エンタメ翻訳はひとくくりにせずトランスクリエーションで最適化

エンターテインメントは、近年グローバル化しています。日本のアニメやゲームの海外進出や、海外のマンガやドラマの日本語訳など、もはやエンタメに言葉の壁はなくなったかのようにも思えます。しかし、エンタメ翻訳にはビジネスの翻訳とは異なるスキルが必要であったり、地域に合わせた最適化であるローカリゼーションが必要であったりと、なかなか簡単ではありません。
本稿では、エンタメ翻訳で欠かせないローカリゼーションと、トランスクリエーションについて解説していきます。
エンタメ翻訳でローカリゼーションはなぜ重要?
エンタメ翻訳では、ローカリゼーションと呼ばれる地域向けの最適化が欠かせません。最適化は、異なる内容に変更するのが目的ではなく、よりコンテンツの世界観を共有できるように、言葉の壁を越え、文化・習慣が異なる地域の人にも理解してもらいやすくするのが目的です。そのため、必要であれば存在しない概念への言及や、注釈などが状況に応じて必要になります。
ローカリゼーションの必要性は、対象地域によって異なるため、多言語化の場合、画一的なローカリゼーションではなく、地域ごとに最適化する必要があります。
エンタメ翻訳でトランスクリエーションが必要なわけ
エンタメ翻訳では、ローカリゼーション以外にも、トランスクリエーションが必要です。トランスクリエーションは、現地で自然かつエンタメの世界観を共有できる表現に変える作業です。
エンタメでは、ゲームなど特有の表現やスラングなどが多いため、そのまま翻訳しても理解しづらい場合や、キャラの性格などを表現するためには、翻訳では別の表現を使ったほうがよいケースなどが多くなります。そのため、トランスクリエーションで翻訳言語においてより自然な表現を使えば、ターゲット顧客の満足度を高めることができます。
また、エンタメだからとひとくくりにせず、エンタメの種類、ターゲット地域・顧客によって、トランスクリエーションで最適化をすると、顧客満足度を高められるでしょう。
エンタメ翻訳と海外市場:ひとくくりにできない理由
エンタメ翻訳での注意点としては、海外市場は実に様々だというところです。アジアと欧米市場が異なるのは想像できても、アメリカ市場とヨーロッパ市場が異なったり、ヨーロッパ市場でも国によって全く異なったりするところまでは予想できないかもしれません。例えば、イタリアとフランスでは、隣国にもかかわらず市場は異なります。また、英語圏でもアメリカとイギリス市場は異なるなど、実に様々です。
そのため、エンタメ翻訳を行う場合は市場ごとにターゲットを絞り、ターゲット顧客に合わせたローカリゼーションやトランスクリエーションの利用で、より顧客満足度が高められるでしょう。
エンタメ翻訳の注意点:よりよい翻訳のために
エンタメ翻訳は、当然ながらターゲット顧客層が異なれば、同じ翻訳は使えません。同じエンタメでも、言語・地域によってターゲット顧客層が異なるのであれば、翻訳の最適化が必要です。反対に、翻訳言語は同じであっても、国や地域によって顧客層や嗜好が異なれば、表現やトーンを変えるなどの対策が必要でしょう。
また、国によっては、宗教的理由や年齢によって使える表現が制限されているケースもあります。そのため同じエンタメ翻訳でも、ジャンルごと、内容別、地域ごとによる訳し分け以外にも、ターゲット顧客層による訳し分けも注意を払う必要があります。
このように多くの制約の中で、より自然な表現かつ魅力的な表現で翻訳を行うのは、決して簡単ではありません。そのため、エンタメ翻訳を依頼する際は、経験やスキルのある専門家への依頼が安心でしょう。
十印のトランスクリエーション
十印では、お客様にベストな翻訳を目指しています。ヒアリングでお客様の伝えたいメッセージをしっかり受け止め、十印のノウハウと技術力で、最適なエンタメ翻訳とトランスクリエーションをご提案します。
十印のトランスクリエーションは、マーケティング効果を高め、ターゲット顧客向けに特化した情報を提供して心を掴み、グローバルなエンタメビジネスの成功へと導きます。効果的なエンタメ翻訳なら、是非、十印のトランスクリエーションをご検討ください。
まとめ
十印では、半世紀にわたる翻訳に関するノウハウをもとに、製品特徴や企業・ブランドのイメージを、言葉や文化の壁を乗り越えて伝える翻訳を行っています。お客様のご要望に合わせ、原文に忠実な翻訳から、ローカリゼーションによる最適化、商品や企業のストーリーを伝えるトランスクリエーションなど、幅広い翻訳技術でグローバルな舞台での成功をお手伝いします。
エンターテインメント翻訳にも力を入れており、映画やドラマのタイトルやあらすじ、コミックの翻訳や写植まで行っています。
ビジネスからエンタメまで、ターゲット顧客やエリア・商材に合わせた翻訳はもちろん、現地向けに最適化された理解されやすいローカリゼーション、印象に残るトランスクリエーションで顧客満足度を高める翻訳は、技術力のある十印だからこそです。
グローバルな舞台で、トランスクリエーションをはじめとする顧客満足度の高い翻訳をお考えなら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。
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▶著者紹介
株式会社十印 マーケティング部
石川弘美
1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。
