2019.03.15

英語版パンフレットの完成度で変わるビジネスチャンスの有無

近年、海外投資家による日本株の爆買いが続き、日本市場には海外マネーが多く流入しました。それほど海外投資家からみれば、日本経済は中長期的にみてまだ伸びしろがあると判断されている証拠と言えます。特に、海外投資家から注目されている日本の産業は、今更ではありますが「日本のモノ作り」が再度見直されているのです。

つまり、日本企業はまだまだ海外市場へ積極的に自社製品をアプローチするべきなのです。その海外市場へのアプローチに最も重要な貴社のビジネスパートナーとなるのが、完成度の高い英語パンフレットです。

では、貴社製品の魅力を海外市場に伝える完成度の高い英語版パンフレットに必要な要素とは、いったいどういったことなのでしょうか。

優れた英語版パンフレットとは日本語版を翻訳しないこと

当然ながら、海外市場へのアプローチに英語版パンフレットの作成が欠かせないツールであることは言うまでもありません。ただ、この英語版パンフレット製作にあたり皆様がお気をつけ頂くべきことがあります。

それは、「うちは社内にTOEIC900点クラスの英語に堪能な人材が多数いるから彼らに英訳させれば十分」という発想をどうか捨てて頂くことです。確かにTOEIC900点もあれば、英語力としてはネイティブスピーカーとほぼ支障なくコミュニケーションが取れ、ビジネス上のやりとりでは何ら問題がない英語力です。ただ、もし彼らに日本語版パンフレットを渡して英訳を命じた場合、彼らは上司の言うことに従い、日本語版パンフレットの原文に忠実に翻訳しようと頑張られるのではないでしょうか。

実は、海外の方々に貴社製品に本当に興味をもってもらおうと考える場合、この翻訳作業では全く不十分なのです。なぜなら、優れた英語版パンフレットとは日本語版を翻訳しないことであるからです。

海外市場向けアピールに必要なのは翻訳でなくローカライズ

では、なぜ日本語版パンフレットを直訳していけないのか?次にちょっとした例を出してみましょう。

例えば、日本の抹茶が数年前より米国で一大ブームが巻き起こっています。抹茶は今やNY中心街で専門カフェができており、米国で大変なブームですが、このブームが起こるまで抹茶を口にしたことのある米国民など全国民の20%もいませんでした。抹茶が今ほど米国でブームになったきっかけの1つは、抹茶が日本人の手によって広められたからではなく、抹茶の存在を知った米国人がローカライズして広めたからです。

日本語版に忠実に訳そうとするとこうなる

仮にある日本の抹茶メーカー様が海外向けの英語パンフレットの作成を自社で行おうとするとしましょう。抹茶や日本酒のような日本古来の商品であればあるほど、そのメーカー様のパンフレットには商品開発の長い歴史、沿革が必ず記載されています。抹茶に至っては、800年前の室町時代から続いている由緒ある日本の伝統食品です。そして、このメーカー様が自社で日本語版から英訳されようとした場合、おおかたは「800年前の室町時代から...」と歴史と沿革なども含めて書かれた日本語パンフレットの文章に忠実に翻訳してしまわれるのではないでしょうか。

しかし、この歴史と伝統がある商品だというアピールに価値があるのは、あくまで日本人向けなのです。ターゲットにする米国の歴史はたかだかこの200年ほどであり、オーストラリアの歴史はさらにこれより新しい国家です。訪日インバウントとして日本を訪れてくれた米国人であれば、日本の伝統文化、歴史に耳を傾けたくなるかもしれませんが、米国現地で1ユーザーとして商品を購買する米国人にとって、日本の800年前の歴史に関心がある人の割合は少ないと考えるべきでしょう。

日本人思考でなく海外思考に合わせたローカライズを

では、抹茶はどのように米国人にアピールされたのでしょうか。それは、抹茶の「健康的」、ヘルシーな側面が押し出されたからです。米国現地で抹茶に関する関連資料を英語版で読んでいると、「ダイエットに◎」「リラクゼーション効果がある」など、コーヒーよりも健康的という広告があふれています。

しかし、肝心の日本人にとっての抹茶とは、それこそ若い世代の人がたまにスターバックスの抹茶ラテで口にすることはあっても、茶道を習っている人でもない限り本格的な抹茶を普段から口にする人はいません。つまり、抹茶は本国日本人のそれとは異なり、完全に米文化の一部として別物の飲み物として現地で親しまれるようになったのです。

これが「ローカライズ」です。貴社の製品を海外で親しませるには、日本人の思考にあてはめて商品を広めるのではなく、現地の人達の嗜好や生活習慣にあったアピールをする必要があるのです。

十印がご提供するサービスはクリエイティブトランスレーション

このように、貴社の製品を本気で海外市場にアピールする優れた英語パンフレットとは、この習慣の違いを理解した上、印刷物1つとっても言葉のニュアンス、タイトルの付け方、など外国人の読み手を見越した文章作成が必要になります。これをクリエイティブトランスレーションと呼びます。

***

十印の英語版翻訳サービスでご提供できるのが、まさにこの「クリエイティブトランスレーション」です。十印は、豊富なローカライズパンフレットの製作実績をもち、海外現地の人々の文化と習慣に合わせた確かな海外向け印刷物の製作をお手伝いさせて頂きます。

十印のトランスレーションについてはこちら

backtotop