2017.11.06

【十印の歴史】(5)—国際会議

初めての大量案件を乗り越えて・・・

「十印の歴史(4)」の続き

そうこうして、オフィスをオープンして3ヶ月目ぐらいだったでしょうか、「国際会議で使うドキュメントを作成して欲しい」と依頼がありました。何時もお世話になっているタイピングの会社の社長さんからです。

当時の私には、国際会議のドキュメント作りはどんな仕事か想像もつきませんでした。
でも仕事を始めたばかりで、やった事がある仕事は一つもなかったわけですから、「はい、やります」と言う他に仕事を続ける道はなかったわけです。

それは音楽の国際会議に関する仕事でした。音大に原稿を取りに行ったときのことが忘れられません。
しかし、量もさることながら、数ヶ国語に翻訳し、タイプをし、編集し印刷し製本して納めなければなりませんでした。

翻訳、タイピングはなんとか終えたものの、印刷製本などという工程をいったいどうしたらいいのか、私はタイプし終えた用紙の前に途方にくれてしまいました。

それをたまたま友人が聞きおよび、翌日には輪転機を届けてくれたのです!
でも、この輪転機をどう操作するかもわかりません。
それを私が中古タイプを購入した際の(詳細はこちら)、事務機屋さんの営業担当の方が印刷・製本を知っていて、助けてくれたのです。「何やってるんだ!」と、見かねたその事務機屋さんの方が8名もきてくださり徹夜で印刷、製本を手伝ってくれました。

こうして 国際会議-それも音楽関連-の冊子を期日までに会議場の上野文化会館に納めることができました。
本当に周りの方々の協力のおかげです。いつもいつも私はこうして人に助けられながらやってこられたことに感謝しています。

その後、事務機屋さんからきて手伝ってくれた8名が社員として残ってくれることになりました。
しかもそのときの売上げで半年は社員を十分に養っていけるだけの資金ができたのです。

こうして会社はだんだんと大きくなっていきました。

その後、とんとん拍子のように見えますが、お人よしの私ですから、何度か人にだまされることなどもありました。その件はまた次回にお話します。

「十印の歴史(6)」に続く

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