2018.05.31

翻訳支援ツールと機械翻訳の連携

翻訳の現場は、さまざまなツールによって支えられています。「Trados」をはじめとする翻訳支援ツールもそのひとつです。こちらでは、翻訳支援ツールの概要と、機械翻訳との連携で期待できるメリットについてお話します。

翻訳支援ツールとは

「翻訳支援ツール」とは、文字通り翻訳作業を支援するためのツールです。「翻訳メモリーツール」「翻訳メモリ」と呼ばれることもあります。「Transit」「memo Q」「Dejavu」など複数のツールがありますが、現状ではMicrosoft Office・Wordとの親和性が高い「Trados」のシェアが圧倒的です。

翻訳支援ツールのデータベース上には、過去にユーザー本人、もしくは他のユーザーが行った翻訳の結果が大量に蓄積されています。このデータベースを参照し、同じ原文や似た原文が見つかれば、翻訳結果が“再利用”されます。マンパワーによる翻訳を極力自動化し、翻訳作業に要する時間的コスト削減できることが、翻訳支援ツールを使用するメリットです。

最終的には翻訳者によるチェックが必要になるものの翻訳支援ツールを使用することによる恩恵は大きく、多くの翻訳現場で導入されています。翻訳者に求める条件として、翻訳支援ツールの使用経験を設定している翻訳会社も少なくありません。

機械翻訳・翻訳支援ツールの連携の可能性

翻訳支援ツールはデータベースの参照、該当訳文の再利用を行うツールであり、厳密に言えばそのものが翻訳を行うわけではありません。また、出力される訳文の質はデータベースの内容に依存します。そうした点では、自律して原文を分析し、訳文を出力する機械翻訳とは大きな違いがあります。

一方で、近年では、翻訳支援ツールと機械翻訳を連携することも可能です。Tradosでは、データベースに蓄積された内容だけではなく、機械翻訳の結果もインターネット経由で参照できるようになっています。両方参照して、案件に応じて適切な訳文を採用することもできます。機械翻訳と翻訳支援ツールの連携で、これまで以上に翻訳作業が効率化され、訳文のクオリティも高まっていく見込みです。

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翻訳支援ツールと機械翻訳の親和性は高く、双方を連携させることで翻訳効率を大幅に向上できます。株式会社十印でも翻訳支援ツールを使用し、お客さまにクオリティが高い訳文をスピーディーに提供できるよう努めております。また、翻訳支援ツールで高性能機械翻訳エンジンを利用できる「T-tact」というサービスを提供中です。興味を持っていただいた方は、お気軽にお問い合わせください。

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