DTPを機械翻訳で手軽に実現
コンピューターの日常生活への浸透と共に、様々な分野でパソコンを使っての業務が一般化しています。それまで外注せざるを得なかった様々な作業が、ソフトさえあれば、一般的なコンピューター上でもできるようになりました。
DTPも、パソコンでできるようになった作業のうちの1つです。それまで専門家に頼らざるを得なかった様々な工程を、自社のパソコンで手軽に作成できるようになりました。しかし社内のグローバル化に従い、多言語での文書作成の機会が多くなり、翻訳という過程も増えると、作業の外注を再検討するようになるかもしれません。
今回は、翻訳を含むDTPに対応するためにはどのような方法があるのかを見ながら、最適な方法を探してみましょう。
DTPの社内業務化への流れ
長い間、印刷物は専門業者に依頼することが一般的でした。なぜなら、一般企業には、版元の作成から印刷に至るまでの様々な工程を行う技術も機械もなかったからです。1985年にAldus社の「PageMaker」が発売され、DTP(Desktop publishing)が登場すると、オフィス内で煩雑な工程をパソコンで完結できるようになりました。
社外向けには、今まで通りコストをかけて印刷物を発注している企業でも、社内利用の文書を外注せずに社内で作成できれば、スピードとコストの面で圧倒的に有利です。そのため、DTPを社内での業務へとシフトしていく企業は、これからも増えていくでしょう。
DTPの特徴
従来の専門業者への依頼での印刷では、直前の依頼・変更の対応が難しい、微調整の指示の意思疎通が図りにくいなどの問題点がありました。DTPの場合、Webデザインとは違い紙媒体であるため、一度印刷してしまうと修正はできません。そのため、印刷前に完成した状態である必要があります。校了ギリギリまで変更ができ、コスト面でも軍配が上がるDTPは、これからも採用される機会は増えるものと思われます。
ソフトさえあれば一般のパソコンでも作成できるのが特徴のDTPですが、DTPソフトを使いこなすスキルのある人材も必要です。写真選択、企画、デザイン、レイアウトなど一連の作業をこなすためには、それなりの知識とスキルが必要だからです。ソフトウェアの操作をゼロから学ぶのは時間がかかります。そのため、DTP作業の人材の確保、もしくは、作業のフォーマットを作り、ルールに沿って作業をしていけるような環境作りが大切になります。
社内向け文書はDTPが手軽
DTPで書類作成を行うことにより、時間の短縮とコスト削減が可能となりました。パソコンとソフトさえあれば、他に特別な機械は必要ありません。そのため、主に社内文書を作成する場合、出版社に発注しない企業が増えるのは自然な流れだといえるでしょう。
一方、グローバル化と共に、外国語での文書作成の機会も増えました。英語など、外国語での作成は、写真や図版など以外に、翻訳という作業が加わります。コスト削減のためにDTPを選んでも、文章の翻訳を翻訳会社へ依頼しては、コストは高くなってしまいます。予算との兼ね合いもあり、企業にとって頭の痛い問題です。
翻訳でコスト削減を図るには、無料の機械翻訳が挙げられます。しかし、無料の機械翻訳は機密情報の管理に不安があるため、利用が難しくなります。そのため、いかに手軽でも利用には一考の余地があるといえるでしょう。
翻訳とDTPを成功させるポイント
外国語への翻訳をしてDTPを成功させるためのポイントは、3つあります。
1つ目は、表記方法です。例えば、英語と日本語の2言語での冊子であれば、日本語と英語を同ページ内に表記、1冊表記で前後の双方から始める、言語別に冊子を分けるなどの異なる方法から選びます。言語によっては、日本語と比べてボリュームが増えるため、レイアウトや内容の調整など、臨機応変に対応する必要があります。
2つ目は、読者ターゲットを明らかにした、読み手の目線で読みやすい構成です。日本語の社内報を外国語に翻訳するだけでなく、企画の段階で日本語以外の言語でも読む人がいると意識するとよいでしょう。
3つ目のポイントは、翻訳を誰に頼むのかです。翻訳者選びが翻訳の質を左右するともいえます。社内のネイティブスピーカーまたは翻訳担当者、専門業者などから必要な翻訳レベルに合わせて選ぶことが一般的でしょう。無料の機械翻訳を使うという方法もありますが、ポストエディットが必要となります。
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