2022.04.04

医学医療情報のグローバル化と機械翻訳の活用

海外情報へのアクセスが容易になり、医療の現場でも学術論文などの情報や、外国製の医療機器、新薬・治験など、翻訳が必要とされる場面は多くなりました。新型コロナウイルス感染症によるパンデミック禍でも、各言語での情報の共有の必要性が再認識されました。情報のグローバル化と情報量の多さで、機械翻訳が利用される頻度は年々増え続けています。医療情報に関しても例外ではありません。

こちらでは、グローバル化に伴う医学医療情報の翻訳について、機械翻訳の活用方法を見ていきましょう。

医療翻訳の特性と傾向

命を預かる医療という分野での翻訳は、誤訳の許されない分野です。機械翻訳だけでは正確さに限界があり、人力では速さに限界があります。スピードと正確さが求められる医療翻訳では、人の手による翻訳と機械翻訳を上手に組み合わせて活用していくことが大切です。現在は情報リソースの多様化も進み、医師が自ら翻訳をすることもあるようですが、ただでさえ多忙な中で、時間をやりくりすることは容易ではありません。翻訳作業に忙殺され、本来の業務へのしわ寄せがいく状態を避けるには、機械翻訳や翻訳サービスを利用して、翻訳作業の手間を軽減するのも一案です。

●医療翻訳に求められる専門性とスピード
医療は日々進歩するため、新しい技術・新薬などの医療翻訳では、常に最新の知識が必要です。また、状況の変化に迅速に対応できることも、医療翻訳では求められます。

機械翻訳というと、無料の機械翻訳を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、正確さに疑問が残るだけでなく、セキュリティ面でも不安がある無料の機械翻訳は、正確な情報を素早く伝えたり共有したりする必要のある医療翻訳には、最適とは言えません。ニューラル機械翻訳による機械翻訳精度の飛躍的な向上により、医療翻訳にも機械翻訳が利用される頻度は増えています。

全てを翻訳者に頼って翻訳すると、コストとスピードで後れをとります。そのため、機械翻訳で大幅な時間短縮を行い、その後に専門のスタッフによるポストエディットをすれば、誤訳もなくなり、ミスの許されない医療翻訳での安全性は保障されます。

グローバル化での翻訳のポイント

医療・医薬分野の進化発展は目覚ましく、常にアップデートされています。医療情報のグローバル化に伴い、短時間で、世界中で情報が共有されるようになりました。幅広い分野での情報が簡単に手に入るようになると同時に、扱う情報量も増えており、医療機器産業分野も、国際市場レベルで発展しています。近年、医薬品の取扱量は右肩上がりで、今後も増え続けることが予想されます。国内外の情報共有が増えていくに従い、医学・学術関連翻訳以外の、医薬品や医療機器に関する医療関連翻訳の機会は多くなるのは必然です。

新薬や様々な申請書類の多言語翻訳など、日英・英日間のみの翻訳では対応しきれない可能性もあります。医療翻訳会社選びでは、多言語翻訳にもきちんと対応してもらえる翻訳会社を選ぶと間違いがないでしょう。

●発信言語からの翻訳も視野に
海外での医療に関する情報は、第一報が必ずしも英語であるとは限りません。スピードを求めるならば、まずは発信言語からの翻訳も考えてみましょう。学術論文などでは、英語での発表が一般的です。しかし、海外での国内セミナーを始め、近年では医師自らが情報を発信することも増えてきており、別言語の情報である可能性もあります。英語以外の言語の情報の場合、理解できる人が少ない、もしくは不十分な言語レベルであるための誤訳などの問題がでてきます。しかし、機械翻訳を利用すれば、英語以外の言語でも、簡単に情報を手に入れることができます。

機械翻訳の導入だけでなく、各分野に精通したスタッフによる、プレエディットおよびポストエディットまで、トータルにサポートサービスを提供している翻訳サービスが安心です。

医療翻訳の正確性と安全性を求めて

間違いがあってはならない医療分野で、ミスのない翻訳をすることは、翻訳者の使命です。十印では、医療翻訳に不可欠である正確性と安全性の保障のため、人材の育成に力を入れています。

一言で医療翻訳といっても、大きく分けて3つの分野「学術系翻訳」「医療機器系翻訳」「医薬系翻訳」があります。医療翻訳は、翻訳言語に精通しているだけではなく、翻訳技術と医療知識が必要である、難易度の高い翻訳です。そのため、翻訳家としての経験が長いだけでは十分でなく、医療翻訳のプロになるには専門分野の訓練が必要です。それぞれの分野の専門家のこなせる仕事量は限られていますが、機械翻訳との併用により、時間の短縮が可能となります。

十印では、より正確な医療翻訳を提供するため、専門分野ごとの翻訳者が登録しています。

まとめ

十印では、1980年代より機械翻訳の進展に寄与してきました。現在は総務省を中心に進めている国家プロジェクトである「翻訳バンク」プロジェクトに協力し、国立研究開発法人情報通信研究機構の作成する質の高い機械翻訳エンジンを、企業内で安全に簡単に利用できるサービスを提供しています。

機械翻訳のご利用をご検討の際には、こちらからご相談ください。

backtotop