2020.01.20

機械翻訳の精度をより高めるために!注意すべき10のポイント

機械翻訳の登場により、翻訳作業は飛躍的に進化を遂げました。技術が進化し機械翻訳の精度が向上し、翻訳スピードの向上だけでなく、翻訳品質も向上しています。

しかし、いくら機械翻訳の技術が進歩したからと言って、誤訳がゼロになったわけではありません。では、どうすれば誤訳を防ぐことができるのでしょうか?原文作成時に注意すべきポイントについて、ご説明します。

まだ機械翻訳の誤訳がなくなったわけではない

機械翻訳の精度は日々向上していますが、誤訳をゼロにすることはいまだに達成できていません。しかし、原文を用意する時点で、誤訳を減らす対策はできます。

主に日本語から英語への翻訳時ですが、日本語と英語の特性を正しく理解して原文を用意することで、機械翻訳が誤訳をしないような文章を構成することはできます。

機械翻訳の技術進歩だけでなく、原文の構成の仕方を工夫することで、誤訳を減らすことは可能です。

機械翻訳の精度をより高めるために注意すべき10のポイント

日本語から英語、または、英語に近い言語に機械翻訳する際に、注意すべき10のポイントをご紹介します。これらのポイントに注意して原文を作ることで、誤訳を減らすことができることでしょう。なお、今回は身近である日本語から英語への翻訳を例に解説します。

主語を省略しない
日本語では主語を省いても相手に伝わることが多いですが、英語では原則として文章に主語を設定します。機械翻訳においても、原文で主語を省略せずこまめに設定することで、スムーズに訳すことが可能です。

日本語では主語を言う必要がない場合でも、英訳する原文には主語を入れるように工夫をすべきでしょう。

慣用的な表現を避ける
日本語にも英語にも慣用的な表現がありますが、機械翻訳にかける文章では極力使用を避けましょう。

例えば、日本語には、「豚に真珠」「二階から目薬」などの慣用表現があります。しかし、これを機械翻訳すると、そのまま翻訳してしまう可能性が高いのです。

動詞の連続を減らす
日本語では動詞を多く使ったり、文中で連続させたりしがちですが、英語ではあまりそのようなことはありません。例えば、「店に寄って帰ってきた」など、動詞を重ねると誤訳を招きます。そこで、「店に寄って、家に帰ってきた」など、あいだに読点を入れたり名詞を入れたりすることで、誤訳を減らせます。

文章をなるべく短くする
接続詞で文章をつなげることで、一文に多くの情報を詰め込むことができます。しかし、機械翻訳にかけるなら、一文を短くしましょう。文章がシンプルになり、誤訳を防ぎます。

ひらがなを多用しない
日本語には漢字がありますが、漢字には意味が含まれているので訳がしやすいという面があります。逆に、ひらがなを多用すると、同じ音で別の意味にとらえてしまうことがあり、誤訳の原因になります。

例えば、「きる」は「切る」「着る」など複数の意味にとらえることができます。「服をきる」を翻訳にかけると、ストレートに「着る」の意味で翻訳されない場合もあるのです。

ひらがなによる誤訳を避けるためにも、なるべく漢字を使うか、別の表現に言い換えるようにしましょう。

敬語は使わない
日本語には、尊敬語、謙譲語、丁寧語などの豊富な敬語があります。しかし、英語にはほとんど敬語がなく、日本語の敬語を機械翻訳が誤訳しがちです。

「いる」「来る」どちらの意味でも捉えることができる「いらっしゃる」といった表現や、「この度は何卒よろしくお願いいたします」などの丁重なビジネスフレーズも使用を避けましょう。

固有名詞はあらかじめアルファベット表記にしておく
人名や社名、地名などの固有名詞は、機械翻訳による誤訳の原因になりがちです。そのため、固有名詞はあらかじめアルファベット表記にしておくほうがよいでしょう。

例えば、「反町」など日本人でも読みを間違えやすい固有名詞は、あらかじめ「Sorimachi」「Tammachi」などとアルファベット表記しておきます。こうした下準備をすることで、ストレートに正しい読みが出力され、不要な誤訳を招くことはありません。

擬音語・擬態語は使わない
日本語には、「シャンシャンと鈴を鳴らす」「テキパキと進める」などの擬音語・擬態語が豊富です。しかし、英語への機械翻訳の際には出力されない場合があり、誤訳のもとになります。擬音語・擬態語をそもそも訳文に入れないことも重要です。

冗長な言回しを避けてシンプルな文章にする
誤訳を防ぐためには、とにかくシンプルな文章にすることがベストです。「〇〇ということを~」「〇〇であることを~」「〇〇したいと考える」などの、冗長な言い回しは避けましょう。誤訳のもとになります。

「〇〇を~」「〇〇したい」など、冗長な言い回しをなくしてシンプルな文章になるよう配慮してください。

逆翻訳を導入する
機械翻訳の精度を高めるためには、「逆翻訳」を導入するという方法もあります。逆翻訳とは、例えば、日本語から英語に翻訳したものを、再度英語から日本語に翻訳して、元の原文にどれだけ戻ったかを検証するものです。

この逆翻訳を行うことで、翻訳がどの程度正確にされているかを測ることが可能で、機械翻訳の精度を高める有効な手段となっています。

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機械翻訳は質の高い翻訳を短い期間で大量に生産できる、もはやなくてはならない技術です。しかし、機械翻訳に頼りきっていいわけではありません。誤訳が生じる可能性はゼロではありません。機械翻訳にかける原文を、人間のほうであらかじめ調整する必要もあり、下準備で誤訳を避けるための対応が必要です。

十印では、誤訳を避けるためにお客様と綿密な打ち合わせを行い、機械翻訳の技術を最大限に生かした質の高い翻訳を実現しています。また、AI翻訳サービスには「逆翻訳スコア」を導入し、機械翻訳の精度をさらに高めています。

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