2020.03.02

機械翻訳に適した日本語の書き方

Google翻訳などの機械翻訳を用いて日本語を外国語に訳すときに、原文と違う意味になってしまうことは少なくありません。もちろん機械翻訳は完璧ではないため、ある程度は仕方がないといえるでしょう。しかし、日本語の書き方を工夫することで正しく翻訳されることは多々あります。ここでは、機械翻訳に適した日本語の書き方についてご紹介します。

日本語の書き方次第で翻訳の精度は上がる

機械翻訳の精度は、以前と比べると格段に向上しました。とはいえ誤訳が全くないということはなく、翻訳の精度はプロの翻訳者には及びません。

しかし、原文となる日本語の書き方を少し変えるだけでも訳文の正確性が上がることは多くあります。機械翻訳を利用するときには、日本語の特徴を知ったうえで誤訳されにくい文章にすることが大切だといえます。

機械翻訳に適した日本語の書き方の10のポイント

ここでご紹介するポイントを押さえれば、翻訳の精度はずっとよくなります。機械翻訳を利用する前に、ぜひ以下の点を確認してください。

誤字脱字を確認する
人間は誤字脱字があっても内容を理解することができますが、コンピュータは文脈から間違いを判断することができません。直接誤訳につながってしまうので、誤字脱字は必ず確認しましょう。

文章をできるだけ短くする
日本語は、多くの外国語に比べて文章が長いという特徴があります。しかし、一文の中に多くの情報が含まれているとそれだけ誤訳が生じる可能性も高くなります。読点や接続語などを多く利用した長い文章は、複数の短い文章に分けるようにしてください。

話し言葉を使わない
友達と話しているときに使うような話し言葉は、正しく翻訳されないことがあります。ニュアンスが変わってしまうこともあるかもしれませんが、内容が変わることを避けたいのであれば書き言葉を使うようにしましょう。

方言を使わない
機械翻訳では、基本的に方言は網羅していません。例えばGoogle翻訳で関西弁を翻訳しようとすると、「おおきに」は「Big」、「あかん」は「Akan」、「おもんない」は「I don’t know」となってしまいます。そのため、方言で書かれた文章を翻訳したい場合はまずは標準語に直す必要があります。

省略語を使わない
Google翻訳を使うと「厚生労働省」は「Ministry of Health, Labor and Welfare」と訳されますが、省略して「厚労省」とすると訳は「Ministry」となってしまいます。これは多くの省略語で起こりうることだといえます。省略語が一般的に使用されている場合でも、正式名称で書くようにしましょう。

漢字表記を用いる
日本語で文章を書くときには、漢字表記できる部分をあえてカタカナやひらがなにすることが少なくありません。しかし、日本語は英語のように単語と単語の間をスペースで区切らないため、ひらがなやカタカナが続いているとコンピュータが間違った部分で区切ってしまうことがあります。

例えば「きょうはなやでばらをかった」という文章は、人間であれば「今日花屋でバラを買った」だとすぐに分かります。しかし、コンピュータは「今日は納屋でバラを買った」に変換してしまうかもしれません。このような誤訳を防ぐためにも、漢字を使える箇所では漢字を使いましょう。

シンプルな言い回しにする
日本語は遠回しな言い方を好む傾向がありますが、「~というかたちになります」などの言い回しは誤訳の原因になります。できるだけ「~です」と言い切るなど、シンプルな言い回しにするようにしてください。

難しい表現を用いない
比喩表現などの難しい表現は、誤訳の原因となるので避けましょう。また、ことわざや慣用句などもできるだけ使わないのがベストです。例えば、「鳴かず飛ばず」をGoogle翻訳で訳すと「Do not fly without sounding」となってしまいます。また、「虫がいい」は「Insects are good」と訳されます。「虫がいい」は「身勝手」に言い換えるなどの工夫が必要だといえるでしょう。

主語や目的語を省略しない
日本語では主語や目的語を省略することが多くありますが、コンピュータは正しく主語、目的語を補うことができません。多少くどい文章になってしまうこともありますが、機械翻訳を使うときには必ず主語や目的語を明記しましょう。

語順に気を付ける
修飾語を用いた文章の誤訳を防ぐためには、語順が重要になります。「可愛い猫を飼う子供」という文章があった場合、コンピュータは猫が可愛いのか子供が可愛いのかを判断できません。もし可愛いが子供にかかるのであれば「猫を飼う可愛い子供」にするなど、十分に語順に注意して文章を書きましょう。

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ここでご紹介したポイントを押さえて日本語を書くことで、機械翻訳による誤訳は大幅に減らすことができます。とはいえ、完全に誤訳をなくすことはできません。高い質が求められる場合に機械翻訳による訳文をそのまま利用するのは危険だといえます。
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