2022.08.22

翻訳は専門性の高い分野でこそ機械翻訳が活躍する

社会のグローバル化と機械翻訳の急速な進化により、機械翻訳の利用範囲が広がっています。様々な分野の翻訳にも対応できるようになり、近年機械翻訳の可能性は確実に広がりました。

しかし、いかに機械翻訳の精度が高くなったとはいえ、分野によってはまだまだ人の手による翻訳のレベルに追いついていない場合も少なくはありません。中でも文学や専門性の高い分野は機械翻訳が苦手とする分野と言われ、これまで導入を諦めていたケースもあるかもしれません。

今回は、なぜ専門分野の機械翻訳はできないと言われるのか、専門性の高い分野での翻訳でも機械翻訳を効果的に使う方法を見ていきましょう。

専門分野の機械翻訳はできないと言われる理由

専門用語を多用する専門分野の翻訳は、一般的な翻訳とは違い、機械翻訳を使うとなかなか思い通りの翻訳ができないという声があります。専門用語や社内用語、独特の言い回しや文章のスタイルなど、一般的な文章とは異なる表現が多いのが、専門分野の翻訳の特徴です。そのため、これまで機械翻訳では精度の高い翻訳は難しいと考えられていた分野でした。専門用語の適切な翻訳ができない、毎回用語が異なる訳語になってしまう、独特の言い回しや文体が訳出できない、などの問題点をクリアすることが、専門分野での機械翻訳の大きな課題でした。

また機械翻訳をしても、汎用エンジンの利用では不十分であるためポストエディットに時間がかかり、機械翻訳の最大のメリットである時間の短縮というメリットがあまり感じられなかったのも、専門分野の機械翻訳は不可能だと考えられていた原因の1つと言えるでしょう。
しかし、定型文が多い、1つの言葉の意味が不変であるなどの特徴は機械の得意とするところでもあるのです。

専門分野における機械翻訳の精度

近年、機械翻訳の精度が上がり利用率は上がってきていますが、専門分野では機械翻訳の伸びしろはまだまだあります。気になるのは、専門分野に特化された翻訳があまり使われていないのは、なぜなのかということです。

専門分野の機械翻訳の精度を上げるためには、専門分野に特化された機械翻訳を使う方法が考えられます。では、実際に専門分野に特化された機械翻訳で、汎用エンジンによる翻訳以上に訳文の精度を上げることは可能なのでしょうか。

専門分野の機械翻訳では、「BLEUスコア」と呼ばれる品質検証で客観的に評価することができます。人の手による翻訳により近い「高品質な翻訳」であるためには、BLEU値40-50となる翻訳機能を使うことが望ましいと言えます。

専門分野の翻訳を成功させるために

では、どのような方法で専門分野の機械翻訳を成功させられるのでしょうか。一般的な翻訳では翻訳CATツールの利用で、専門性の高い分野のための用語集の管理と用語統一をして安定した翻訳を可能にします。

機械翻訳を使う場合では、専門分野に対応した機械翻訳の利用が望ましいでしょう。初めての機械翻訳導入で、工程の進め方などに不安があっても対処できるよう、サポートサービス体制のある翻訳会社に依頼するのも一案です。多言語での翻訳が必要であれば、希望言語が専門分野に特化した翻訳にも対応しているかどうかの確認も欠かせません。

また、一般的な専門分野の翻訳では翻訳者とチェッカーの固定をするように、機械翻訳後のポストエディットの担当者を固定するのもよいでしょう。翻訳の均一化に役立ち、翻訳の精度向上に繋がります。

十印のリーガルエンジン

十印の機械翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)提供の高精度AI翻訳エンジンを搭載しています。特許・半導体・金融・リーガル(契約書)といった分野特化型エンジンをご用意しています。

中でもリーガルエンジンは2020年に業務提携した国際取引コンサルティングサービスを展開する国際事業開発株式会社(IBD)の契約書式と条項例データを用いて、契約書専用のエンジンを作成し高い翻訳精度を実現しました。こちらの精度については、桃尾・松尾・難波法律事務所の鳥養 雅夫弁護士からもご推薦いただいています。

契約書データベースを自由に使用できる「英文契約書らくらく翻訳パック」もご検討ください。

まとめ

十印では、これまで難しかった契約書の機械翻訳を、リーガルエンジンの利用により高品質でスピーディーな翻訳を可能にしました。契約書式と条恒例データを提供頂いた国際事業開発株式会社(IBD)が各種契約書で評価を行ったところ、いずれの契約書でも、そのままあるいは少しの手直しで使用できるという高い評価が得られています。

AI翻訳ツールT-tact AN-ZIN®は14日間の無料トライアルを実施しておりますので、この機会に是非お試しください。(分野別エンジンはオプショナルとなりますので、お試しの際には担当者へ御連絡ください)

専門性の高い分野での機械翻訳導入をお考えなら、お気軽に十印にご相談ください。

backtotop