ターゲットに合わせたローカライズと翻訳
企業活動のグローバル化に伴い、海外とのビジネスが増えると、翻訳の機会も比例して多くなります。進出先の国・エリアのターゲットに的確な訴求ができるようにするためには、現地のニーズに応える必要があります。現地の情報に明るくなければ、効果的なマーケティングはできません。そこで、製品またはサービスをマーケットのターゲットに合わせて、マーケティングをすることが必要です。
本稿では、海外進出に欠かせない現地市場に合わせたマーケティング手法として、ローカリゼーションについて解説します。
ローカライズとは?
ローカライズはローカリゼーションとも呼ばれ、ターゲットとする市場に合わせた「現地化」です。翻訳における現地化とは、ただ単に言語を翻訳するだけでは十分ではありません。習慣、宗教、政治的なタブーなど、現地では当然とされているルールに則り、潜在顧客にメッセージがより伝わりやすくなるよう手を加える翻訳手法です。同じ地域でも、ターゲットにより習慣や嗜好も違うものです。効果的にローカライズをするには、事前に念入りな調査をしてターゲットの属性を明らかにする必要があります。
日本人向けのパンフレットやウェブサイトから現地語への翻訳をしても「サービスや商品のよさがいまいち伝わらない」「現地の人に興味を持ってもらえない」という場合、ローカライズによって問題が解決される可能性が高くなります。
ローカライズが重要な理由
ローカライズは、ターゲットとする現地の人々にいかに興味を持ってもらえるかを考えて、翻訳を超えたメッセージを伝えるために必要な工程です。グローバルマーケットに参入する場合、現地の人の目線に近づきターゲットのニーズに応える必要があります。ローカライズにより、潜在顧客に商品・サービスを知ってもらい、企業への信頼が高められれば、更なるマーケット拡大も可能です。
また、新規でグローバル市場に参入する場合、現地の情報に明るいことは大きな強みとなります。競争力を高めれば、現地のライバルの存在や新規ライバルの参入があっても、しっかりとしたローカライズができている企業が勝ち残るでしょう。
ターゲットの決定と言語選定
効果的に集客をするためには、ターゲットの決定が必要です。ターゲットは国や地域、言語、年代、市場規模によって変わってきます。公用語のみでよいのか、公用語は日常生活に支障がない程度のレベルで母語は別ならどの言語を選ぶのかなど、地域の特性により翻訳言語を選定します。
例えば、北西アフリカのアルジェリアへの進出を考えているのであれば、公用語であるアラビア語とベルベル語以外にも、フランス語の選択を考えたほうがよいでしょう。なぜなら、アルジェリアにおいてフランス語は政治以外にも教育・メディアの言語であるため、国民の3分の1程度はフランス語を日常的に使うからです。ただし、アルジェリア国民の大多数はフランス語を理解するものの、言語レベルは様々です。また、ムスリム文化圏であるために、フランス語に翻訳するにあたり、フランスとは異なる制約があります。
このように、翻訳言語の選定は、訴求するターゲットの属性によって、複数の要素を掛け合わせることが大切になります。
ローカライズとトランスクリエーション
トランスクリエーションは、「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語で、翻訳よりも訴求力のある意訳です。文化や習慣のみならず、トレンドやその言語らしさを追求したトランスクリエーションは、単なる翻訳を超え、直訳と対極にある翻訳です。そのため、現地語で自然かつインパクトのあるトランスクリエーションは、コピーライティング的な側面もあり、マーケティングに有効な手段です。
ローカライズは、現地のニーズに合わせて照準を合わせ直した翻訳をしますが、更に自然かつインパクトのある表現でメッセージを伝えてターゲットの心を掴むには、トランスクリエーションの使用が効果的です。
ローカリゼーションとトランスクリエーションを上手に組み合わせれば、海外市場でマーケティング力が高まり、効果的なターゲットへの訴求が可能となるでしょう。
まとめ
十印では、原文に忠実な翻訳から、トランスクリエーションまで、お客様のご要望に合わせ、幅広い翻訳を行っております。
ターゲット顧客やエリア・商材に合わせ、最適なマーケティング手法での訴求を可能とするために、ご希望の翻訳方法をお選びいただけます。現地の特性にマッチするようにローカライズとトランスクリエーションを組み合わせ、効果的なグローバルビジネスの展開ができるようお手伝いをいたします。
トランスクリエーションをはじめとした翻訳をご検討なら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。