近年、機械翻訳の精度は飛躍的に向上しています。さらに、2016年9月にはGoogleがニューラル機械翻訳を導入して以降は、スマートフォンのような、今は誰でも使っているデバイスでも機械翻訳が簡単に使えるようになってきました。ここでは、さまざまな機能と組み合わせて手軽に使えるようになった機械翻訳アプリをご紹介します。

スマートフォンにOCR機能と機械翻訳機能が組み合わされている翻訳カメラアプリ

手書き文字や印刷された文字をカメラやスキャナーなどで読み取り、それをテキスト化する技術はOCR（Optical Character Recognition/光学文字認識）と呼ばれています。このようなOCR機能は、これまでプリンターやスキャナーがないと活用できなかったため、パソコンがないと利用できませんでした。

しかしカメラ付きのスマートフォンが普及し、文字認識技術の精度が向上してきた近年では、スマートフォンにOCR機能が搭載されるようになりました。

スマートフォンにOCR機能が搭載され、手書き文字や印刷された文字が手軽にテキスト化できるようになると、さらにそこへGoogle翻訳のような機械翻訳機能が組み合わされた翻訳カメラアプリが続々と登場することとなったのです。

現在では、Google翻訳のエンジンを使い、スマートフォンのカメラ機能とOCR機能、機械翻訳機能を組み合わせたアプリはいくつも存在しており、どれも無料でダウンロードして使うことができます。

機械翻訳＋さまざまな機能を組み合わせることで気軽に使えるように

翻訳カメラアプリを使うことで、カメラを翻訳したい対象物にかざすだけで外国語を日本語にテキスト化してくれるだけでなく、リアルタイムに日本語に翻訳してくれる機能も持っています。今や翻訳カメラアプリは、海外旅行や海外出張に重宝するものになっています。

また海外に行かなくとも、「国内のエスニックレストランに置いてある外国語メニューの翻訳に利用する」「輸入食品のラベルに書いてある外国語の文字を翻訳する」「看板やポスターに書いてある外国語を翻訳する」など、ちょっとした便利な活用方法も考えられます。

ただ、翻訳カメラアプリにも欠点はあります。テキストを翻訳するときに元の文章に改行があると、文章が途切れて翻訳されてしまうことです。そうなると、意味が不明な翻訳文が生じる可能性もあります。そのため改行がある長文の外国語を翻訳するときには、原文を自身で修正する必要があります。

具体的には、いったんテキスト化された外国語の原文を元の文章の流れに修正してから機械翻訳を行うという手間が発生することになります。

ただ、このようなデメリットを別にすれば、翻訳カメラアプリは気軽に翻訳ができるツールです。今や機械翻訳はさまざまな機能と組み合わせることにより、日常の生活にも身近なものとなってきているといえるでしょう。

画像やスキャンしたテキストの翻訳も可能な「T-tact AN-ZIN®」のPDF翻訳機能

十印で提供しているAI翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」にもOCR機能が導入されており、PDFファイルの翻訳機能が搭載されています。このPDFファイルの翻訳機能があることで、機械翻訳でPDFファイルを翻訳する場合でもテキスト部分のみを抽出する必要がなくなります。

PDFファイルには、テキストを抽出できない画像データやスキャンデータが利用されていることも多くあります。しかしOCR機能があることでPDFファイルに記載されているテキストデータはすべて機械翻訳できることになります。

PDFファイルを翻訳するサービスは、Google翻訳などいくつも存在します。しかし、Google翻訳などのサービス内にはOCR機能はありません。翻訳したいPDFファイル内に画像データやスキャンデータがあるときは、いったん別のOCR機能を使ってテキスト化してから、機械翻訳させる必要があります。

スマートフォンではなくパソコンでOCR機能を使い機械翻訳したい、という場合には「T-tact AN-ZIN®」のOCR機能は最適です。

「自社で作成したPDFファイルを海外ユーザー向けに、ほかの外国語に翻訳したい」「取引先から送られてきた外国語のPDFファイルを翻訳しておきたい」というような場面においては、便利に使うことができるでしょう。

機械翻訳のことなら十印にお任せください

十印では1980年代以降に「言語研究所」を設立し、日本初の機械翻訳プロジェクトであるMuプロジェクトに関わってきました。現在の機械翻訳は以前の機械翻訳とは大きく異なり、高いレベルでの翻訳が期待できます。翻訳の質やコストについて悩みを抱えている場合には、ぜひ気軽に十印までご相談ください。