2019.03.19

誤訳の許されない法律関連の翻訳には信頼のおけるワークフローが必須

日本語を理解できない外国人が法廷に立つ際に、法廷通訳人は必要になります。しかし、法廷での通訳は誤訳が許されることがなく、一言一句聞き逃すことなく言葉を拾わなくてはいけません。さらに法廷での通訳では法定専門の言葉を勉強しなくてはいけないので、苦労が伴います。

法廷通訳人の数が減少している

訪日外国人が増える中で、事件や紛争に関する問題が日本で増えています。そのため、外国人が訴訟関係者として立つことが増え、被告人や証人として法廷の場に呼ばれる機会も上昇傾向にあるのです。

国際人権規約及び刑事訴訟法により、日本語を理解し、話すことができない被告人や証人の代わりに、法定で通訳人を雇うことが定められています。法廷通訳人は、日本の法律に基づいて必要な人材であり、法廷通訳人なしには開廷することができない決まりです。そのため、法廷通訳人は近年の訪日外国人の増加に伴い、需要が高まりつつあります。

しかし、高まるニーズに反して、法廷通訳人の数は不足しているのが現状です。現在、日本の法廷で多く必要とされている言語は中国語・ベトナム語・ポルトガル語・フィリピン語となっています。ただ全ての言語を翻訳できる法廷通訳人は少なく、ここ5年で比較すると200人以上も減少傾向にあるため、一人一人に負担が重くのしかかってくる状況にあるのが問題です。

法廷通訳人の役割

刑事事件における法廷通訳人は、被疑者が起訴されたことで被告人となり、判決を受けるまでの間、通訳や翻訳を担当することになります。選任される役割としては、裁判所・拘置所・弁護士事務所などで業務を行うのが主流です。法廷通訳人は、国籍や学歴は不問とされており、公的な資格がないのが特徴です。しかし、法廷知識や言葉を理解している必要があり、誤訳は許されない業務であることから、通訳・翻訳のレベルは高くなければなりません。

法廷通訳人として活躍するためには、定期的な募集が行われている訳ではないことから、自ら各地の裁判所に連絡する必要があります。その後、裁判官と面談を行い、「法廷通訳基礎研修」をすることが、法廷通訳人に選ばれる基準の一つです。裁判官と現在活躍中である法廷通訳人から詳しい説明を受け、実際の法廷を利用した模擬裁判を行います。模擬裁判の後は、通訳人候補者として名簿に登録されるので、そこから経験を積むことで実際の法廷通訳人として活躍することが可能です。名簿に登録された後は、数年に1度は中級・上級レベルの研修を受ける必要があります。中には、日本語を習得した在日外国人が法廷通訳人として活躍することもあるので、状況に合わせて法廷通訳人が選定される傾向にあるのが特徴です。

このように、法廷通訳人になるためには、高い審査基準が設けられ、信頼されるために時間がかかります。必要な能力としても、高い通訳レベルが求められるので、年々法廷通訳人は減少傾向にあるのです。

収入が不安定で負担がかかる業務

法廷通訳人は、1時間程度の公判で1万5千円程度の報酬が相場となっています。しかし、問題なのは金額よりも通訳候補者に選ばれても、通訳依頼がいつ来るのかわからないという現状にあるでしょう。法廷通訳人の仕事依頼がいつ来るか、わからないことから法定以外の通訳・翻訳の業務と掛け持ちで報酬を得ている方も多いのが現状です。

さらに法廷通訳人には、労働組合がないことから、報酬の交渉ができず、報酬の基準も明確に明かされることがないため、能力に応じた報酬なのか個人で判断することができません。

他にも、法廷通訳人は業務の量が膨大であることから、負担がかかることも問題視されています。公判前の翻訳作業を終えても、公判が開始されれば1時間程度は通訳を行い続けなくてはいけません。また法廷通訳人は、誤訳をしてはいけないと定められています。通訳には、多少の間違いが発生する可能性があります。日本語で会話を進めていたとしても、1時間程度話し合いを進めていくと、自然と言葉の間違いも生まれます。しかし、法廷通訳人には、そのミスも許されないのが法廷での決まりになっているのです。そのため、公判ごとに法廷通訳人には、過度な負担が課せられていることから、通訳・翻訳の業務を行っている方でも、簡単には引き受けないようになっています。そういった報酬・過度な負担から法定通訳人は、年々減少傾向にある理由がわかるでしょう。

十印は法廷関係の通訳・翻訳の品質が安定している

法廷通訳人は、過度な負担がかかる業務であることから、担当する通訳・翻訳の品質を安定させるのが難しい傾向にありました。十印では、3,000名の登録スタッフから専門知識を有する翻訳者をアサインし、同様の依頼については、同じ翻訳者・チェッカーが担当することで、品質を安定させることに成功しています。

法律関係は緊急な案件も多いですが、十印であれば通常よりも短縮したワークフローで希望納期に高品質な翻訳を提供することが可能です。

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法廷通訳人の需要が高まる中、十印であれば安定した品質で通訳・翻訳を実現することができるので、誤訳が許されない法律関係の翻訳には、十印の翻訳サービスを検討してみてください。

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