2026.01.05

アニメ翻訳は言葉通りではない?ローカリゼーションの奥の深さ

日本のアニメは、海を越えて世界で楽しまれるようになっています。アニメを日本語で見たいからと日本語学習を始めるなど、アニメは国際親善の一端を担っているともいえるでしょう。とはいえ、日本語がわかるファンは限られており、日本語のできない一般の視聴者が日本語のアニメを見るためには、翻訳が欠かせません。アニメ翻訳は難しいと言われており、文化・習慣の異なる言語に翻訳するには、経験やスキルが必要です。

本稿では、アニメ翻訳の特徴を知り、異なる言語に翻訳する難しさ、翻訳の工夫などについて解説していきます。

アニメ翻訳は文化の翻訳

日本のアニメは、気づかないところで日本文化の影響を受けています。日本風の建物や街並み、お辞儀やジェスチャー、食事のシーンなど、ちょっとしたところにも日本らしさがあるものです。

日本独自の文化の色濃いアニメや、日本語独自の表現など、文化背景の異なる視聴者にうまく理解してもらうには翻訳しにくい内容もあります。同時に、説明的な表現は避けなければなりません。翻訳されたアニメを見る機会があった方は、日本語と異なる表現に気づいた経験があるかもしれません。それは、現地向け最適化のローカリゼーションの結果です。

一方、アニメの翻訳には、翻訳言語でも日本語の単語を使う場合や、翻訳言語に存在しない語が繰り返し出てくる場合には、日本語をそのまま使うケースもあります。しかし、大部分は翻訳する必要があるため、話の筋から逸れない範囲で、ローカリゼーションと呼ばれる翻訳言語の文化・習慣に合わせた表現へと変更することが多くなります。

アニメの世界観を伝える翻訳

アニメでは、キャラクターの独自の表現や口調、決め台詞などが多く使われています。アニメの世界観を優先するか、現地へのローカリゼーションを優先するかで翻訳は変化します。アニメの世界観を伝えるためには、独自の表現は何らかの形で翻訳言語でも表現しなければなりません。当然ながら、全く同じ表現が見つかるケースは稀であるため、翻訳者はどうすればニュアンスが伝わるかを工夫します。

慣用句やことわざなどは、対応するものが翻訳言語にもある場合はそのまま置き換えると自然です。反対に直訳してしまうと不自然になるので、注意が必要です。

このように、アニメの世界観を保ちつつ、表現は翻訳によって変わるため、翻訳言語によってローカリゼーションの内容に差があるのは当然です。そのため、翻訳されている内容が多少異なってくるのは不思議ではないのです。

アニメ翻訳の難しさ:さまざまな制約

アニメには、吹き替えと字幕の2種類があります。字幕では、映像と合わせる必要があるため、文字数に制限があります。そのため、短い文の中では映像を見れば分かる内容を省き、重要な情報を詰め込みます。字数の関係上、内容の取捨選択を迫られるケースもあります。

吹き替えは翻訳言語で台詞を作り変えますが、この際に、文化の違いによって口元が見えていない場面でも登場人物にしゃべらせることがあります。近年では、より原作に忠実にしてほしいというファン層の要望もあり、この差は縮まる傾向にありますが、以前はフレンドリーなコミュニケーションを好む英語圏の翻訳で多く使われていた手法です。

また、吹き替えでは「リップシンク」と呼ばれるアニメのキャラクターの口の動きと合う音の言葉を選択する必要があるため、訳語に制約が出ます。

エンタメとしてのアニメ翻訳

アニメ翻訳では、映像であるアニメを翻訳するにあたり、さまざまな制約がある中で、いかに作品のメッセージや世界観を伝えるかが重要です。同時に、アニメをはじめとするエンタメでは、いかに作品が楽しめるかも忘れてはなりません。そのためには、自然な表現で、わかりやすい翻訳にする必要があります。

シーンに合わせて、映像展開が早ければ文字数は少なめにする、シーンの雰囲気に合わせた翻訳にする、世界観を伝えるために言い回しの工夫、方言などをうまく利用するなど、楽しんでもらうためにはありとあらゆるノウハウを駆使しなければなりません。

さまざまな制約の中で理解しやすい翻訳をして、いかに楽しめるコンテンツにできるかが、アニメ翻訳の使命だと言えるでしょう。

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まとめ

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▶著者紹介

株式会社十印 マーケティング部
石川弘美

1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。

#エンタメ翻訳
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