アニメ翻訳はどこまで元の表現に忠実なのか?

アニメが世界中に広がると共に、アニメ視聴者の数も増えています。手軽にいろいろなアニメが見たいと思う視聴者や、コアなファンなど、視聴者のアニメに対する情熱もさまざまです。異なる言語で作られたアニメを見るためには、言葉の壁を取り除くために翻訳が必要ですが、アニメ翻訳は難しいと言われています。それは、視聴者の熱量の差だけで説明できるものではありません。
本稿では、なぜアニメ翻訳は難しいと言われるのか、どの程度元の表現に近づける必要があるのかについて解説していきます。
アニメ翻訳は動画翻訳?
アニメは動画の一形態です。しかし、翻訳をするという視点で見ると、YouTube等の動画を自動で文字起こしして翻訳する作業とは異なり、別の専門的な技術が必要です。アニメの翻訳は、動画の単なる翻訳とは異なり、物語の流れや登場人物に合わせて、アニメの世界観を伝える翻訳です。
アニメ翻訳では、キャラクターの個性やアニメ独自の世界観を伝えつつ自然な翻訳ができるかどうかで翻訳の質が決まります。プロの手による翻訳は、動画の自動翻訳機能で訳出される文章とは伝えられるメッセージが大きく異なります。そのため、同じ翻訳された動画でも、アニメ翻訳は一般的な動画翻訳とは一線を画す翻訳であると言われるのです。
アニメ翻訳が難しいと言われる理由
アニメ翻訳は翻訳手法にもさまざまな工夫が必要です。一般的には吹き替えが使われますが、字幕が使われる場合もあります。いずれも字数、時間の制約の中で、メッセージを伝える必要があり、吹き替えでは口の動きに合わせて適切な語句や音声を調整する必要があります。
また、日本語では「ですます調」を使っているキャラクターが、翻訳先の言語ではフレンドリーな表現を使うなど、キャラクター性が翻訳言語ではそのまま再現できない場合、文化的要因を踏まえて表現が調整されることもあります。オリジナル版を知っていると、違いに戸惑う視聴者もいるため、兼ね合いが難しいところです。近年では、文化的背景を考慮しつつも、オリジナル版に近づける翻訳が好まれる傾向があります。
いかにアニメ独自の表現や世界観を表現できるか
アニメ翻訳では、方言や口癖なども多く使われています。方言は作品によっては特定地域の訛りで表現されますが、多くの場合は原語のニュアンスを残したまま訳出されることが多いです。口癖は、稀にぴったりくる表現が使われているケースもありますが、表現されないケースもあります。また、時には日本語のセリフ表現が音としてそのまま使われるケースもあります。それは、翻訳言語に最適な表現がなく、かつ、他に利用できるような代替案もない場合があるからです。
一方、公式のアニメ翻訳以前にファンダムによる「ファンサブ」と呼ばれる非公式字幕による翻訳がある場合、その際に使われた表現が影響を与えるケースもあります。慣れ親しんだ表現をそのままに、すでにあるイメージを壊さないための配慮ですが、公式翻訳が全く異なる翻訳である場合もあります。
アニメ翻訳は実際にきちんと翻訳されているのか?
翻訳をするというのは、単に文字を別の言語に置き換えるだけではありません。そういう意味では、元の表現に忠実であるというのは、実は捉えられ方によって変わります。
翻訳者の都合による内容変更は許されませんが、文化的背景やアニメの世界の背景にある内容を反映するのはアニメ翻訳ではよくあることです。単語レベルでは意味が異なっても、意図するメッセージが伝わる表現であれば必ずしも誤訳とは言えません。
ひょっとすると、みなさんも翻訳されたアニメ作品を見た時に、間違っているように感じる表現に出会った経験があるかもしれません。しかし、なぜ翻訳者がそのような翻訳にしたのかに思いを馳せてみると、その表現に隠された何かに気づけるかもしれません。
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まとめ
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▶著者紹介
株式会社十印 マーケティング部
石川弘美
1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。


