2023.01.11

トランスクリエーションで期待されるイメージを伝える

外国人が日本へ興味を持つ対象は、国や年代によっても様々です。また、訪日経験があるかないかによっても大きく違い、同じ国の出身者でも興味の対象は大きく変わります。日本語が全くできなくても日本や日本製品に興味を持つ人も多く、外国語への翻訳は欠かせないものとなっています。

今回は、翻訳の中でも特に自由度の高いトランスクリエーションで、期待されるイメージに近づけるための翻訳テクニックを見てみましょう。

日本から連想するものは画一的ではない

アジア14都市で行われたアンケート調査*1によれば「日本」からイメージするモノやサービスは、「デジタル製品」「家電/AV製品」「自動車」「アニメ/漫画」「食」「観光」「ファッション」と実に様々です。全体に共通しているのは「日本製品=高品質」のイメージですが、国や都市によって日本製品に持つイメージは異なっています。一方「ジャパンブランド」と「メイドinジャパン」には大きな差は見られず「日本製品」というざっくりした括りで日本製品を評価している層が多いとわかります。

2019年に実施された、海外消費者を対象とした意識と実態を把握する「ジャパンブランド調査」*2では、「日本の製品は優れていると思うかどうか」に20カ国の対象エリアで82.3%が「優れていると思う」と回答しています。地域別では、ASEANエリアでは9割以上、欧州では8割以上が日本製品を評価しています。評価内容やイメージに関しては、「ハイテク」「高性能」「信頼できる」など、地域によって開きがありました。

このように、外国人が日本に抱くイメージは画一的でないため、訴求の方向性を見極めることが大切だと言えるでしょう。

*1 参照:https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2012/02/20120210GlobalHABIT.pdf
*2 参照:https://dentsu-ho.com/articles/7018

何が求められているのか?

日本ブランドを求める海外消費者の多様性は、求める製品カテゴリーにも表れています。「経験・興味」が求められる傾向は今後も続くと考えられますが、自動車・バイク・AV機器などの分野だけでなく、食品・化粧品などが上昇傾向にあります。
今求められている製品が今後も求められるとは限らず、環境などの外部要因や日本製品の体験の有無などによっても変わるため、今後も求められるものは変化していく可能性が高くなります。

ブランド・商材の訴求効果を高めるには、対象地域でどのような商材・イメージが求められているのかを知ることが大切です。対象エリアだけでなく、ターゲット層の絞り込みで、求められている情報を的確に伝える必要があると言えるでしょう。

伝えたいイメージが求められているイメージとは限らない

伝えたいイメージが企業やブランドにとって大切であるように、顧客にも知りたい情報、期待するイメージというのはあります。しかし、商品を買ってもらうことが目的である以上、企業のモットーやブランドのメッセージ性とは別に、地域・個人によっては期待するものが異なるのであれば、的外れなメッセージを送っても訴求効果は望めません。

そこで、企業理念に反するなどの理由でない限り、期待されるイメージの伝達が大切になります。伝えたいイメージが、必ずしも求められているイメージとは限らなくても、どのように伝えれば届くのかを分析するとよいでしょう。

伝えたいメッセージと期待されるイメージを近づける

期待されるイメージと伝えたいイメージが同じ、または近ければよいのですが、乖離がある場合には、期待されるイメージと伝えたいイメージを近づける必要があります。そのためには、次のようなステップを踏むとよいでしょう。

・伝えたいメッセージを明確にする
・対象者(ターゲット層)を絞り込む
・期待されているイメージを分析する
・伝えたいメッセージをターゲット層に合わせた現地語への翻訳/トランスクリエーションをする

この作業は、伝えたいメッセージと期待されるイメージを近づけ、伝えたい対象者へと伝えるための下準備です。そして、そのままトランスクリエーションで反映させながら翻訳するステップへと繋げられるようにしましょう。

伝えたいメッセージと期待されるイメージをトランスクリエーションで

国や文化が異なれば、同じ言葉から想起するイメージは異なります。また、一人一人の持つイメージも同じではありません。そのため、直訳だけでは伝えきれない内容であれば、トランスクリエーションを利用するなど、翻訳の仕方の工夫によって伝えたいメッセージの伝達が可能になります。

トランスクリエーションをイメージ通り実現するには、ローカリゼーションとの組み合わせが欠かせません。現地の状況に合わせてより受け入れられやすい内容・表現など、トランスクリエーションとローカリゼーションで現地ターゲット層向けに最適化し、従来の翻訳以上の訴求効果を発揮できるようにしましょう。

十印のトランスクリエーション

十印のトランスクリエーションの特徴は、外国文化・習慣への深い造詣と外国語による高いライティング力です。グローバルネットワークのある十印は、現地の情報に詳しいスタッフによるローカライズと最適な翻訳、お客様にぴったりのトランスクリエーションのご提案で、商材のブランディングと訴求力を高めるお手伝いをします。

言語を超えたメッセージを伝えるトランスクリエーションで、ターゲット顧客の心を掴み、グローバルビジネスの成功へと導きます。効果的なグローバルマーケティングには、十印のトランスクリエーションを是非ご検討ください。

まとめ

十印では半世紀にわたり、原文に忠実な翻訳から、トランスクリエーションまで、お客様のご要望に合わせ、幅広い翻訳サービスを提供しています。ターゲット顧客やエリア・商材に合わせた最適なマーケティング手法での訴求のために、ライティング経験の豊富な十印スタッフがローカライズとトランスクリエーションを組み合わせ、効果的な方法でグローバルビジネスの展開のお手伝いを致します。

トランスクリエーションをはじめとした翻訳をご検討なら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。

backtotop