マンガ翻訳:写植の多言語化はなぜ難しい?

世界のコミック市場が成長すると共に、マンガ翻訳の機会も増えています。日本のマンガが世界に広がるのは喜ばしい反面、翻訳されるマンガが増えるにつれ、翻訳の質にもばらつきが見られるようになりました。高品質なマンガ翻訳を依頼するためには、まずはマンガ翻訳の特徴を知り、どのようなポイントに気を付ければよいのかを把握しておく必要があります。
本稿では、よりよいマンガ翻訳のために、多言語化には欠かせないローカリゼーションと、マンガ翻訳の写植について解説していきます。
マンガの翻訳とローカリゼーション
マンガ人気が広がると共に、翻訳対応言語も増加しています。しかし、同じ言葉でも言語によって想起されるイメージは全く同じとは言えないため、そのまま翻訳しても別の言語の読者には理解しづらいことがあります。マンガには、作品の作られた国や地域の文化・習慣が色濃く出ることが多いため、そのまま翻訳した場合、違和感のあるわかりにくい文章になってしまうことがあるのです。そのため、微妙なニュアンスや言葉のトーンを伝えられる、ローカリゼーションが必要になります。翻訳言語の国や地域に合わせた翻訳であれば、翻訳されたマンガを読んだ読者が、違和感なく理解できるようになります。
また、マンガの翻訳では、セリフだけではなく、オノマトペや作品の背景なども含めての翻訳が必要です。キャラクター独自の表現、マンガの世界観なども考慮して、翻訳言語で自然な表現にできるかどうかが、ローカリゼーション成功のカギです。
多言語化におけるマンガ翻訳
マンガ翻訳では、英語を介して翻訳する方法と、直接翻訳する方法があります。英語を介してより多くの言語に翻訳できるのはメリットです。その反面、英語を介してさらに別言語に翻訳する過程で、元の表現と意図がずれる場合もあるため、できれば直接翻訳したいものです。より元の表現に近い翻訳やニュアンスの違いを伝えたいのであれば、直接翻訳するほうが元の表現との乖離は避けられます。
多言語・希少言語に対応している翻訳サービスもあるため、翻訳したい言語を扱っている翻訳サービスを利用するとよいでしょう。
作品に合わせた翻訳と写植とは?写植の工程
作品理解をより深めるローカリゼーションは、マンガ翻訳で欠かせないものとなっていますが、他にも特徴的なのが写植です。
マンガの翻訳では、まずテキストを翻訳し、セリフの翻訳が自然な表現になるように、登場人物の心情や性格、マンガの世界観に合わせて翻訳・ローカライズを行います。
次の工程は、吹き出し内に翻訳・校正したテキストの植字です。この際、言語・内容・シーンに合ったフォントの選定、テキストの配置にも気を付け、セリフのトーンや登場人物の感情をより効果的に表現していきます。
マンガ翻訳と写植の難しさ
マンガが世界で広く読まれるためには、多くの言語に翻訳する必要があります。そしてマンガは、テキスト部分を言語として理解できるのはもちろん、言語に合わせた翻訳や写植も込みで現地向けにローカライズしなければならないということです。
マンガは一般的なテキスト翻訳とは異なり、吹き出しの内外でセリフ以外の文脈も訳出する必要があります。また、マンガ独自の表現や登場人物独特の言い回し、作品の世界観など、ニュアンスの表現に気を遣わなければなりません。
吹き出し内の翻訳では、日本語の縦書きに合わせた縦長の吹き出しにぎっちりと詰め込まれた横書きの言語は読みにくいため、必要に応じて吹き出しの形や大きさを変える必要もあります。
吹き出しの形や吹き出し外の文字を変更する場合は、写植の丁寧さが完成度を左右します。背景処理が雑だと、作品の魅力を損ねてしまうため、作品の雰囲気を壊さない丁寧な写植が望ましいのです。
十印のエンタメ翻訳
十印では、希少言語を含む幅広い言語でのマンガ翻訳を写植まで含めて対応しています。ヒアリングでお客様の伝えたいメッセージを受け止め、十印のノウハウと技術力で、マンガ翻訳に加え、丁寧で繊細な写植やフォント選定など、一貫したサービスをご提案します。
エンタメのローカリゼーションやトランスクリエーションサービスも提供している十印ならでは、希少言語への翻訳、多言語化の実現が可能です。取り扱い言語に関しては、どうぞお気軽にお問い合わせください。
まとめ
十印では、半世紀にわたる翻訳に関する経験とノウハウで、作品の特徴やイメージに合わせ、言葉や文化の壁を乗り越えたわかりやすいマンガ翻訳を行っています。地域向け最適化であるローカリゼーション、作品のストーリーや世界観を伝えるトランスクリエーションなど、幅広い翻訳技術で、世界を舞台にしたマンガビジネス成功のお手伝いをします。
十印のマンガ翻訳なら、翻訳言語、ターゲット顧客やエリアに合わせた翻訳はもちろん、現地向けに最適化された理解されやすいローカリゼーション、言葉の壁を乗り越えてメッセージを伝えるトランスクリエーション等、顧客満足度の高いマンガ翻訳が可能になります。
高品質なマンガ翻訳なら、ぜひ十印にお問い合わせください。
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▶著者紹介
株式会社十印 マーケティング部
石川弘美
1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。


