2023.02.03

高品質なトランスクリエーションはグローバルマーケティング成功へのカギ

ビジネスのグローバル化と共に、海外で作られた製品を見かけることはもはや珍しくありません。しかし、輸入をしても商品の魅力だけではなかなか訴求効果が見られないと悩んでいる担当者の方も多いかもしれません。

今回は、世界でマーケティングに成功し、日本でも成功している企業を例として、トランスクリエーションをマーケティングに取り入れるメリットをご紹介します。

海外製品を日本で受け入れられるようにするには?

海外では有名な商品が日本では知られていないというケースは、決して珍しくはありません。新しい商品を日本で売り出すのであれば、まずは日本市場向けに日本語訳をしようと考えるかもしれません。しかし、商品化の際にパッケージやCMを現地と同じものを翻訳するだけでは、日本での訴求効果は芳しくないでしょう。そこで、日本人に受け入れられやすくするために、現地向けの最適化、つまり日本市場に合わせたローカリゼーションをするのです。

また、ローカリゼーションと共に、一般的な翻訳以上に訴求効果が現れる、トランスクリエーションを考えてみるのも一案です。

キャッチコピーのトランスクリエーションの例:ハリボーの場合

キャッチコピーをトランスクリエーションするというのは、どういうことなのかをより理解するために、ドイツのグミの老舗「ハリボー」の例を挙げてみましょう。ハリボーはドイツのボンで世界初のグミを作りはじめ、創業100年を超えた今も世界最大のグミ製造会社です。1962年から今も変わらずドイツ語版で使われているキャッチコピーは、商品パッケージにも使われていて、ドイツではテレビCMでも流れています。日本ではハリボーのグミのCMは2021年に初めて放映されましたが、実はそのキャッチコピーは言語によってかなり違いがあります。どれほど異なるのか、独・英・仏・日の4国語のトランスクリエーションと直訳を比べてみましょう。

ドイツ語
Haribo macht Kinder froh und Erwachsene ebenso!
(ハリボーは子どもだけでなく大人も幸せにしてくれる。)

英語
Kids and grown-ups love it so, the happy world of Haribo!
(子どもも大人も大好きな、幸せなハリボーの世界。)

フランス語
Haribo, c’est beau la vie, pour les grands et les petits!
(ハリボー、人生は美しい、大人にとっても子どもにとっても。)

日本語
キラキラ笑顔、みんなでハリボー!

各言語の直訳を比べてみると、それぞれ意味が異なることが分かります。各国語の訳文はキャッチコピーとしては不自然に思えるかもしれませんが、敢えて直訳にすることで、元のドイツ語版と比べて、どれだけ言語によって意訳されているかが見えてきます。

また、いずれのキャッチコピーも、同じメロディーに乗せた4拍を2回繰り返しているという共通点があります。

ドイツ語の「froh」「ebenso」、英語の「so」、日本語の「笑顔」の「お」は、「Haribo(ハリボー)」の「o」と韻を踏んでいます。フランス語は「i」を使った「vie(ヴィ)」と「petit(プティ)」、「Haribo」の「bo(ボー)」と「beau(ボー)」で2回韻を踏んでいます。また「c’est beau la vie」という表現も、フランスではよく使われる表現です。日本語版ではメロディーに乗せると「7・7」ともとれ、日本人が俳句や短歌でより親しみのあるリズムに近くなっています。

トランスクリエーションの最終目的は?

トランスクリエーションがどのような翻訳なのか、一般的な翻訳と何が違うのかというのは、最終目的が効果的な訴求であることです。
ハリボーの日本カントリーマネージャーのポール・クラフト氏は、2021年のインタビュー*で「ハリボーが伝えたいのは“チャイルド・ライク・ハピネス”」であり、「このメッセージが伝わっていれば、このCMは成功」だと話しています。つまり、日本語だけでなく、どの言語のキャッチコピーも、同社のコンセプトを伝える手段として機能しているのです。それぞれの言語の自然な表現によって、子どもだけではなく大人も童心に返って幸せになるという目的が達成できるキャッチコピーであれば、原文通りの翻訳でなくても問題ないのです。これが、トランスクリエーションの姿であり、一般的な翻訳との違いです。つまり、トランスクリエーションの最終目的は、企業や商品のコンセプトを、現地の人に受け入れられやすい言葉に置き換え、メッセージを伝えることだと言えるでしょう。

*参照:https://www.yomitv.jp/c3t5U

十印のトランスクリエーション

十印のトランスクリエーションは、外国文化・習慣への深い造詣と、外国語または、日本語による高いライティング力が特徴です。海外向け、日本国内向けにローカライズされた最適な翻訳とお客様にぴったりのトランスクリエーションのご提案をし、商材のブランディングと訴求力を高めるお手伝いをします。

歴史ある翻訳会社ならではの高いライティングスキルと高品質な翻訳、言葉を超えたメッセージを伝えるトランスクリエーションで、ターゲット顧客の心をつかみ、ビジネスを成功へと導きます。効果的なマーケティングには、十印のトランスクリエーションをぜひご検討ください。

まとめ

十印では半世紀にわたり、原文に忠実な翻訳からトランスクリエーションまで、お客様のご要望に合わせ、幅広い翻訳サービスを提供しています。ご希望の翻訳方法で、ターゲット顧客やエリア・商材に合わせた最適なマーケティング手法での訴求が可能となります。ローカライズとトランスクリエーションを組み合わせた翻訳で現地の特性にマッチするよう、ライティング経験の豊富な十印スタッフが、効果的な方法でビジネスの展開のお手伝いをいたします。

トランスクリエーションをはじめとした翻訳をご検討なら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。

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