「AI」、「機械学習」、「ディープラーニング」などの言葉は、よく耳にすることがあるのではないでしょうか。しかし、これらの言葉の違いを明確に理解している人はあまり多くないかもしれません。そこでここでは、AI、機械学習、ディープラーニングの違いについてまとめました。またディープラーニングによる機械翻訳の精度の変化についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

AI、機械学習、ディープラーニングの定義

AI、機械学習、ディープラーニングの3つは混同しがちですが、すべて異なる意味を持っています。3つの言葉のうち最も広義なのがAIで、機械学習とディープラーニングは両方ともAIに内包されています。そして、ディープラーニングは機械学習に内包されています。つまり、定義としてはAIが最も広義、ディープラーニングが最も狭義だといえるでしょう。
そして、それぞれの言葉の定義は以下の通りです。

機械学習とディープラーニング

前項でAI、機械学習、ディープラーニングの違いについてご紹介しましたが、この中でも理解しにくいのが機械学習とディープラーニングの違いではないでしょうか。ここでは、機械学習とディープラーニングの意味についてより深く掘り下げていきましょう。

■機械学習とは
機械学習とは、人間がすべてをプログラムするのではなく、トレーニングによって機械に学習させることを指します。トレーニングを通じて機械自身が法則性やルールを見つけ出すことによって、自動的にタスクを行うことができるようになります。

また、こうした機械学習の方法には大きく分けて2種類のものがあり、問題と正解をセットにして提示する「教師あり学習」と、正解を提示しない「教師なし学習」の2つがあります。従来は次に例示するような方法で「教師あり学習」を行うことが多かったのですが、教師あり学習で機械の精度を高めるためには大量のデータセットが必要であり、AI研究の大きな障壁になっていました。

ここで、具体的な教師あり学習の例を1つご紹介します。例えば、私たちは赤いリンゴと青いリンゴを見たときに、瞬時にどちらが赤いリンゴでどちらが青いリンゴかを判断することができます。しかし、機械にはこれができません。そこで機械に正しい例のデータセットを学ばせます。機械に「赤いリンゴ」と「青いリンゴ」のタグを付けた多くの画像を読み込ませて学習させることによって、自ら区別することができるようになります。

■ディープラーニングとは
ディープラーニングは機械学習の一種であり、人間の神経をモデルとして作成した「ニューラルネットワーク」を利用していることが特徴です。ニューラルネットワークを利用することによって、機械学習がさらに強力なものとなります。

例えば赤いリンゴと青いリンゴの区別を学習させる場合、従来の機械学習では色に着目するように指示をしつつ、問題と正解をすべて提示した上で学習させる必要がありました。しかし、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングでは機械が自分で与えられたデータの特徴を分析し、過去の学習データと比較することで判断を行うようになります。そのため、人間の指示がなくても精度を向上させていくことができます。

従来の機械学習とディープラーニングの大きな違いは、人間という教師がすべてを指示するか機械自身が判断するかだといえます。とくに言葉で特徴を表現することが難しい場合には、ディープラーニングは非常に大きな効果を発揮するといえるでしょう。

ディープラーニングによる機械翻訳の精度の変化

近年になって機械翻訳の精度が大幅に向上したのは、ディープラーニングを機械翻訳に応用することができるようになったためです。従来の機械翻訳においては機械が文脈を読むことはできなかったため、不自然な訳文になることが多くありました。しかし、ディープラーニングによって文脈を踏まえての機械翻訳が可能になりました。

そして、ディープラーニングを利用することによって様々な業界に特化した機械翻訳エンジンの作成も可能になりました。ディープラーニングの登場は、機械翻訳の歴史において大きな転換点だったといえるでしょう。

ディープラーニングを取り入れた国産機械翻訳

国産の機械翻訳は日進月歩で進化し、ディープランニングのおかげもあり世界的にも高いレベルにあります。市場がグローバルに広がり、どのような企業でも外国語とのかかわりを避けることは難しい現代では、機械翻訳の導入を検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

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