業界によって翻訳者を変えたほうがいいわけ
翻訳者にはそれぞれ得意分野・専門分野というものがあります。同時に、明るくない業界というものも存在していて当然です。経験が乏しいジャンルの翻訳は、翻訳者にとって時間と手間がかかる作業となります。依頼者としても品質に不安があり、かつコストもかかるのは望ましくありません。そのため、翻訳を依頼するのであれば、表題ごとに翻訳者を変えるのがおすすめです。
主な業界と翻訳者に必要なスキル
以下では、実務翻訳(産業翻訳やビジネス翻訳とも呼ばれる)の依頼が発生するであろう主な業界と、そこで求められる翻訳者のスキルについてご紹介します。
■医薬(メディカル)業界
医学、薬学に関連した翻訳。農薬関連や、バイオ技術なども含まれます。翻訳者には高い業界知識が求められる他、精度や表現などにも独特のスキルが必要。加えて、各ドキュメントの役割やつながりについて把握できる理解力も求められます。
■特許業界
翻訳者は、特許に関する書類独特の様式・文体に慣れている必要があります。また、内容が複雑な場合が多いので、理解力の高さも必要。これまでの翻訳実績が問われる業界と言えます。
■IT業界
コンピュータや通信に関する基本的な知識が、翻訳者には第一に必要。加えて、いわゆる“ローカライズ”を求められる業界であるため、現地語のニュアンスなどを理解したうえで専門用語と向き合わなくてはなりません。
■金融業界
記事の品質はもちろんですが、何よりも即効性が求められる業界。納期を短縮するためには、金融業界の仕組みを理解しつつ、独自の専門用語や言い回しについて慣れている翻訳者が在籍している必要があります。
■工業業界
電機、機械、自動車といった工業にかかわるマニュアルや仕様書、管理文書、論文の翻訳。いわゆる「テクニカル・ライティング」に分類される仕事が多いため、翻訳者にはそのスキルが必要です。また、理系の専門知識も当然必須と言えます。
■環境業界
生物学や気候問題、エネルギー関連、エコロジーなど、幅広いジャンルがある環境業界。翻訳者にはそれぞれに特化した専門知識が求められます。
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このように、一口に翻訳と言っても業界はさまざま。しかも、その中にはさらに多くのジャンル分けがあります。加えて、必要となる知識やスキルも大きく異なるため、外国語を熟知しているだけでは正確な翻訳は難しいと言えるでしょう。上記でご紹介した業界で翻訳サービスを利用する際は、翻訳者の得意分野や実績を考慮したうえで選定することをおすすめします。
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