プロの翻訳者になる方法とキャリアパスについて
翻訳者は、多くの人が憧れる職業の1つです。しかしながら、翻訳者になるための道のりは簡単ではありません。ここでは、プロの翻訳家になるための方法についてご紹介します。
プロの翻訳者になるための勉強方法
プロの翻訳家になるためには、まずは語学力と翻訳スキルを磨かなければいけません。ここでは、翻訳者になるための主な勉強方法についてご紹介します。
■外国語を学べる大学や専門学校に進学する
翻訳を学ぶためには、語学力があることが大前提です。大学の外国語学部や外国語大学、外国語専門学校などに進学すれば集中的に語学を学べるため、翻訳者になるためのベースを固められるといえるでしょう。実際に、翻訳者には外国語系の大学や専門学校の出身者が多くいます。ただし、語学力があるだけでは翻訳者にはなれません。大学や専門学校で語学力を磨きつつ、翻訳スキルも伸ばしていく必要があります。
■翻訳学科のある海外の大学で学ぶ
日本では翻訳を専門的に学べる大学は少ないですが、海外には数多くあります。翻訳者になる上で学歴は必ずしも必要ではありませんが、大卒資格を取ると同時に翻訳について学べるのは大きなメリットだといえるでしょう。また、海外で生活することで語学力を効率的に伸ばすことができ、仕事に役立つ貴重な文化体験もできます。可能であれば、留学は有力な選択肢の1つだといえるのではないでしょうか。
■翻訳専門学校に通う
翻訳者になるために、多くの人は翻訳専門学校に通います。特に東京や大阪などの都市部には多くの翻訳専門学校があるため、自分に合った学校を選ぶことができます。大学や専門学校とは違い、他の仕事をしながら翻訳者になる勉強を続けられるのが大きなメリットだといえるでしょう。さらに、大きな翻訳専門学校の場合は学校を通して仕事を獲得できることもあります。
■通信講座などを利用しながら独学で学ぶ
通信講座などを利用しながら、独学で翻訳スキルを身につける人もいます。ただし、独学を続けることは決して簡単ではありません。本気で翻訳者になりたいのであれば、強い意志を持って勉強を続ける必要があるといえるでしょう。
■新卒から翻訳者を目指す必要はない
翻訳者は、他の仕事で学んだことをそのまま生かせる数少ない職業の1つです。専門分野の翻訳を正しく行うためには、翻訳スキル以外に専門知識も学ぶ必要があります。例えば医薬翻訳を行う場合には、病気や薬、治験などについての理解がなければいけません。そのため医薬業界で働いた経験があれば、医薬翻訳を行ううえで大きなアドバンテージになります。他の仕事をしてから翻訳者に転身することは、十分可能だといえるでしょう。
翻訳の種類
翻訳には、大きく「実務翻訳」、「出版翻訳」、「映像翻訳」の3つがあります。それぞれで求められる翻訳スキルが異なるため、どの翻訳に携わりたいかを決めてから翻訳の勉強を開始するといいでしょう。
■実務翻訳
実務翻訳、出版翻訳、映像翻訳の中で、圧倒的に需要が多いのが実務翻訳です。実務翻訳において翻訳する文書には契約書や特許関連文書、社内規定やコンプライアンス資料、プレリリース、ニュース記事、企業ホームページ、ガイドライン、プレゼンテーション資料、マニュアル、ブログなどがあります。そして、実務翻訳で特に大きな割合を占める主要ジャンルが「医薬」、「IT」、「金融」の3つです。そのため、多くの翻訳専門学校ではこれらのジャンルに特化したコースを用意しています。
■出版翻訳
出版翻訳とは、出版された書籍や雑誌を翻訳することをいいます。自分の作品として訳書が残ることが大きな魅力で、出版翻訳に憧れて翻訳家を目指す人は少なくありません。キャリアが浅いうちは、ベテラン翻訳者の下訳を行うのが一般的だといえるでしょう。
■映像翻訳
映像翻訳における翻訳対象には、テレビ番組や映画、DVDなどがあります。実務翻訳や出版翻訳とは異なり、映像に合わせて翻訳を行わなければいけないため、文字数などに厳しい制限があるのが大きな違いです。また、映像翻訳者を目指すのであれば字幕と吹き替えの両方を学ぶ必要があります。
トライアルを受けて仕事を受注するのが一般的
翻訳の仕事を受注するためには、翻訳会社のトライアルを受けるのが一般的です。合格するまで根気よくトライアルに挑戦し続けることで、翻訳者としての道が開けてくるといえるでしょう。また、翻訳のオーディションやコンテストに応募するという方法もあります。オーディションやコンテストで受賞することで、一気に仕事が増えるケースもあるようです。
翻訳家の働き方
翻訳家の働き方は、大きく分けて「フリーランス」と「インハウス」の2つがあります。フリーランス翻訳者は個人事業主として仕事を請け負い、一般的には在宅で仕事を行います。自分の裁量で仕事をしたい人、プライベートを大切にしたい人にはフリーランス翻訳者が向いているといえるでしょう。
そして、インハウス翻訳者は会社員として決められた時間内で翻訳を行います。自由度は低いものの、安定した働き方ができるといえます。ただし、会社によっては翻訳以外の仕事も任されることもあるようです。
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