2019.11.18

翻訳内容のフィードバックは大切!次回依頼時の質を上げるためのポイント

自社Webサイトの英語版、海外取引の際の契約書、輸出用商品の説明書、外国人客向けの案内文などの作成で、翻訳会社とやり取りをする機会は益々増えています。

翻訳は原文の意味を違う言語で再構築する作業ですが、成果物がどういった目的で使われるのか?誰が読むのか?などによって表現の仕方や使う言葉が違ってきます。また、詩的、感覚的な要素が原文に含まれる場合、翻訳者の受け取り方によって出来上がりが異なるため、成果物とクライアントが思い描いていたイメージとの間にズレが生じることも多々あります。

今回は、どうすればこのズレを効率よく防ぐことができるのか、次回依頼時の質を上げるためにどのようにフィードバックを送れば良いのか、などを掘り下げてみたいと思います。

まずは翻訳会社との打ち合わせが重要

翻訳には契約書、特許、技術マニュアル、IT関連、映像翻訳、出版翻訳などの種類があり、まず希望する翻訳の分野に該当する翻訳会社を探します。

その後、期限や見積もりなどのやり取りをし、合意に至れば次に電話、もしくはメールなどで事前に打ち合わせを行います。

打ち合わせでの確認事項
翻訳会社との間での確認事項は以下のようなものがあげられます。

翻訳の目的 成果物を広告として利用するのか?マニュアルとして利用するのか?など、それぞれ目的に合わせて表現や言葉遣いが違ってきます。
読者の年齢層 読者の年齢層によって表現方法、使用する漢字や単語などが変わります。
媒体 成果物をWebサイトに載せるのか?一般向けに配布するパンフレットに利用するのか?などによって文章のフォーマル度が決まります。
口調 「です・ます」調か、「だ・である」調か? 副詞、助動詞はひらがな表記か? 数字は半角か、全角か?などを確認します。
固有名詞や専門用語の表記方法 特に複数の翻訳者が関わるプロジェクトなどでは、名詞の表記方法(「コンピューター」あるいは「コンピュータ」で統一するなど)を打ち合わせの際(または早い段階)で確定します。

事前にできる限り詳しく情報共有を行うことで成果物の精度が上がり、作業中にクライアントと翻訳者との間で連絡を取り合う回数を大幅に削減できます。

しかし、途中全く連絡を取る必要がないというわけではありません。翻訳業務で肌感覚が強い部分は、作業中にクライアントと翻訳会社間ですり合わせを行うことが重要となってきます。特に、原文が意味している内容があいまいな文章は、意味の取違いがないか、また翻訳した文章で問題ないかを確認します。

成果物にズレが生じた場合はフィードバックが大切

基本的に文章を違う言語に置き換える際、100%の翻訳というものはあり得ません。クライアントと翻訳者が協力しあってできる限り精度を上げていきますが、それでも成果物にズレが生じてしまった場合にはどうすればよいでしょうか?

同じペアで仕事をすればするほど、お互いの情報が蓄積されて仕事がしやすくなりますので、ズレは積極的にフィードバックを送って次に繋げることが大切です。

フィードバックをする際のマナー
翻訳者はできる限り原文に近い適切な表現を見つけようと日々頭を悩ませています。自分と受け取り方が違ったからとズバリ「この〇〇〇と翻訳されている部分はXXXの間違いだと思いますので変更しておきました」といった間違いを指摘するようなフィードバックをすれば、相手の感情を傷つけてしまいかねません。

普段ネットを通してやり取りをしていても、相手は感情を持った人間であることをしっかりと念頭に置きつつ、まず「今回も丁寧に翻訳してくださってありがとうございます」など労をねぎらった上でフードバックをすると、翻訳者も気持ちよく受け入れられるでしょう。

フィードバックは具体的に
翻訳の訂正をする際には、以下のようにできるだけ具体的にフィードバックを送ります。

例:
「当方のイメージから、〇〇〇の部分はXXXという意味であると解釈し、△△△という表現を採用しました」
「〇〇〇という専門用語は、ネットで見ても一般的に△△△という表現が使われているようですのでそのように訂正しました。」

このようにフィードバックを入れておくと、翻訳者もクライアントの好みや傾向が理解でき、次回はよりクライアントの希望に近い成果物が出来上がることでしょう。

誤字・脱字に関するフィードバック
誤字や脱字に関しては、自分でも簡単に修正できるのでわざわざフィードバックの手間を掛けたくないところですが、あえて伝えておくと次回の翻訳のファイナルチェックがより慎重になるはずです。

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翻訳作業はクライアントと翻訳者の二人三脚。

協力しあう姿勢を保ちつつ良い関係を築いていけば、より良質の成果物が期待できます。成果物に自分のイメージしていたものとズレが生じた場合でも、丁寧なフィードバックを送ることで次回の質の向上に繋げて行きましょう。

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