2021.11.22

機械翻訳が広げる自動運転の未来は?

近年、世界中の自動車メーカーが、完全自動運転カーの実現を目指して開発に力を入れています。2021年3月には条件付きで自動運転が認められる「レベル3」の自動運転カーが日本の自動車メーカーから世界で初めて発売されます。

完全自動運転カーにはさまざまなAI技術が凝縮され搭載していますが、深層学習を利用した機械翻訳との組み合わせも考えられています。ここでは、自動運転カーと機械翻訳を組み合わせることで、どのようなことが実現するのかご紹介します。

完全自動運転カーの実現のためにはAIの発展が不可欠

そう遠くない未来には、先進国から完全自動運転カーが普及し始め、自家用車や業務用車、バスなどの公共交通などの多くはそれに取って代わられるといわれています。そこで、もっとも重要なカギを握るようになるのがAIの技術です。

自動車が走行するためには、絶えず周囲に注意する必要があります。現状ではそれを人間が五感に頼って行うことがメインとなっていますが、完全自動運転カーの場合、AIが周囲の情報を特定・分類し、その情報に基づいて車両を制御します。

そのため、完全自動運転カーには運転環境の細かい理解に基づいて瞬時に判断が行えるためのソリューションが必要となってきます。自身の運転環境を理解するには、車両のセンサーから大量のデータを取得して、それを自動運転コンピュータシステムで処理していきます。

車両が運転車の制御なしに完全自動運転を行うためには、車両から見えたことを車両自身が理解して、想像し得るすべての交通状況において正しい判断を行えるようにする必要があります。そこをAIが担うというわけです。

完全自動運転カーと機械翻訳の組み合わせで何が変わる?

現在の機械翻訳はAIの技術が支えています。そこで、完全自動運転カーと深層学習による機械翻訳との組み合わせも考えられています。

現状の自動運転技術はまだ、人間の運転をAIがアシストしてくれる「レベル2」から、高速道路など一定の条件下での自動運転が可能になる「レベル3」の段階です。しかし、そう遠くはない将来には人間による運転の操作を一切必要としない完全自動運転カー「レベル5」が登場し、公道で走行することが可能になるといわれています。

その「レベル5」の完全自動運転カーに、深層学習による機械翻訳を組み合わせることで何が実現するでしょうか。たとえば、海外旅行時に完全自動運転のタクシーに乗車して現地語ではなく日本語で行き先を話しかけても、即座に目的地へと連れて行ってくれるといったことが実現するようになります。

また、日本語で観光ガイドを聞きながら目的地へと到着するレンタカーも登場するかもしれません。その逆に、海外からの訪日外国人が利用するタクシーにも利用することも可能です。

機械翻訳の精度を高めるために総務省とNICTがコーパスを収集

このような音声による機械翻訳の精度を高めるために、日本の総務省とNICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)が日本語コーパスを収集しています。

またNCTでは、多言語音声翻訳技術の社会実装を目指すグローバルコミュニケーション計画のもと、AI技術で多用される深い階層構造を持つニューラルネットワークを用いた自動翻訳技術の研究開発に取り組んでいます。

すでに、スマートフォンに対して日本語を音声入力すると即座に外国語に翻訳して、音声出力してくれるアプリ「VoiceTra」は実現しており、救急現場で救急隊員が外国人傷病者に対して円滑なコミュニケーションをとれる「救急ボイストラ」という多言語翻訳アプリへと展開がなされています。

また、自動車運転中には雑音で音声が聞き取りにくいといったことが発生する可能性もありますが、それに対する「雑音抑圧技術」や、位置情報を活用した「翻訳精度向上技術」などの研究開発も総務省で行われています。

ニューラル翻訳による機械翻訳の精度向上のためには、ニューラルネットワークのアルゴリズムの改良が有効であり、さまざまな分野の翻訳データの充実が重要となります。そこでNICTは、総務省とともに翻訳バンクの運用をスタート。質の高い大量の翻訳データの集積を進めていき、さまざまな分野における自動翻訳利用への対応と翻訳精度の一層の向上を進めています。

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十印のAI翻訳「T-tact AN-ZIN®」は音声翻訳ではなくテキスト翻訳行うツールになっていますが、総務省とNICTが日本語コーパスを収集しているエンジンを使用しており、高精度な機械翻訳が可能となっています。

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