多言語マーケットの攻略法
海外進出を考える際に、まずウェブサイトなどを現地の言語に翻訳をしようと考えるのではないでしょうか。しかし何語に翻訳するかは、戦略次第です。そのため、海外進出を考えて現地語に翻訳する場合、どのような価値を、どのような顧客に提供するのかを考えた上で翻訳言語を選択する必要があります。複数言語を使用するのか、1つの言語に絞るのか、またどの言語に絞るのかは、どのようなターゲットに訴求するのかにより選択肢は変わります。
こちらでは、多言語環境の海外マーケットにおいて複数言語を使用してマーケティングを成功させるための方法について、ベルギーの例を通して見ていきましょう。
多言語市場のベルギー
日本では、日本語でマーケティングをすることが当然と考える人も多いでしょう。そのため海外進出を考える際、海外市場でも同じように、公用語の1言語でマーケティングをすればよいと思う方もいるかもしれません。しかし、世界では公用語が複数ある国は決して珍しくはありません。
例えばベルギーでは、フランス語圏、オランダ語の一種であるフラマン語圏、ドイツ語圏と3つの公用語が使われています。フランデレン地域に住むフラマン語を話すオランダ系住民と、ワロン地域に住むフランス語話者は、言語だけでなく、政治的・宗教的にも違う立場で、対立を繰り返してきました。つまり、同じ国でも、様々な違いがあるのです。
また、英語に関しても、フラマン語話者の英語力が高いのに対し、フランス語話者は低くなるなど、同じ国内でも地域差があります。そのため、ベルギー市場を攻略するために何語を選ぶのか慎重に検討する必要があります。
ターゲット層に合わせたマーケティングを
ベルギー市場の例では、フランス語圏、フラマン語圏では、言語だけでなく様々な背景の違いにより、習慣・嗜好も異なります。そのため、どちらかだけに絞ったマーケティングは、国の約半数にしか訴求できない可能性があります。
せっかくウェブサイトを翻訳しても、最初から半数の潜在顧客を逃してしまっては、マーケティングを成功させることは難しいでしょう。そのため、ベルギー市場の例では複数言語への翻訳が功を奏すると言えるでしょう。反対に、特定のターゲットのみに訴求したい場合は、その地域の特性に絞ったマーケティングが効果的です。
このように、ターゲティングをして目的に合わせた目標言語の設定は、マーケットリサーチから始める必要があります。そのうえで、ターゲット国、地域にマッチしたグローバルサイトの構築、メディア選びを通じ、現地へ最適なマーケティング方法を見つけましょう。
それぞれの市場の特性に合わせたローカリゼーション
各言語への翻訳は、それぞれの言語話者の習慣・嗜好に合わせるローカライズが欠かせません。また、現地の特性に合わせる必要もあります。例えば、ベルギーの首都ブリュッセルはフランス語とフラマン語の二言語が使われていますが、フランス語話者の割合が多くなっています。また、外国人が多いため、公用語ではありませんが英語話者の数も多く、アラビア語話者も多数います。そのため、ベルギーの例をとるのであれば、フランス語・フラマン語(オランダ語)・ドイツ語の公用語以外に、英語とアラビア語などの組み合わせが考えられます。
ターゲットを明確にし、潜在顧客が1言語のみしか使わないのか、複数言語での対応が必要なのかを把握しましょう。もちろん、ターゲットがフラマン語圏、またはフランス語圏などに絞られている場合はその限りではありませんが、マーケットを絞るのかどうかも重要な検討事項の1つです。
現地に精通した多言語化
多言語化するにしても、ただ単に翻訳するだけでなく、この言語の使用者の文化や習慣などに配慮した翻訳が必要になります。技術文書ではなく、購入者に訴えかける必要のあるマーケティング的な翻訳であればなおさらです。
翻訳を行う人は、その言語のネイティブである必要がありますが、英語以外の言語となると、日本国内の翻訳者だけでは対応が難しいでしょう。グローバルに拠点を持ち、それぞれの言語に精通した翻訳者に発注できる翻訳会社を選択する必要があります。
まとめ
十印では、半世紀以上の間、企業のグローバル展開をお手伝いしてきました。海外にも拠点を持ち、グローバルなネットワークを通じて、多言語のネイティブ翻訳者に発注できます。
また、言語能力の高いプロジェクトマネージャーが一元管理して各言語に展開していますので、お客様の要望や修正を各言語に反映することも効率的に行います。
多言語展開をご検討の際は、ぜひ一度十印にご相談ください。