2026.01.29

マンガ翻訳で求められるのは?翻訳の質が体験を変える

海外で日本のマンガが読まれるようになり、作品によっては60以上の国・地域で出版されています。英語版は日本版の発売からほどなく入手できる場合が多い一方、言語によっては発売が大幅に遅れることがあります。しかも人気マンガでなければそもそも翻訳されないケースもあります。そうなるといくらマンガが人気であるとしても、翻訳されていなければ読者がアクセスしづらく、作品に触れる機会が大幅に減ってしまいます。

本稿では、マンガの翻訳について、行間を読める翻訳とは何か、どのように別言語で作品を表現できるのかについて見ていきましょう。

マンガ翻訳の現実は?スキャンレーションが抱える課題

マンガが世界で人気になれば、マンガはさぞ世界各国で売れていると思われるかもしれません。実際には、翻訳されているマンガはまだまだ少なく、日本のマンガにおいて海賊版やスキャンレーションの存在は、正規翻訳の利益を圧迫する要因として指摘されることがあります。

スキャンレーションとは、「スキャン」と「トランスレーション(翻訳)」を合わせた造語です。スキャンレーションは、ファンのグループによるマンガのページのスキャン、翻訳、編集をする一連の作業の総称です。基本的にファンが無償で翻訳をしているので、問題がないように思われますが、著作者の許可なく行われるスキャンレーションは、著作権侵害に該当します。いわゆる海賊版と呼ばれるものです。

“善意の翻訳”が招く影響とは?ファンダム翻訳と著作権の問題

日本語から翻訳されていない作品をファンたちが自ら翻訳する行為は、翻訳されていない言語へのマンガ翻訳という点では一定の役割を果たしてきました。しかし、前述したようなスキャンレーションのように、著作権者の許可を得ずに作成・流通される非公式翻訳は、著作権を侵害する行為であり、作品の権利者に直接的な損害を与える問題があります。

海賊版が出回ることで、著作権者や出版社が本来得られるはずだった収益が失われるだけでなく、正式な翻訳版の販売機会が奪われ、市場形成そのものを阻害してしまいます。さらに、非公式翻訳が広範囲に拡散されると、公式版の刊行意欲や制作体制にも影響が及び、結果的に読者が新しい作品や質の高い翻訳にアクセスしづらくなるという悪循環が生まれます。

このように、非公式な翻訳の流通は、単に「読めるようにしてくれた」というレベルの問題ではなく、著作権者の権利を侵害し、作品の未来そのものを脅かす深刻な問題につながるのです。

だからこそ、作品の価値を損なわず、権利を守りながら正しく世界に届けるためには、正式な手続きを踏んだプロの翻訳が不可欠です。

プロのマンガ翻訳は何が違う?

プロのマンガ翻訳者に求められるのは、まず日本語を正確に理解できる力です。そして、セリフの翻訳だけでなく、行間から読み取れる情報や絵から得られる情報を翻訳言語の短いセリフの中に入れ込んでいく作業こそがプロのマンガ翻訳です。

さらに、マンガの世界観やキャラクターの性格・感情を、いかにセリフの中で表現できるかがプロの翻訳者として欠かせないスキルです。翻訳言語に同等のオノマトペがない場合、どの表現を採用するかは翻訳者に加え、編集部や出版社の方針も踏まえて決定されます。限られた字数の中でどのような表現をするかは、翻訳者によって変わりますが、作品の方向性や世界観の変更は許されないため、表現に工夫が必要になってきます。

トランスクリエーションで何が変わるのか?

マンガの翻訳は、翻訳者が変われば、作品の雰囲気も変わります。しかし、マンガは楽しめなければ、読者は離れていきます。翻訳がぎこちなく、読んでも内容がわかりづらければ、エンタメ翻訳としては失敗です。たとえ原作は素晴らしくても心に響かない翻訳表現では、翻訳を読んでも世界観に共感できず、作品をつまらなく感じてしまうからです。

トランスクリエーションで自然な表現を使うことで、翻訳されているとは感じさせないほどの体験が可能になります。読者に楽しんでもらえる作品に仕上げられるかどうかは、トランスクリエーションで翻訳言語の表現が自然な仕上がりになっていればこそです。作品を通して一貫性のある自然な表現の翻訳であれば、ファンに愛される翻訳作品になるでしょう。

十印のマンガ翻訳とトランスクリエーション

十印では、希少言語も含む幅広い言語での高品質なマンガ翻訳サービスを提供しています。翻訳だけでなく、オノマトペを含む翻訳や手間のかかる写植など、マンガの翻訳に特化したサービス、エンタメのローカリゼーションやトランスクリエーションサービスも提供している十印は、クオリティの高いマンガ翻訳による翻訳、多言語化実現のお手伝いをします。

十印の翻訳サービスは、マンガの世界観を伝え、ターゲット顧客層向けに特化した翻訳で読者の心を掴み、マンガのマーケティング効果を高めます。マンガのグローバル市場での成功には、ぜひ十印の翻訳サービスをご検討ください。

まとめ

十印では、半世紀にわたる翻訳に関する経験とノウハウで、作品・サービスの特徴やイメージに合わせ、言葉や文化の壁を感じさせない翻訳を行っています。地域向け最適化であるローカリゼーション、作品の世界観を伝えるトランスクリエーションなど、幅広い翻訳技術で、世界を舞台にしたビジネスでの成功をお手伝いします。

ターゲット顧客や対象エリア・作品に合わせた翻訳はもちろん、読みやすさを追求した現地向け最適化であるローカリゼーション、メッセージ性の高いトランスクリエーション等、顧客満足度を高める翻訳は、技術力のある十印にお任せください。

高品質なマンガ翻訳をお考えなら、どうぞお気軽に十印までお問い合わせください。

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▶著者紹介

株式会社十印 マーケティング部
石川弘美

1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。

#エンタメ翻訳
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