専門性の高い翻訳と機械翻訳
産業のグローバル化により、近年外国語と日本語の翻訳の機会は増えています。翻訳が一部の人たちだけのためだった時代は終わり、無料の機械翻訳の普及により、誰もが手軽に海外の情報を翻訳したり、日本語から外国語へと翻訳したりできるようになりました。しかし、ビジネスにおける無料の機械翻訳の利用は、翻訳の精度に不安が残ります。とりわけ、専門分野における利用では、一部の機械翻訳はまだまだ人力による翻訳には及びません。また、機密保持の観点からも、安全性には疑問が残る無料の機械翻訳は、理想的なツールとは言い難い状況です。
こちらでは、専門性の高い翻訳をどこまで機械翻訳が可能にするのか、現在のAI翻訳の可能性について見てみましょう。
専門分野翻訳の特徴
産業翻訳と呼ばれる、ビジネス向けの翻訳の専門分野は実に様々です。IT関連、半導体、通信、化学、特許、法律・契約書(リーガル)、医療・医薬、金融、機械、自動車など、各分野に特化した専門用語や文章の特徴があり、一般的な翻訳とは一線を画しています。
また、専門分野での翻訳は、精度の高さが求められる翻訳でもあります。そのため、翻訳した文書がどの程度正しいのかを確認するステップが必要で、専門知識のチェックは欠かせません。
以上の理由から、専門分野の翻訳は、専門知識を持った翻訳者による翻訳、または、機械翻訳後に専門知識のあるスタッフのチェックが必要であるのが、今までの状況でした。
AI翻訳でより精度の高い翻訳を実現
近年、AIの目覚ましい進展により、人々の生活は大きく変わりました。AIが囲碁のトップ棋士を破るなど、少し前には考えられなかったレベルまでAIは発達しています。
Google翻訳に代表される無料の機械翻訳は、年を追うごとに進化し、全く意味の取れない訳文や、不自然な翻訳は少なくなってきていると言われています。しかし、単語レベルでは問題が少なくなったにしても、文章レベル、しかも長い文、もしくは、専門性の高い文章での精度は下がります。
自然な訳文、しかもTPOに合わせた自然な翻訳が可能となるには、まだまだ改善の余地があると言えるでしょう。
AI翻訳エンジンを利用した専門性の高い翻訳
専門性の高い翻訳は、専門用語や独特な表現や言い回しなど、一般的な機械翻訳では対応しにくい分野です。近年、「ニューラル機械翻訳」と呼ばれる、AIを使った翻訳が登場し、これまでの機械翻訳よりも格段に精度が高まりました。
AI翻訳エンジンを使い、人工知能を活かしたディープラーニングをベースとしたモデルと、機械翻訳ならではのスピードで、従来以上の品質での翻訳が可能となりました。より実用性を高め、専門分野の翻訳に対応するために、各業界の対訳データを業界に特化した内容で学習させ、業界に即した翻訳が可能となりました。分野ごとに対応できるため、より自然な精度の高い翻訳が可能になったことは、「専門性の高い翻訳には対応できない」という、これまでの機械翻訳イメージの払しょくに、大きく貢献したと言えるでしょう。
AI翻訳で業務効率を上げる
長い間、専門分野の翻訳の翻訳は、機械翻訳は向いていない分野とされていました。間違いが許されない分野での翻訳であるため、専門知識のある人材の確保が必須でした。また、専門知識を持った翻訳家の人力による翻訳に頼るところが多く、時間と経費の面で負担となって、グローバル化の足かせになりかねませんでした。
しかし、AI翻訳の登場と共に、プロの翻訳者とほぼ同レベルで、大量の文書をスピーディーに翻訳することが可能となりました。
このように、AI翻訳の登場は、翻訳業務の効率を大幅に上げることに貢献し、翻訳に対する敷居を低くしました。AI翻訳は、これから翻訳を必要とする企業、今までも翻訳を必要としていた企業のどちらに対しても、機械翻訳のイメージを変えただけでなく、翻訳との関わり方を変えるきかっけともなるでしょう。
十印のT-tact AN-ZIN®
十印のT-tact AN-ZIN®は、クラウド型自動翻訳システムで、高性能で安全なAI翻訳サービスです。リーガル、金融、半導体、特許の分野で、ビジネスニーズに合わせた分野特化型エンジンは、各分野の企業からの翻訳データの収集で更にその精度を高めています。国家プロジェクトで作成したTOEIC960点相当のAI翻訳エンジンをベースにしているため、精度の高い翻訳を可能としています。
SSL暗号化通信で、セキュリティ対策のしっかりとしたT-tact AN-ZINは、一般的な無料翻訳サービスは違い、利用者の許可なく翻訳結果の再利用することはありません。IPアドレス制限機能で通信管理できるため、情報漏洩の心配もありません。
Microsoft Officeの製品上での直接翻訳も可能で、PDFファイルの翻訳もきる画期的な翻訳システムです。
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まとめ
十印では、1980年代より機械翻訳の発展に寄与してきました。現在も総務省や国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)での国家プロジェクトに賛同し、協力しています。NICTで作成するAI翻訳を簡単に低コストでご利用いただけるT-tact AN-ZIN®をご提供しています。
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