2025.03.07

ポストエディットと生成AIの組み合わせで翻訳精度を上げよう

ChatGPTなどの生成AIは、文書や画像の作成から要約、翻訳まで、ビジネスをはじめとした様々な分野において活用されています。ビジネスのグローバル化と共に、翻訳に生成AIを使う機会も多くなっています。しかし、従来のAI翻訳と何が違うのかわからない、どのように活用したらよいのかわからない、というお悩みを抱えているご担当者様も多いかもしれません。

本稿では、生成AIをビジネスにおいて活用する方法や、翻訳に使う際にはポストエディットという工程と組み合わせるメリットについて、解説していきます。

生成AIの特性をビジネスで活かすメリット

近年使われているChatGPTなどをはじめとした生成AIは、従来のAIとは異なります。従来のAIでは、事前に学習したデータを基に、可能性として最も高いと予測された結果が提示されていました。

一方、生成AIは事前に学習したデータを基に、人間が創造する過程を模倣して、創造的なコンテンツ作りが可能です。例えば、企画書やメールを異なる言語で直接作成できれば、業務効率は飛躍的に向上します。また、元の文書が長くても、翻訳したい言語で直接要約することもできます。

このように、生成AIを上手に使えば、大幅な業務効率の向上が可能になります。

生成AIの特徴とメリット:AI翻訳ツールと何が違う?

生成AIを利用した翻訳は、一般的な機械翻訳と同じようにスピードの速さが一番の特徴です。一般的な機械翻訳や、これまでのAI翻訳ツールよりも作業の幅が広がり、翻訳以外の作業を直接行えば業務全体の効率化も図れるでしょう。

また、案件ごとやターゲット別に最適な翻訳ができるため、翻訳精度向上にもつながります。

ほかにも、生成AIを利用した翻訳は、ターゲット顧客層ごとの最適化も得意です。性別や年代などが異なれば、ターゲットに合わせた翻訳の指示で、最適化された翻訳結果を導き出すことも可能です。

このように、これまでのAI翻訳ツールが翻訳しかできないのに対し、生成AIでの翻訳はよりターゲットに合わせた翻訳ができるところが大きなメリットだといえるでしょう。

生成AIの特性を活かして翻訳作業を効率化

生成AIを利用すると、別言語間の翻訳、要約、企画書やメールの作成など、これまで一部の語学に堪能な社員、もしくは翻訳会社への依頼でしかできなかった作業が、複数の工程を経ずにできるようになります。

翻訳レベルに関しても、Google翻訳とChatGPTを比較して、ChatGPTのほうが優れているとする結果も多数出ています。

また、生成AIでは翻訳の文章のフォーマルさの設定や、ターゲット顧客層の限定も可能なため、より適切な翻訳へと導けるという特徴があります。

生成AIの特性の理解と翻訳への上手な使い方

便利な生成AIを使った翻訳は、完璧で何の問題もないように見えます。しかし、現時点では、生成AIによる翻訳結果が100%正しいという保証はありません。翻訳結果が正しいかどうかを判断できるのは人間だけです。明らかな誤訳から、コンテンツや文脈によっては正しくないかどうかをきちんと判断できるのは、文化的背景、関連資料などから、コンテンツごとに人間が判断するしかないのです。

また、生成AIには、「ハルシネーション」と呼ばれる、実際には存在しない内容が訳出されてしまう可能性もあります。そのため、生成AIを使って翻訳した後は、ポストエディットと呼ばれる人手によるチェック工程が欠かせません。

ポストエディットと生成AIを上手に組み合わせよう

生成AIを使った翻訳は、ビジネスの効率アップに役立ちます。一方で、生成AI独特の誤訳やハルシネーションといった問題点など、使う分野によっては不得手があると知っておくことも大切です。

また、プロンプト(指示)の出し方によって翻訳結果が大きく異なる可能性があるため、プロンプトの出し方の工夫も必要になります。

このように、生成AIを使って翻訳を行う際は、生成AIの特徴を理解し、かつ、文脈・分野に最適な翻訳ができているかどうかを判断するのは人手に委ねるなど、上手な使い分けが大切です。それぞれの強みを活かして、業務の効率化を図りましょう。

十印のポストエディット

十印では、ライトポストエディットからフルポストエディットまで、翻訳・ポストエディットの知識を持った経験豊富なポストエディターが、生成AIをはじめとする機械翻訳の訳文の最適化を迅速に行います。

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まとめ

十印では、文書・映像などの各種翻訳、ポストエディットなど、歴史ある翻訳会社ならではのノウハウで、トータル翻訳サービスを提供しています。十印は、技術翻訳からポストエディットまで、常にお客様のベストな翻訳のために、寄り添いサポートします。翻訳に関するお問い合わせなら、お気軽に十印までご連絡ください。

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▶著者紹介

株式会社十印 マーケティング部
石川弘美

1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。

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