2019.04.05

話題のニューラル機械翻訳(NMT)とは?

現在では、ネットを通じて機械翻訳を誰でも使用することができるようになりました。2016年11月に発表されたニューラル機械翻訳を採用した Google 翻訳は、翻訳の品質が格段に向上したことで、各界に大きな衝撃を与えました。

今回は、ニューラル機械翻訳について紹介します。

機械翻訳の技術進歩

機械翻訳の技術は、現在も日進月歩の状況にあります。それまでの機械翻訳の方式は、「ルールベース機械翻訳(RMT)」、「統計的機械翻訳(SMT)」というものでした。

ルールベース機械翻訳(RMT)は、登録したルールを使用し、構文を解釈して翻訳を行うといった機械翻訳の種類になっています。今では古い機械翻訳の種類とされていますが、コーパスという翻訳資産がなくてもある程度の翻訳ができ、訳抜けがないのが特徴です。

統計的機械翻訳(SMT)は、大量の対訳データを登録し、統計的手法によって訳文を生成する方法です。ルールや辞書の開発を行う必要がなく、原文と訳文の言語的な性質に縛られにくいため、多言語化が容易だとされています。

今までは、この2つの機械翻訳がメインでしたが、現在で主流になっているのが「ニューラル機械翻訳(NMT)」です。

ニューラルネットワーク、ディープラーニング(深層学習)を利用したニューラル機械翻訳は、機械翻訳の品質、特に機械翻訳では難しいとされていた日本語の翻訳の品質を飛躍させました。人間が言葉を理解するのと同様の仕組みで訳文を出力すると言われています。
NMT エンジンによっては、訳文の流暢さは TOEIC 900 点以上に相当するという評価結果もあります。

現在のニューラル機械翻訳(NMT)の性能

このような機械翻訳の性能の向上から、各企業で導入を検討し始めています。市場がグローバルに広がる現在では、どれだけ早く取り入れることができるかが、今後のビジネス成功のカギを握っていると言えます。機械翻訳を導入することにより、即時的に翻訳を行うことが可能になります。多言語に対応し、知りたいときにすぐ訳文を取得できる機械翻訳があることは大変便利です。

従来の機械翻訳の性能と比較すると、ニューラル機械翻訳は約1,000倍の計算量が必要になると言われています。そのため、エンジンを稼働させるためには計算処理能力に優れたGPUが必要になります。またニューラル機械翻訳は、従来の機械翻訳とは語順変換に違いがあるのが特徴です。

統計的機械翻訳(SMT)の場合、文をフレーズに分割して、フレーズの順番を変更します。その次にフレーズを翻訳するといった語順で変換する手法が実施されていました。
しかし、ニューラル機械翻訳の場合は、自然な語順を生成するため、流暢な訳文生成ができます。このことから、個別分野への適用が容易で、翻訳を高精度で行うことが可能です。

十印の機械翻訳への取り組み

翻訳会社である十印では、1980年代前半から機械翻訳に取り組み、メーカーに辞書を提供するなど、積極的に活動を行ってきました。

21世紀に入っても、機械翻訳導入と翻訳サービス提供を目的に機械翻訳業界団体に積極的に参加しています。現在も、総務省が中心となって行ってる国産エンジンの開発に協力しています。また十印は、ただソリューションを提供するだけでなく、お客様の使用環境や使用されるコンテンツに最適なエンジンを選択し、運用されるまでのトータルサポートを行っています。

機械翻訳の導入サポートに加え、運用が開始されるまでの不明点の改善や、運用のコンサルティングも行っているので、安心して機械翻訳の導入することができます。

翻訳のクオリティを重視するなら十印に依頼

機械翻訳を導入することで、お客様の商品のグローバル展開をよりスピーディーにできます。しかし、クオリティを重視するのであれば、機械翻訳だけでは不安な点があるでしょう。特に専門的な分野の翻訳となると、機械翻訳だけでは対応し切れません。

十印の翻訳サービスでは、医療翻訳や法律関係の翻訳など、専門的な分野についての翻訳実績が多数存在しています。機械翻訳後のポストエディットを行うことで、一定品質の翻訳をよりスピーディーにご提供することも可能です。

専門的な知識を有しているスタッフが高品質な翻訳を行うことが可能であるため、機械翻訳だけでは対処しきれない依頼がありましたら、是非十印にご依頼ください。

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機械翻訳は、常に進歩し続けています。

ただ精度が高い機械翻訳といっても、まだまだ完璧とは言い切れません。また専門分野における翻訳は、機械翻訳では対応できない部分も存在しています。その場合は、実績が豊富な十印に翻訳を依頼してみてください。信頼できる品質で、翻訳サービスを提供しております。

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