2025.06.11

マンガ翻訳とオノマトペ:写植はどう変わる?

マンガは、いまや世界中で楽しまれるようになっています。マンガ翻訳は、翻訳の中でも難しいとされています。オノマトペ(擬音語・擬態語)は言語の文化を反映しており、マンガの世界観を表すのに大切な要素です。そのため、シーンの世界観や届けたいメッセージを伝えるために、オノマトペの翻訳は重要な役割を果たします。オノマトペは、写植に関しても非常に難しいと言われ、マンガ翻訳では重要なポイントの1つです。

本稿では、マンガのオノマトペを翻訳する難しさ、オノマトペの写植の難しさについて解説していきます。

オノマトペの翻訳はなぜ難しい?

「オノマトペ(擬音語・擬態語)」は、音や感情を視覚的に表現し、躍動感を与えるマンガ特有の表現方法です。オノマトペは、描かれているシーンに生き生きとした表情を与え、臨場感を持ってストーリーの世界に身を置けるマンガには欠かせないものです。

日本語のオノマトペは擬音語と擬態語に分かれており、他言語と比較して圧倒的に数が多いとされています。例えば擬態語は、欧米言語の3~5倍あるとも言われており、日本語と翻訳言語では同等の表現がないことも珍しくありません。日本語では使い分けが異なるオノマトペでも、翻訳言語では使い分けがないためにニュアンスが伝わりにくいなどのケースもあり、翻訳の難しさの原因となっています。

また、翻訳だけでなく写植の際も、吹き出し内の場合は吹き出しの向き、吹き出し外の場合は背景との一体化などで、オノマトペの長さや字体なども関わってきます。そのため、オノマトペの翻訳と写植は難しいと言われるのです。

オノマトペの翻訳はしない?

マンガのオノマトペの翻訳は、次の3つの理由から翻訳されていないケースがあります。1つ目は、そもそも言語によっては対応するオノマトペがない場合です。2つ目は、オノマトペを絵の一部とみなし、世界観を大切にするケースです。3つ目は、予算や出版社の意向などで、オノマトペを翻訳しない場合です。

1つ目の「対応するオノマトペがない」というのは、全く表現がないケースもあれば、別の表現と同じ表現で「ニュアンスの違いがない」などの理由があります。しかし、効果音のない映画のように、作品情報の一部が削られることにもなります。

一方、近年できるだけ原本に近い状態を好む読者層が増えている地域もあります。傾向として、右開き、オリジナルサイズ(現地の一般的なマンガより小さいサイズ)、オノマトペは絵の一部との認識で、あえてオノマトペを翻訳しないという動きもあるようです。

オノマトペの翻訳を依頼する際のポイント

マンガにおいてオノマトペは、音響効果や動作の強弱やスピード感などを表現できる、なくてはならないものです。原作の日本語から一度英語に翻訳して、そこから各言語に翻訳するという手法も多く使われていました。しかし、近年では、より忠実な翻訳を求める層から、直接目的言語への翻訳を要求する流れもあります。

これまで、マンガの翻訳は欧米言語への翻訳が一般的でした。しかし、近年では読者層も広がり、より多くの言語への翻訳機会が増えています。希少言語も含めた翻訳を依頼する際は、希望する翻訳言語に対応しているか、英語を介するのか、翻訳言語の読者層向けの対応ができるのか、気軽に相談できる翻訳サービスの利用が望ましいでしょう。

十印の翻訳・写植サービス

常にお客様にベストな翻訳を目指す十印では、希少言語も含む幅広い言語での翻訳・写植サービスを提供しています。マンガ翻訳でのお悩みや、マンガ翻訳に関するご質問やご相談も承ります。

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まとめ

十印では、半世紀にわたる翻訳に関する経験とノウハウで、作品・サービスの特徴やイメージに合わせ、言葉や文化の壁を乗り越えた翻訳を行っています。地域向け最適化であるローカリゼーション、作品のストーリーや世界観を伝えるトランスクリエーションなど、幅広い翻訳技術で、世界を舞台にしたビジネスでの成功をお手伝いします。

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▶著者紹介

株式会社十印 マーケティング部
石川弘美

1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。

#エンタメ翻訳
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