2023.04.05

契約書の機械翻訳はなぜ難しいのか?

グローバルビジネスにおいて、契約書の翻訳は重要なプロセスです。しかし、翻訳の中でも難しい分野が契約書の翻訳だと言われています。海外との取引が珍しくなくなった昨今、英文契約書の作成に頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、大切な契約書作成を正確かつ迅速に翻訳するにはどうすればよいのか、なぜ機械翻訳を使って契約書を作成するのは難しいのかについて見ていきましょう。

契約書の翻訳が難しい理由

契約書の翻訳が難しいのは、次のような理由が考えられます。

・種類の多さと専門性(専門用語・独自の言い回し)
・国による契約書の違い
・言語・文化による考え方の違い

機械翻訳では、まずは機械翻訳ツール自体の精度が高い必要があります。また、一般的な文書であれば高い精度で訳出できる翻訳ツールでも契約書の特徴に対応できなければ意味が取れない、訳抜け・誤訳が多いなど難易度はさらに上がります。

それでは、それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。

契約書の種類の多さと専門性

契約書には、売買・販売店・業務受託・代理店・知的財産関係など様々な種類があります。いずれも専門用語や独自の言い回しがあり、一般的な文章とは異なります。そのため翻訳には専門分野の知識が必要となり、一般的な翻訳の知識では難しくなります。

また機械翻訳を利用するのであれば、汎用ツールでは専門用語や独自の言い回しに対応できない場合も多く、一般的な文書の機械翻訳のような精度は期待できません。

国による契約書の違い

契約書を交わす国により法律や慣習が違います。そのため、日本向けの契約書をそのまま翻訳しても、国際取引の契約書としては十分ではありません。国によって民法・会社法などが異なるため、二国間の法令や取引習慣の相違を前提に、細かく契約書に記載する必要があります。日本では当然であるとされており記載しないような内容でも、相手企業は全く異なる解釈をしていれば、責任の所在問題に発展するかもしれません。契約書に記載されているか否かが後々まで影響する可能性があるため、国際ルールに基づき齟齬のないように細かく定めることが大切です。

言語や文化・慣習による考え方の違い

国によって言語が違うように、文化・慣習も異なります。日本語では曖昧な表現を使うことが多く、ビジネスにおいても同様です。契約書においても、日本語で一般的な表現であれば「これ以上書かなくても当然わかるだろう」と思いがちですが、他国では書いてある内容のみが全てという判断になり、契約内容の認識に食い違いが出るケースもあります。そのため日本語では問題のない曖昧な表現も、国際契約書では詳しく規定する必要があります。
例えば日本語では主語がなくても文章として成り立ちますが、国際契約書では必ず主語を使うようにしたり、「~など」といった曖昧な表現を避け具体名を列挙するなどの対応が必要です。

このように責任や許容範囲の限定をする際は、言語的・文化・慣習的な違いも考慮する必要があるでしょう。翻訳の際は、現地の特徴に対応した文章を作ることが大切です。また英語による翻訳であれば、日本語からの直訳ではなく英語で自然な言い回しや特徴に従うようにしましょう。

契約書の翻訳は正確さが重要

国際契約書の翻訳は、一般的な翻訳とは異なる様々な知識が必要になります。和文契約書と英文契約書の違いや契約書の独自性、国際取引の慣習、専門知識などに対応でき、正確さを重視した翻訳ができれば機械翻訳での対応も可能です。

人の手による翻訳、機械翻訳のいずれにしても契約書の翻訳の特徴に対応できなければ正確な翻訳はできません。機械翻訳を使って時間短縮ができても精度が十分でなければ人力で翻訳をし直す必要が出てくるため、結局時間面でもコスト面でも無駄が多くなってしまいます。人の手による翻訳であれば専門知識のある翻訳家に依頼したり、機械翻訳であれば契約書に特化されたエンジンを利用するというように、効率的かつ精度の高い翻訳ができる方法を選択しましょう。

十印のリーガルエンジン

十印では、総務省が中心となり作成した国産の高精度翻訳エンジンをベースに、国際取引コンサルティング・サービスのIBD(国際事業開発)とリーガルエンジンを共同開発しました。日本語と英語間の契約書やリーガルに特化された機械翻訳ツールで、リーガルチェック前の英文契約書も簡単に作れます。売買・販売店・業務受託・代理店・知的財産関係などを始めとした契約書のデータが取り込まれており、多数の契約書式と条項例を用いた深層学習で今まで難しかった契約書の翻訳をより正確かつ敏速に低コストで実現しました。

英文契約書らくらく翻訳パック

十印の「英文契約書らくらく翻訳パック」では、AI自動翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」のリーガル専用エンジンをご利用いただけます。専門用語や業界独特な文章の翻訳にも対応した、契約書向けの契約書データベースとリーガル専用エンジンでは、過去のデータを学習させて自社専用の翻訳エンジンを作成することが可能になりました。さらに、専用用語集の登録により用語の統一が図れるため、翻訳ぶれがありません。

セキュリティ面では、十印は情報セキュリティの国際規格ISO27001(ISMS)の認証を受けており、安心・安全な情報セキュリティマネジメントシステムに取り組んでいます。「英文契約書らくらく翻訳パック」でご利用いただく翻訳データは暗号化されており、ユーザー情報もハッシュ化されているため情報漏洩の心配はありません。IPアドレス制限機能もあり、利用者の許可なく翻訳結果を再利用しないため安心してご利用いただけます。

また、利用者数は無制限であるためメンバー全員でのご利用にも対応できます。

まとめ

十印では、国際契約書のコンサルティングを行う国際事業開発株式会社と協力して、契約書に特化した翻訳エンジンを作成、また、翻訳後の修正(ポストエディット)に関しても、クオリティの証明となる国際規格「ISO18587」の要求事項順守について供給者宣言を行ってます。
精度の高い汎用エンジンと専門分野に特化したエンジンなど最適な翻訳方法の選定を含め、トータルサポートの翻訳サービスを提供し、業務の効率化のお手伝いをいたします。

機械翻訳の導入をご検討なら、高い技術と、豊富なライティング経験のある十印に、是非ご相談ください。

backtotop