2019.12.02

翻訳の効率を格段に向上させる「翻訳メモリ」について解説

機械翻訳を使えば翻訳作業の効率を向上させることが可能です。

そこに、「翻訳メモリ」を導入することで、さらに翻訳効率が向上することをご存じでしょうか?

ここでは、翻訳の効率を向上させる翻訳メモリについての詳細や、翻訳メモリと翻訳支援ツールの違いなどについて、ご説明します。

翻訳メモリとは何か?

翻訳メモリとは何か、翻訳支援ツールや機械翻訳の違いなども含めて、ご説明します。

翻訳メモリとは
翻訳メモリとは、TM(Translation Memory)とも呼ばれ、人間が過去に行った翻訳結果をデータベースに登録したものを指します。

具体的には、原文と訳文のペアの蓄積であり、翻訳においてこれらを自動的に参照することで翻訳作業の効率化が可能です。

翻訳メモリと翻訳支援ツールは何が違うのか?
翻訳メモリは、翻訳支援ツール上で使います。

翻訳支援ツールとは、CATツール(Computer Assisted Translation)とも呼ばれ、人が行う翻訳を支援してくれるツールです。翻訳支援ツールは翻訳メモリを参照し、過去に同じような原文があれば自動的にその訳文を出力してくれます。

また、過去の訳文から同じ用語の表現の違いを正して、表記のゆれを防ぐことなども可能です。

翻訳メモリと機械翻訳の違いとは?
翻訳を支援するツールや翻訳メモリなどの違いについてご紹介しました。

ここで気になるのは、度々耳にすることがある「機械翻訳」とはどういう位置づけなのかということではないでしょうか。

機械翻訳は、MT(Machine Translation)とも呼び、その名のとおり、機械が自動的に翻訳をしてくれる仕組みです。有名な機械翻訳には、インターネット上で簡単に翻訳ができるGoogle翻訳などがあります。

機械翻訳とは、仕組みそのものを指しますので、過去の翻訳データである翻訳メモリとはまったく概念が異なります。TM(翻訳メモリ)とMT(機械翻訳)といった、同じアルファベットで表記される2者はしばしば混同されがちですが、明確に違うものであることをぜひ知っておいてください。

翻訳メモリを使うと翻訳効率が上がる理由

翻訳メモリは翻訳支援ツールと組み合わせることで、さらに威力を発揮します。

表現のゆれを自動修正してくれる
翻訳支援ツールと翻訳メモリを連携させることで、訳文の中の用語や表現のずれやゆれを修正し、過去に同様の原文があればそれを適用してくれます。

人間が目視で過去の訳文と比較して、同じ用語や表現を揃えるのはとても困難です。そこで、翻訳メモリと連携した翻訳支援ツールが自動的に対応してくれれば、翻訳効率は大幅にアップします。

このように、用語や表現を機械的に検索して揃える作業などで、翻訳支援ツールと翻訳メモリとの連携が本領を発揮します。

過去に同様のデータがあれば自動的に適用してくれる
もう一つ、翻訳支援ツールと翻訳メモリの連携による重要な機能に、過去のデータから自動的に訳文を作ってくれる機能があります。翻訳メモリ内に過去にあった同様の原文がデータとして蓄積されていれば、それを自動的に呼び出して訳文を出力してくれます。

この機能を使えば、人間の記憶に頼ったり目視で確認したりして過去の原文を参照するよりも、翻訳作業効率を高められるのです。

翻訳メモリを最大限に活かせる翻訳作業とは何か?

翻訳メモリを活かすことで、特に効率がアップする翻訳作業についてご紹介します。

繰り返し表現が多い文書の翻訳
翻訳メモリを最大限に活かせる一つが、繰り返し表現が多い文書の翻訳です。

たとえば、同一の用語や表現を繰り返し使うマニュアルやビジネス文書などの翻訳に役立ちます。

人間が過去の訳文を参照しながら翻訳も同時に行うと、効率は大幅に下がってしまいます。そこで、翻訳メモリを用いることで、同一の用語や表現の整合性を自動的に整えてくれるうえ、過去に同様の原文があれば自動的に訳を作成できます。参照する作業をツールが担当してくれることで、人間は翻訳だけに集中することができます。

その結果、翻訳自体の品質も上がるほか、作業効率もアップするのです。

過去の蓄積を活かすことが多いケース
過去のデータを蓄積しやすいケースでも、翻訳メモリはその実力を発揮します。
たとえば、ビジネス文書などはその最たる例です。
企業は扱う商品やコンテンツに関するマニュアルや文書を、随時蓄積しています。過去のデータが蓄積された翻訳メモリを用いることで、その企業内での文書翻訳の効率がどんどん向上していくでしょう。

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翻訳メモリとは、蓄積された原文と訳文ペアのデータのことで、翻訳支援ツールと連携させることで、その威力を発揮します。過去に使用した用語や表現に揃えたり、過去に同じ原文があれば自動的に訳文を出力したりする機能を持ちます。

これを利用すれば、繰り返し表現が多いビジネス文書の翻訳などに役立つでしょう。

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