2021.02.08

総務省が発表した「グローバルコミュニケーション計画2025」について

世界中でグローバル化が進む中で、外国人と交流する機会も多くなりました。その中で総務省が2014年4月に発表したのが、「グローバルコミュニケーション計画(第1期)」です。この計画で2020年に向けて多言語翻訳技術の研究開発と社会実装に取り組んできました。そして、2020年3月さらなる高度化を推進すべく「グローバルコミュニケーション計画2025(第2期)」が策定されました。この計画では、グローバル社会で必要となる多言語翻訳技術の発展に焦点を当てています。ここでは、グローバルコミュニケーション計画2025の内容について詳しくみていきましょう。

グローバルコミュニケーション開発推進協議会とは

グローバルコミュニケーション計画2025を推進しているのが、グローバルコミュニケーション開発推進協議会です。十印も、グローバルコミュニケーション開発推進協議会の一員として参加しています。

「グローバルコミュニケーション計画」では世界の「言葉の壁」をなくすというミッションを掲げています。グローバルコミュニケーション開発推進協議会では2014年9月にその研究開発の中心的な役割を担う研究拠点として先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)を設立し、(国研)情報通信研究機構(NICT)を中心として産官学から研究者が集結し、オールジャパン体制で研究開発を推進しています。

グローバルコミュニケーション計画2025の目標・ビジョン

日本の多言語翻訳技術は、過去30年で大きく進展しました。2000年頃には登録したルールに基づいて入力文を翻訳する「ルールベース翻訳」が用いられていました。その後は統計的手法を採用した「統計的機械翻訳」が登場し、ルールベース翻訳よりも容易に多言語化できるようになりました。

そして、2016年頃に実装が開始されたのがニューラル機械翻訳です。人間のニューラルネットワークをモデルとしたこの機械翻訳によって、機械翻訳の精度は格段に上がりました。現在は、さらにレベルの高い多言語翻訳技術の研究開発に多くの専門家が力を注いでいます。

グローバルコミュニケーション開発推進協議会のミッションである、世界の「言葉の壁」をなくすことで、「グローバルコミュニケーション計画(第1期)」ではグローバルで自由な交流やビジネス力の強化、日本のプレゼンス向上などの実現、「グローバルコミュニケーション計画2025(第2期)」ではさらにビジネス力の強化と真の共生社会の実現をビジョンとしています。今後も増加すると考えられる訪日・在日外国人との共生社会をつくることにもつながるといえるでしょう。

これらのビジョンを現実のものとするために、グローバルコミュニケーション計画2025では具体的な目標を設定しています。

「グローバルコミュニケーション計画(第1期)」で2020年までの目標としていたのは、日常生活やビジネスを支える翻訳です。行政手続きや病院、ビジネスなどの場面で会話をサポートできる翻訳を実現することで、訪日・在留外国人にとっての利便性が大きく向上します。

2025年の目標は、文脈・話者の意図などを補う同時通訳です。ビジネスや国際会議での議論にも対応できる機械翻訳が誕生すれば、今よりも積極的な外国人材の受け入れが期待できます。

そして、2030年の目標はシビアな交渉にも使える同時通訳です。TPOや状況に合わせた表現での機械翻訳が可能になれば、幅広いシーンでの利用が可能になるといえるでしょう。

目標達成のためのプロジェクト

グローバルコミュニケーション計画2025の目標を達成するために、以下の3つのプロジェクトが立ち上げられました。

プロジェクト1:AIによる同時通訳の実現のための革新的多言語翻訳技術の研究開発
多言語翻訳技術の研究開発でキーとなるのは、時間的ロスを減らすための技術、意図や状況、文化的背景などを踏まえた通訳技術、同時通訳システムの実用化において必要となる音源分離技術やARとの連携技術、同時通訳のための学習データの整備などです。さらに重点対応言語も拡大することで、多言語翻訳技術のさらなる高度化につながります。
プロジェクト2:AIによる高度な自然言語処理技術を支える世界トップレベルのAI研究基盤の整備
AI基盤の整備においては、GPGPUをはじめとした計算機基盤の整備や言語データ・画像データの整備が必要となります。また、国際レベルでのプライバシーの確保・セキュリティの向上も重要なポイントになるといえるでしょう。
プロジェクト3:2025年日本国際博覧会に向けた同時通訳システム等の社会実装
同時通訳システム等の社会実装を実現するためには、まずは多言語翻訳システムを普及・発展させていく必要があります。その後、各種見本市などにおいて段階的に社会実装を推進していくことが計画されています。

質の高い機械翻訳をお求めなら十印にお任せください

世界のグローバル化は、今後も拍車がかかっていくと考えられます。プライベートにおいてもビジネスにおいても、外国人と関わる機会は増えていくといえるでしょう。そして、言葉の壁をなくすために機械翻訳は欠かせません。グローバルコミュニケーション計画2025の目標達成は、日本にとって非常に重要だといえるでしょう。

十印も、グローバルコミュニケーション開発推進協議会のメンバーとして、言葉の壁をなくすためのお手伝いをしています。また、グローバルコミュニケーション開発推進協議会の中心であるNICTの技術供与を受けた翻訳エンジンを使用した機械翻訳ツール「T-tact AN-ZIN🄬(ティータクト アンジン)」をご提供しています。T-tact AN-ZIN🄬では、オールジャパン体制で研究開発された最新の翻訳エンジンをビジネスでセキュリティに配慮した安全な環境で使用できます。無料トライアルも実施していますので、是非、高品質な翻訳エンジンを体験してください。

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