2018.08.07

翻訳会社で品質管理を担う「リンギスト」

「リンギスト」という言葉をご存じでしょうか。使われる現場によってさまざまな定義がある言葉であり、翻訳業界の職種としても用いられています。こちらでは、「リンギスト」の一般的な役割や翻訳業界で担当する業務、弊社がリンギストに該当する職種として配置している「ランゲージリード」についてお話します。

リンギストとは

「リンギスト(linguist)」とは、「言語学者」「外国語に精通した人」を意味する英単語です。「リングイスト」と呼ばれることもあります。海外では、言語(外国語)に強い関わりを持つ職業の総称として用いられている言葉です。一般的にはジャンルやスキルを問わない「外国語のプロ」を指してリンギストという言葉を用いることが多いようです。
翻訳会社では、リンギストを職種として設けているケースがあります。この場合、翻訳品質の管理や校正業務がリンギストの中心業務です。翻訳会社によっては、翻訳メモリ・用語集の運用、リソースの管理、クライアントとの折衝をリンギストが担当することもあります。他のサービスにおける「QA(Quality Assurance:品質管理)」に近い役割と言えるかもしれません。

リンギストが担当する「ランゲージリード」

弊社では「ランゲージリード」という職種を設け、各プロジェクトにアサインしたリンギストに担当させています。翻訳品質の管理や向上がランゲージリードの主な役割です。翻訳にかかわるスタイルガイドや用語集を整備し、翻訳者へのフィードバックを行い、場合によっては勉強会なども行います。ランゲージリードとしてアサインされたリンギストは、プロジェクトの品質全体に責任を持ちます。
ランゲージリードは翻訳業界では比較的新しい職種です。海外の翻訳業界での普及から、日本の翻訳業界でもランゲージリードの求人を強化する動きが見られています。細かな業務内容は翻訳会社によって差異がありますが、ランゲージリードが翻訳品質を向上させるために大きな役割を担っていることがわかるかと思います。

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いかがでしょう。リンギストという役割について少なからず理解していただけたのではないでしょうか。十印では、プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャーと、翻訳の品質を管理するリンギストが両輪となって、プロジェクトを動かしています。

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