2019.10.07

翻訳の品質を上げるポイントは「情報の共有」!

翻訳会社に翻訳を依頼するとき、どのように発注すればよいのでしょうか。大切なことは「情報の共有」です。今回は、AI翻訳サービスを使用した際の品質向上も含めて解説していきます。

これから翻訳を依頼する方、より良い品質の翻訳文を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

大切なことは「情報の共有」

翻訳会社への発注方法に少し工夫を加えることで、翻訳の品質を上げることができます。

大切なことは「情報の共有」です。では、翻訳会社にどのような情報を提供すれば、高品質の翻訳に結びつけることができるのでしょうか。翻訳会社とのやりとりで重要なポイントを、順を追って説明していきます。

翻訳会社に依頼する前に発注者が準備しておこう

翻訳者が翻訳を開始する前に、発注者が翻訳会社に提供できる情報を準備しておくと、訳文の品質を上げることができる場合があります。

準備するのは「参考資料」「スタイルガイドの作成」「用語集の作成」の3つです。

原文に関するカタログなどの参考資料は、翻訳品質アップにつながります。

スタイルガイドは、文体(ですます調、である調などの指示)、表記に関する決まりごとを集めています。一から作るのは大変と思われるときは、翻訳会社のスタイルガイドを利用する方法もあります。

用語集には、専門用語、自社の社内用語、表記が決まっている役職名などを集めておきましょう。翻訳者は用語集を参照して翻訳するため、発注者側の希望が伝わり便利です。

準備を面倒に感じる方もいるかもしれません。しかし、発注者が注文時にこのような情報を翻訳会社に提供すると、精度アップにつながります。一度作成してしまえば、次回以降の翻訳依頼でも使用できます。

翻訳会社に発注する

翻訳会社の窓口になるのは、プロジェクトマネージャーです。ただし、プロジェクトマネージャーが翻訳をするわけではありません。翻訳会社に登録された多くの翻訳者から翻訳者を選択するのが仕事です。

適切な翻訳者に訳してもらうために必要な情報を与える
翻訳会社に依頼をするとき、プロジェクトマネージャーに伝えるとよい情報が4つあります。それは、「ドキュメント内容」「対象読者」「ドキュメントの使用目的」「期待する仕上がりイメージ」です。

これらを参考にプロジェクトマネージャーは最適な翻訳者を選びます。「対象読者は一般人でなくて専門家です」といったように、出来るだけ具体的に翻訳会社に情報を伝えましょう。

品質管理について翻訳依頼時にたずねてみよう
翻訳依頼の際は、発注者から翻訳会社に「品質管理のためにどのような工夫をしていますか?」とたずねてみましょう。

上記の質問に対して「翻訳者による訳文を別の人がすべてチェックします」「1~2ページを抜き出してミスがないか確認します」などの対応が予想されます。これは翻訳コストとも、関係します。

また、大量の原文を複数の翻訳者が担当する場合、訳語のバラツキを抑える工夫についてたずねてみましょう。翻訳後の修正はなるべく少なくしたいものです。品質管理について確認してミスやバラツキ抑制の対策を講じておきましょう。

翻訳以外の情報も提供する
英語を日本語に訳すと、大抵の場合、本文では日本語の方が長くなりがちです。この結果、原文のレイアウトが崩れます。翻訳後のレイアウトの調整などの「DTP作業」が必要となります。翻訳会社によっては、有料で行うことがあります。

見積もり金額にDTP作業が書かれていない場合、レイアウトの調整は発注者側が行うことになります。そのため、翻訳会社がどこまでレイアウト調整をするのかを発注時に確認しておきましょう。

翻訳会社による訳文は、ノーチェックで直ちに使用される場合もあります。しかし、何らかの形で発注者が納品後にチェックする場合もあります。

発注者が翻訳会社にコメント記入を依頼するのも1つの方法です。翻訳作業中の疑問は「この箇所、原文に誤りがあるようです」といったようにコメントしてもらいましょう。納品後、どこを中心にチェックすればよいか分かりやすくなります。

急ぎの翻訳は、品質レベルを明確に伝える
とにかく短期間で納品してほしい場合、発注者は翻訳会社に希望する品質レベルを出来るだけ具体的に伝えましょう。

時間が短い分、通常のプロセスを省略しなければならないこともあります。どうしても譲れない品質レベルと、そうでないところを示しましょう。

用語集の作成
表現や用語を統一しておくことで、読み手の負担や誤解を招くことを防ぎます。訳として間違いではない場合でも、表現がバラバラだと読みづらい印象を与えてしまうだけでなく、誤解を招くことも考えられます。

そのため、用語集を作成し、表現や用語を統一することが重要です。業界用語や専門用語をはじめ、略語などの表記も記載しておくとよいでしょう。また、難しい言葉ではない場合でも、表現を統一してほしいものがあれば記載しておきましょう。

用語集を作成する場合は、1つの用語に対して訳語の設定は1つにし、どうしても2つ以上の訳が必要な場合は、例文などを備考として記載し、分かりやすいようにしておく必要があります。

AI翻訳や翻訳支援ソフトも知っておこう

AI翻訳だけでは完璧な翻訳にならない場合があるため、人によるチェックと並行して使用される場合が多いのが現状です。しかし、メリットもあります。

予算が厳しい中、利用するとコスト削減につながる場合があります。また、急を要する場合、短時間で翻訳ができます。AI翻訳は、原文の大まかな内容を把握するのに適しています。

翻訳支援ソフトもいろいろ開発されています。Trados/SDLX、Transitといったソフトウェアは人の手によって翻訳された良質の訳文を再利用するためのソフトウェアです。

マニュアルなど、同じパターンの文が頻出する文章は、Trados使用でコスト削減につながる場合があります。AI翻訳サービスを契約するか人の手による翻訳にするかは、翻訳会社と相談しながら決めるのがおすすめです。

翻訳発注について迷われているような場合は、ぜひ一度株式会社十印へご相談ください。

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翻訳会社に依頼する際は、前述したように翻訳支援ソフトなどの機械だけではなく、人による確認も入ります。確認する際に、事前に情報があることで、確認ポイントや修正の方向性も変わってきます。

何度も修正を行うといったことにならないよう、伝えられる情報は共有し、適した翻訳者を選んでもらうようにしましょう。

また、業務利用のために安全性も確保できるAI翻訳サービスをお探しの方は、ぜひ株式会社十印へご相談ください。

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