2022.04.28

翻訳・ローカリゼーション・トランスクリエーションを使いこなす

近年、AI翻訳の精度向上と、手軽に使える自動翻訳ツールの台頭で、機械翻訳が多く利用されるようになりつつあります。無料翻訳ツールもあり、短時間で手間もコストもかけずに翻訳してもらえるのなら、全ての翻訳を機械翻訳に任せてもよいのでは、と思うかもしれません。しかしながら、翻訳にはさまざまな目的があり、現在の機械翻訳は目的別に翻訳し分ける能力や機能はありません。そこで翻訳の目的別に、翻訳手法・方法を使い分ける必要性が出てきます。

今回は、目的別の翻訳をするためによく使われる手法である3種類の翻訳、一般的な翻訳・ローカリゼーション・トランスクリエーションを使い分ける方法を見ていきましょう。

翻訳・ローカリゼーション・トランスクリエーションの役割の違い

一般的な翻訳、ローカリゼーション、トランスクリエーションの違いを知らないままでは、適切に使い分けることはできません。翻訳の手法を使い分けるには、まずそれぞれの役割を知っておきましょう。

いわゆる翻訳は、より原文に忠実で、記述内容を正確に伝えることができます。分野によっては、内容が正確であれば、翻訳された言語において自然な表現であるかどうかは問われない場合もあります。

ローカリゼーションは、異なる地域における認識の違いによる溝を埋めるため、情報を追加して、元の文章の情報を伝わりやすくする役割があります。そのため、現地で受け入れてもらいやすくするために、多少原文にはない表現や単語が入っても問題ないとされることが一般的です。

トランスクリエーションは、企業やブランドのイメージ、価値観の統一など、別言語で認識のずれを直してメッセージを伝える役割があります。言語に関わらず、共通のイメージ喚起が目的であるため、訴求という目的が果たせるのであれば原文への忠実さは求められないことも多くなります。

目的別に各翻訳手法を上手に使い分ける

翻訳は、単なる言葉の置き換え作業ではありません。そのため、機械翻訳や人の手による翻訳に関わらず、内容が伝わればよいレベル、より自然さを求めるレベル、訴求力を高めるための現地化など、目的別に最適な翻訳手法を選ぶ必要があります。

それでは、翻訳・ローカリゼーション・トランスクリエーションの、3つの手法を順番に見ていきましょう。

翻訳
主に製品マニュアル、契約書、eメール、レターなどに使われます。翻訳者の創造性よりも正確な内容伝達が目的です。そのため翻訳の自由度は高くなく、別言語への置き換えにより、読み手が情報を正しく理解できるようにすることが最終目的です。

ローカリゼーション
主にウェブサイト、サービスのマニュアル、研修・教育プログラム教材などに使われる手法です。翻訳言語の文化・習慣・嗜好などに配慮し、理解を促すために翻訳を変更・追加するなどのアレンジをします。文書の翻訳だけでなく、現地の状況に合わせた内容やデザインの変更なども含まれます。翻訳の自由度は中程度です。

トランスクリエーション
マーケティング・ブランディングなど、主にコピーライティングが必要な場合に使われます。パンフレット、広告・ウェブサイトの見出しなど、目を引くキャッチコピーや文章で、製品・企業・ブランドの存在意義を翻訳言語で伝えることが目的です。翻訳の自由度は高く、時に原文とは全くかけ離れたクリエイティブなコピーライティングとなることもあります。

このように、目的別に翻訳の種類を選ぶことは、よりコンテンツの特性を活かし、理解を促すメリットがあります。直訳では伝わらないメッセージを、ローカリゼーションやトランスクリエーションで伝えれば、より高い訴求効果が期待できます。

また、目的別の翻訳の多様化により、マーケティング・ブランディングの可能性が広がります。企業・ブランドの価値を多言語間で共有し、より企業価値を高めるのに貢献するためのツールが、ローカリゼーションとトランスクリエーションだとも言えるでしょう。

十印のトランスクリエーション

十印では、外国文化・習慣への深い造詣と外国語による高いライティング力で、訴求力の高いトランスクリエーションを提供しています。翻訳会社ならではの高い外国語でのライティング力と、現地の情報に詳しいスタッフによるローカライズで、最適な翻訳とお客様にぴったりのトランスクリエーションのご提案で、訴求力を高めるお手伝いをいたします。

高品質な翻訳と言葉を超えたトランスクリエーションで、ターゲット顧客の心を掴み、グローバルビジネスを成功へと導きます。効果的なマーケティングには、十印のトランスクリエーションをご検討ください。

まとめ

十印では、原文に忠実な翻訳から、トランスクリエーションまで、お客様のご要望に合わせ、幅広い翻訳を行っております。

ターゲット顧客やエリア・商材に合わせ、最適なマーケティング手法での訴求を可能とするために、ご希望の翻訳方法をお選びいただけます。現地の特性にマッチするようにローカライズとトランスクリエーションを組み合わせ、効果的なグローバルビジネスの展開ができるようお手伝いをいたします。

トランスクリエーションをはじめとした翻訳をご検討なら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。

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