2021.09.29

機械翻訳が著作権侵害にあたるケースとは

インターネット上には多くの情報が溢れていますが、日本語のサイトだけでは得られない情報もあります。英語で検索すると何倍もの情報を得られることも少なくありません。そして情報共有の一手として、「海外のサイトを機械翻訳で翻訳して自分のサイトに載せよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、その際に必ず考えなければいけないのが著作権などの権利問題です。

ここでは、機械翻訳と著作権の関係についてまとめました。機械翻訳を利用する際には、ぜひ参考にしてください。

海外サイトを機械翻訳で翻訳して転載するとどうなる?

インターネットでは全世界、さまざまな言語のサイトを閲覧することができますが、その言語に精通していなければ当然ながら読むことはできません。そのため、内容を知るためには翻訳が必要になります。参考になった情報、良い情報として翻訳したものを自社サイトに掲載したいと考える人もいるかもしれません。

しかし、実は海外サイトを翻訳して無断で転載することは著作権侵害にあたります。もっと具体的にいうと、著作権の中のひとつである「翻訳権」の侵害となります。なぜなら、サイトに掲載されている記事の著作権は作成者にあり、同時に記事の内容を翻訳する翻訳権も付与されるためです。

実際に無断で翻訳して転載をした場合、万が一サイトの作成者が法的に訴えると、大きなトラブルとなります。海外サイトに翻訳機能が付いていないと不便に感じることもありますが、トラブルを避けるためには無断での翻訳はするべきではないといえるでしょう。

とはいえ、個人的な目的で海外サイトを翻訳することには問題ありません。英語学習などの目的で、海外サイトを機械翻訳で翻訳している人は多いといえます。無断掲載さえしなければ著作権の侵害にはあたらないということを覚えておくといいでしょう。

著作権侵害になり逮捕された例

実際に翻訳、転載したことによって大きな問題が起きるというのは、イメージしにくいかもしれません。しかし、過去に無断で転載したことによって著作権侵害で逮捕された例は存在します。

2016年、「ポルタ―ガイスト」のセリフを翻訳してサイトに投稿した男性が逮捕されました。その当時、まだ「ポルターガイスト」は日本で公開されておらず、正規の翻訳も存在しませんでした。男性は、「ほかにも見たい人がいると思ったから翻訳してサイトに掲載した」と供述したとのことです。そして、セリフを翻訳する際には翻訳サイトなどを利用したとのことでした。

無断で映画のセリフを翻訳してインターネット上に投稿することに対して、「著作権違反をしている」という意識はなかったのかもしれません。この件は映画の翻訳に著作権法が適用された初めての例だったため、知らなかったとしても無理はないといえるでしょう。とはいえ、法律違反であることに変わりはありません。他人の著作物を翻訳する際には、著作権侵害にあたらないかを必ず確認する必要があるといえるでしょう。

機械翻訳の誤訳がトラブルになるケース

機械翻訳によるトラブルの例は著作権違反だけではありません。機械翻訳の翻訳に誤訳があったためトラブルが生じたという例もあります。ここでは、機械翻訳に誤訳があった場合の各対応と、適切な対処についてお伝えいたします。

そもそも機械翻訳でなぜ誤訳が起こるのでしょうか。まずは2つの代表的な原因について考えてみます。

■機械学習の方法が不適切だった場合
機械学習の方法が不適切だった場合、誤訳を生んでしまう可能性は十分にあります。しかしながら機械学習において、学習済モデルの出来を検証することは容易ではなく、テスト段階では問題点が明らかにならず、運用段階ではじめて問題が見つかることも珍しくはありません。また、不具合の原因部分の特定やその補修は容易ではありません。このため機械翻訳によって誤訳が生じたとしても、開発元の責任を問うことや、プログラム自体の補修を求めることは適切とは言えない場合が多いのが現状です。

■利用した対訳コーパスに誤訳があった場合
では、利用した対訳コーパスに誤訳があった場合はどうでしょうか。この場合、機械翻訳のシステムに大きな不具合が生じた場合には開発者が責任を問われる可能性があります。とはいえ、多少の誤訳が原因で責任を問うことは難しく、開発者の責任となるのは誤訳が非常に多い場合などに限られるといえるでしょう。

■誤訳の対処方法について
機械翻訳の進歩は目覚ましく、分野によっては人手翻訳と変わらないレベルの翻訳ができるものも増えてきましたが、まだ完璧とは言えず、誤訳が生まれてしまうこともしばしばあります。また前述のように、機械翻訳が原因で誤訳が生じたとしても、翻訳システムやその開発元に責任を問うことは難しいのが現状です。機械翻訳を利用する際はポストエディットの利用や、人手翻訳と併用して一部の訳文を並べて誤訳のクセを見つけるなど、誤訳を見つける方法も確保したうえで利用することが望ましいといえます。

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今回は著作権をはじめとした機械翻訳によるトラブル事例を紹介してまいりました。近年、機械翻訳にも人間の脳のニューラルネットワークを模してAI学習を行うことにより、翻訳精度が飛躍的に向上しました。使い方次第でTOEIC900点以上の訳文を生成することも可能といわれています。機械翻訳の導入にはプロの意見を取り入れながら検討してみてはいかがでしょうか。

十印は、1980年代から本格的に機械翻訳に取り組んでおり、多くの企業様への機械翻訳の導入をお手伝いしてきました。
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