翻訳サービスの料金はどのように決まる?費用相場を紹介
ドキュメントの翻訳をするのにどれくらいの費用がかかるのか、イメージがわかない方も多いのではないでしょうか。翻訳会社によって単価などは異なるものの、1文字・1ワードあたりの単価から算出する会社がほとんどです。また、単価はジャンルや言語によって変動します。
今回は、翻訳の料金体系や価格相場についてご説明します。
基本的な翻訳料金体系
稀にページ単価で算出する会社もありますが、基本的に翻訳においては原文の文字やワードの単価×分量から算出した見積もりになります。
ここでは、翻訳料金算出のベースとなる3要素についてご説明します。
文字・ワードベース
翻訳料金を算出するにあたってベースとなるのが、原稿のボリュームです。原稿のボリュームとは、原文の文字数・ワード数のことを指します。
たとえば、日本語から他言語への翻訳の場合は日本語1文字あたりの単価×総文字数となり、英語からの翻訳の場合は単語1ワード×総ワード数で料金を算出。日本語以外にも、中国語や韓国語などから他言語へ翻訳する場合も文字数で料金が算出されます。
分量は、Microsoft Wordの「文字数(スペースを含まない)」と「単語数」を目安に考えるのが一番いいでしょう。
あらかじめ料金のあたりをつける場合は、文字数と単語数を間違えないように注意してください。日本語原文の場合、「文字数」と「単語数」で算出される分量は大きく異なります。
原稿の難易度・ジャンル
一般的に、専門性が高く、対応できる翻訳者の数が限られているジャンルは単価が高くなる傾向があります。
たとえば、医薬分野は需要に対して対応可能なリソース数が限られるため、他ジャンルの翻訳よりも単価は高めです。逆に、一般的な内容になればなるほど単価は安く抑えられます。
言語ごとに単価は変わる
専門性と関連しますが、希少言語についても対応できる翻訳者の数が少なくなるので、翻訳単価は高くなります。日本語と英語のリソースがもっとも多いため、他の欧州言語に比べると日本語と英語は安く翻訳することが可能です。
特に、ドイツ語などは複数の単語がつながって1単語になっているケースがあるので、ワード単価が高くなる傾向があります。
追加費用がかかるケース
基本的に翻訳料金は文字・ワード単価×総数となりますが、依頼内容によってはプラスアルファで料金が発生するケースもあります。
ここでは、追加料金が発生する可能性のある依頼内容について説明します。
翻訳以外の作業も頼んだ場合
翻訳とは別に、特別なレイアウト要求などがある場合は、料金が高くなる可能性があります。
たとえば、複雑なレイアウトのドキュメントをレイアウト調整込みで翻訳してほしい場合や、原文と訳文を併記してほしい場合などは追加料金となることがあります。
分量が少ない場合
1文だけを翻訳するなど、あまりに分量が少ない場合には最低一式料金(ミニマムチャージ)が課せられる可能性が高いです。
分量に関わらず、コーディネーターは翻訳者・チェッカーに作業の打診をしなければなりません。少量翻訳の場合は、単価×総数で算出してしまうとその作業工数と見合わないため、ミニマムチャージを設定している会社が多いです。
納期に余裕がない場合
短い納期で翻訳してほしいという場合には、特急料金がかかる可能性があります。
翻訳が完了するまでに、以下のステップがあります。
・コーディネーターによるリンギストの選定、依頼
・翻訳者による翻訳
・チェッカーによるレビュー
翻訳の1日の作業量は、英語から日本語へ翻訳する場合は、1500〜2000ワード/日となり、日本語から英語に翻訳する場合は、3,000〜4,000文字/日前後が多くの翻訳会社の相場です。
ただし、依頼したその日に翻訳がすぐスタートできるわけではないので、実際の処理量は上記より少し下がります。通常の納期設定よりも納期が短くなる場合は、翻訳者が他の仕事を断る必要があるため、その分料金が高くなる可能性がありますから依頼の際は注意してください。
翻訳会社の価格相場
実際に翻訳を依頼する場合、どのくらいの料金を想定すればいいのかイメージがつかない方も多いかもしれません。
ここでは、国内大手の翻訳会社が出している単価をご紹介します。
翻訳連盟が出している相場
多くの翻訳会社が加盟している「翻訳連盟」が掲載している英語と日本語の翻訳単価に関する参考値は以下のとおりです。
先ほども説明したとおり、専門性が高くリソースが限られている分野の単価が高く設定されています。
文書の種類/分野 | 英日翻訳:英文→和訳(税別) | 日英翻訳:和文→英訳(税別) |
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コンピューターマニュアル | 28円 | 20円 |
一般科学・工業技術 | 28円 | 21円 |
金融 | 30円 | 25円 |
経営管理・財務・契約書 | 30円 | 25円 |
医学・医療・薬学 | 35円 | 30円 |
特許明細書 | 26円 | 30円 |
大手翻訳会社が出している相場
国内大手の翻訳会社が出している英語と日本語の翻訳を行う際の相場をご紹介します。翻訳連盟が打ち出している単価よりは低めに出されているところがほとんどです。
ただし、先ほども説明したとおり原稿の難易度などによって単価は変動します。
会社名 | 英日翻訳:英文→和訳(税別) | 日英翻訳:和文→英訳(税別) |
---|---|---|
翻訳センター | 17.1円〜21.6円 | 16.2円〜20.4円 |
十印 | 26円 | 16円 |
DHC | 25円 | 15円 |
WIPジャパン | 18円 | 16円 |
翻訳料金を安く抑えるには?
翻訳料金を抑えるポイントは、以下のとおりです。
1. ある程度の分量をまとめて発注する
2. 納期に余裕を持つ
3. 可能ならメジャー言語の翻訳を依頼する
たとえば、同じ内容のドイツ語と英語ドキュメントを所持している場合、ドイツ語版で依頼するよりも英語版で翻訳依頼を出すほうが料金を抑えられます。
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上記の1〜3に沿って翻訳依頼をするのが、もっとも翻訳料金を安く抑えるコツです。突発的に翻訳が必要になるケースもあるかもしれませんが、なるべく計画的に翻訳依頼対象原稿を洗い出しておくのがいいでしょう。