データに基づき使えば使うほど翻訳精度が上がるため、あまり使わない表現・語彙では精度が落ちてしまうのです。しかし、文脈や状況によっては、AI翻訳ツールの翻訳で十分使用に堪えうる場合もあります。

いずれにせよ、精度が一定でないためにチェックが欠かせないのが、AI翻訳ツールの現状です。

AI翻訳ツールの救世主?ポストエディットとは

AI翻訳の正確さを確認するためには、人がチェックを行わなければなりません。このチェックと修正工程は、ポストエディットと呼ばれています。

ポストエディットでは、正確さのチェックと共に、文脈や状況にあった訳文への変更、文化的なニュアンスの反映など、AI翻訳ツールにはできないことを人手によって行います。

専門用語への変更、分野によっては独自の言い回しなどの修正をする工程です。

AI翻訳がいかに精度の高い翻訳をしても、AIによる翻訳結果の正誤を確認できるのは、今のところ人だけです。そのため、訳出された翻訳の正確性の確認には、ポストエディットの工程が欠かせないのです。AI翻訳ツールを使いこなすには、ポストエディットとの上手な組み合わせがカギとなります。

ポストエディットの種類:ライトポストエディットとフルポストエディット

ポストエディットには、最低限の修正を行う「ライトポストエディット」と、背景を考慮に入れながら全体の修正を行う「フルポストエディット」があります。

AI翻訳ツールのスピードと、安心の精度という両方のメリットを同時に享受できるポストエディットなら、フルポストエディットを選択するとよいでしょう。

翻訳内容や目的、納期などを考慮したうえで、どちらのポストエディットが最適なのかを選択すると間違いありません。

フルポストエディットには、国際標準規格の“ISO18587”があるので、依頼先選びの指標とするのもよいでしょう。

十印のポストエディット

十印では、ライトポストエディットからフルポストエディットまで、翻訳・ポストエディットの知識を持った経験豊富なポストエディターが、生成AIや機械翻訳の訳文の最適化を行います。セキュリティ対策万全の十印のAI翻訳ツールと合わせれば、安心してご利用いただけます。

ポストエディットの国際標準規格ISO18587に基づく高品質なフルポストエディットサービス、短期間での納品をご希望ならライトポストエディットも対応可能です。

生成AI・機械翻訳ご利用後の翻訳結果のポストエディットサービスをご検討中なら、経験豊富で高品質なポストエディットサービスの十印に、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

十印では、文書・映像などの各種翻訳やポストエディットなど、歴史ある翻訳会社ならではのノウハウで、翻訳サービス全般におけるお悩みにお応えします。

技術翻訳からポストエディット、ローカリゼーションやトランスクリエーションまで、グローバルなビジネス展開で、常にお客様にベストな翻訳をご提案する十印に、ぜひお問い合わせください。

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▶著者紹介

株式会社十印 マーケティング部
石川弘美

1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。

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