トランスクリエーションでエンタメ翻訳が変わる
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近年、日本のゲームやアニメなどを外国語へ翻訳したり、海外の映画を日本語に翻訳したりする、エンターテインメント翻訳の機会が増えています。言葉の壁を取り払い、どこの国で作られたかに関わらず楽しみたいという人のために、翻訳は欠かせません。
しかし、「翻訳された内容がいまいちしっくりこない」「不自然だ」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
本稿では、普通の翻訳とローカリゼーションやトランスクリエーションなどは何が違うのか、なぜエンタメ翻訳に必要なのかについて解説していきます。
ローカリゼーションとは?
ローカリゼーションは、ローカライズとも呼ばれ、現地向けに内容を最適化する工程です。現地の文化・習慣に合わせて、コンテンツを変更・修正したり、翻訳を分かりやすく変更したりします。
ターゲット顧客向けに内容を最適化することにより、もともとの言語が異なっていても気にせず内容に集中できたり、文化的・宗教的タブーを避けられたりと、顧客と企業双方に大きなメリットがあります。安心して利用・提供できる商品にするために、ローカリゼーションは欠かせません。
映画・アニメ・マンガ・ゲームなどのエンターテインメントは楽しむためのものですが、ローカリゼーションがないと少しの違和感でも気になって、楽しめない可能性もあります。
このように、エンターテインメントにおけるローカリゼーションは、重要な役目を果たしてくれるのです。
トランスクリエーションとは?
トランスクリエーションは、キャッチコピーなど使われる翻訳です。元の文に忠実な翻訳よりも、伝えたいメッセージをいかに翻訳言語で表現するかが重要とされています。
そのため、トランスクリエーションは、これまでキャッチコピー専門のマーケティングのための翻訳と呼ばれるほど、マーケティングに特化されたものだと思われてきました。しかし、マーケティングに効果を発揮するからといって、マーケティング以外にトランスクリエーションが使えないわけではありません。
ローカリゼーションとトランスクリエーションは同じ?
ローカリゼーションとトランスクリエーションは、どちらも現地向けに最適化するところは同じです。しかし、ローカリゼーションは、現地向けにコンテンツを変更して最適化するのに対し、トランスクリエーションは現地向けに翻訳を最適化する工程です。
訴求効果を高めるためには、できるだけ商品やサービスのイメージが伝わるように表現する必要があります。そのためには、現地の文化・風習、嗜好などを考慮することが重要です。
このように、トランスクリエーションで現地の人に受け入れられやすい表現を使えば理解も深まります。自然な表現で共感してもらえるようにするために、ローカリゼーションとトランスクリエーションを組み合わせて使うことは、より効果的なのです。
トランスクリエーションをエンターテインメントに
トランスクリエーションでは、現地向けに最適化した翻訳が可能です。エンターテインメントでは、楽しんでもらうために、より自然な表現、現地の状況を反映した表現などを選びます。
また、エンタメ用語などと呼ばれる独自の表現は、トランスクリエーションでないとなかなかしっくりする翻訳ができません。映画やアニメ、ゲームなどの世界観を理解し、ターゲット顧客向けに最適化するには、トランスクリエーションが適しているといえるでしょう。
このように、エンターテインメントの種類・ターゲット顧客に合わせたトランスクリエーションを利用すれば、訴求効果が高まり、SEO対策にも効果が期待できます。
十印のトランスクリエーション
十印では、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。ヒアリングでお客様の伝えたいメッセージをしっかり受け止め、十印のノウハウと技術力で、最適なトランスクリエーションをご提案します。
十印のトランスクリエーションは、商品・サービスに最適な翻訳であるため、顧客満足度へとつながり、マーケティング効果が高まります。ターゲット顧客の心をつかむために、エンタメ翻訳におけるトランスクリエーションは効果的です。エンタメ翻訳には、ぜひ十印のトランスクリエーションをご検討ください。
まとめ
十印では、半世紀にわたる翻訳に関するノウハウをもとに、製品特徴や企業・ブランドイメージを、言葉や文化の壁を感じさせずに伝える翻訳を行っています。ご要望に合わせ、原文に忠実な翻訳から、ローカリゼーションによる最適化、商品やブランドのストーリーを伝えられるトランスクリエーションまで、高い翻訳技術でグローバルな訴求を成功させるお手伝いをします。
ターゲット顧客やエリア・商材に合わせた翻訳はもちろん、現地向けに最適化された内容、文化や習慣が異なっても理解されやすい表現で、印象に残るトランスクリエーションを行い、マーケティング力向上へと導く翻訳は、技術力のある十印ならではです。
グローバルなビジネスで、トランスクリエーションをはじめとするマーケティング効果の高い翻訳をお考えなら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。
▶著者紹介
株式会社十印 マーケティング部
石川弘美
1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。
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