契約書翻訳のポイントと機械翻訳のメリット
ビジネスにおいて重要な契約書。近年のグローバル化に伴い、外国語による契約書が必要な機会も増えています。しかし海外との取引では、商習慣の違いなどから日本で使っている契約書をそのまま翻訳するだけでは使えません。外国語で内容も特徴も違う契約書をどのように作成すればよいのか、不安要素はつきません。
今回は、海外との取引における契約書の翻訳で気を付けるべきポイント、上手な機械翻訳の活用の仕方について見ていきましょう。
契約書作成の翻訳方法と問題点:人力と機械翻訳
契約書の翻訳は単なる言語の変換ではなく、取引先の地域の法律などの専門知識を元に契約書の体を成している必要があります。そのため契約書の翻訳をするためには、人の手による翻訳であるならば、翻訳の知識のみならず法律の専門知識も欠かせないため、翻訳者が限られてしまいます。また、時間がかかるのも人力の翻訳のデメリットです。
契約書の翻訳には、機械翻訳を利用する方法もあります。機械翻訳はここ数年で飛躍的に進歩しました。しかし専門分野の翻訳に関しては、汎用エンジンでは思うような訳文ができない、無料の翻訳ツールはセキュリティ不安があるなどの問題点がありました。
契約書作成に最適な機械翻訳とは?
機械翻訳の問題点は、特化されたエンジンの利用で解消されます。契約書に特化されたエンジンを使えば、独特な言い回しや専門用語にも対応でき、人の手による翻訳と比べて大幅な時間短縮が可能な機械翻訳を上手に使えば業務効率も上がります。
また、セキュリティも契約書の翻訳では重要なポイントです。重要な内容を取り扱うには、セキュリティ不安のないデータ管理のしっかりとできる安全な翻訳ツールの利用が欠かせません。精度と安全性の両方を兼ね備えた翻訳ツールを使って機械翻訳をすれば、安全で高精度な契約書の翻訳が可能になります。
しかし、ここで機械翻訳の利用では精度が十分ではないという問題点がまだ残りますが、機械翻訳の問題は訳出後のポストエディットによって解決できます。
契約書の機械翻訳とポストエディットを成功させるには?
機械翻訳後の人の手によるチェックを、ポストエディットと言います。翻訳文書の内容・使い道によっては機械翻訳で訳出された訳文をそのまま使うことも可能ですが、契約書の翻訳では機械による翻訳後、より精度を高めるポストエディットの工程があることが一般的です。
契約書の機械翻訳とポストエディットを上手に活用するヒントは次の通りです。
1. セキュリティ不安のない機械翻訳ツールを選ぶ
機械翻訳ツールを選ぶ際は、セキュリティ不安のない翻訳ツールを選ぶ必要があります。利用前に利用条項を確認する、安全に利用できる保証がない場合は利用しないなどで、確実にセキュリティの安全性を確認しましょう。
2. 汎用エンジンよりも特化エンジンを使う
汎用エンジンでは、独特な表現や専門用語に対応しきれない可能性があります。契約書の特化エンジンの利用により精度の高い翻訳が可能になり、ポストエディットの作業時間が短縮されます。
3. 質の高いポストエディターを選ぶ
機械翻訳で訳出された後のポストエディットの作業を、どのようなポストエディターがチェックするのかは重要なポイントです。専門知識があることは当然ですが、個人的な好みでの修正は本来の意味でのポストエディットの作業とは言えず、時間の無駄になります。
機械翻訳とポストエディットを組み合わせる方法は、人間が全て翻訳するのと比べ大きな時間の短縮になり、スピーディな翻訳文書の作成が可能に。適切な翻訳を適切なタイミングで提供し、ビジネスチャンスを逃さないようにしましょう。
十印のリーガルエンジン
十印のリーガルエンジンは、日本語と英語間の契約書やリーガルに特化された機械翻訳ツールで、リーガルチェック前の英文契約書も簡単に作れます。
総務省が中心となり作成した国産の高精度翻訳エンジンをベースに、十印と国際取引コンサルティング・サービスのIBD(国際事業開発)が共同開発したリーガルエンジンは、多数の契約書式と条項例を用いた深層学習で、今まで難しかった契約書の翻訳をより正確かつ敏速に、しかも低コストで実現しました。
英文契約書らくらく翻訳パック
十印の「英文契約書らくらく翻訳パック」では、AI自動翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」のリーガル専用エンジンをご利用いただけます。契約書向けの契約書データベースとリーガル専用エンジンは、専門用語や業界独特な文章の翻訳にも対応しており、翻訳エンジンに過去のデータを学習させれば、自社専用の翻訳エンジンの作成も可能に。更に、専用用語集の登録により用語の統一が図れ、翻訳ぶれがありません。
十印は情報セキュリティの国際規格ISO27001(ISMS)の認証を受けており、安心・安全な情報セキュリティマネジメントシステムに取り組んでいます。「英文契約書らくらく翻訳パック」でご利用いただく翻訳データは暗号化されており、ユーザー情報もハッシュ化されているため情報漏洩の心配はありません。IPアドレス制限機能もあり、利用者の許可なく翻訳結果を再利用しないため、安心してご利用いただけます。
また、利用者数は無制限であるため、メンバー全員でのご利用にも対応できます。
まとめ
十印では、2022年6月、機械翻訳後のポストエディットサービスのクオリティの証明となる国際規格「ISO18587」の要求事項順守について供給者宣言を行いました。
精度の高い汎用エンジンと専門分野に特化したエンジンなど最適な翻訳方法の選定を含め、プレエディットやポストエディットまで、トータルサポートの翻訳サービスを提供し、業務の効率化のお手伝いを致します。
機械翻訳の導入をご検討なら、高い技術と、豊富なライティング経験のある十印に、是非ご相談ください。