2023.05.12

トランスクリエーション?スコポス理論で最適な翻訳方法を選ぶ

ビジネスのグローバル化に伴い、近年は翻訳をする機会が増えています。翻訳者のスキルなどで翻訳結果に違いが出ることもあり、適切な翻訳をするのは容易ではありません。せっかくウェブサイトを翻訳しても訴求効果が思わしくない、パンフレットを翻訳したら表現が不自然だと指摘されたなど、翻訳の悩みはさまざまです。

本稿では、近年人気のトランスクリエーションをはじめとした、さまざまな翻訳手法から最適な方法を見つけ出すスコポス理論について説明し、どのように最適な翻訳を行うのかについて解説します。

スコポス理論とは?

スコポス理論は、ドイツの言語学者ハンス・フェルメールとカタリーナ・レイスにより1978年に提唱されました。スコポスとは現代ギリシャ語で「目的」の意味で、スコポス理論によれば、翻訳とは「特定の文脈、特定の文化、特定の読者のためにターゲティングしたテキストであるべき」という考え方です。

スコポス理論では、原文を「ターゲット文化における情報の提供」として扱い、対象読者の知識、期待、習慣などに最適化され、目的によって対応させる翻訳であると考えます。

このスコポス理論の考え方は、翻訳のみならずマーケティングにおいても現在も十分に活用できる手法であり、また、近年のグローバル化における異文化コミュニケーションの重要なポイントであるとも言えます。

参考:Gambier, Yves Shlesinger, Miriam Stolze, Radegundis (2007), Doubts and Directions in Translation Studies: Selected Contributions from the EST Congress, Lisbon 2004, Amsterdam: John Benjamins Publishing

スコポス理論で選ぶ翻訳とは?

スコポス理論では、翻訳は目的に合わせて使い分ける、つまり、まず目的を明確にし、ターゲットに合わせて翻訳方法を選択する必要があります。翻訳方法としては、原文に忠実な翻訳、必要な部分を現地向けに最適化したローカライズ、原文の意味そのままよりも、伝えたいブランドイメージやストーリーを伝えるために創造性を優先させたトランスクリエーションが考えられます。

ターゲット顧客の求める情報が、最適な方法で提供できるように情報を最適化するには、ローカライズとトランスクリエーションが適当です。もちろん、ターゲット顧客がなるべく原文に近い翻訳を求めているであるのであれば、一般的な翻訳がふさわしい場合もあるでしょう。しかし、マーケティングにおける現地顧客向けの最適化には、トランスクリエーションでキャッチコピーを作り直すほうが効果的であることが多くなります。

ターゲット層の詳細な設定を行い、誰のために、どのような目的で、何をどのような方法で伝えるのか、目的に合わせて使い分けることがスコポス理論の原点だと言えるでしょう。

トランスクリエーションとスコポス理論

トランスクリエーションは、原文の意味をくみ取り、翻訳言語でブランドイメージやストーリーをより伝えやすくするためにキャッチコピーなどを作り変える作業です。一般的な翻訳と違い、クリエイティブな要素が多く、原文の訳語とは全く異なる表現となるケースも見受けられます。トランスクリエーションの目的は、ターゲット顧客にいかに訴求できるかであるため、原文はあくまでも情報の提供元であるという考え方です。

また、トランスクリエーションを行う場合は、現地のターゲット顧客の文化・習慣、嗜好などを反映したキャッチコピーの作成をするため、特定の文脈や文化、読者のためにターゲティングするスコポス理論の方向性と重なります。

このように、トランスクリエーションはスコポス理論の定める、読み手に最適化した文章を書く方法として、最適な方法であると言えるでしょう。

十印のトランスクリエーション「Transcreate Beyondサービス」

十印のTranscreate Beyondサービスでは、外国文化・習慣への深い造詣と、外国語による高いライティング力で、現地の環境に最適な翻訳をご提供し、お客様製品の訴求力を高めるお手伝いをいたします。

言葉の壁を超えたトランスクリエーションで知りたい情報を提供することによって、ターゲット顧客の心を掴み、グローバルビジネスを成功へと導きます。効果的なマーケティングとブランディングには、十印のTranscreate Beyondサービスをご検討ください。

まとめ

十印では、半世紀にわたり翻訳に関するノウハウをもとに、製品特徴や企業・ブランドのイメージを伝える翻訳を行っています。お客様のご要望に合わせ、原文に忠実な翻訳から、商品やブランドのストーリーを伝えられるトランスクリエーションまで、グローバルビジネスでの訴求を成功させるお手伝いをします。

ターゲット顧客やエリア・商材に合わせ、現地向けに最適化された内容、理解されやすい表現など、対象言語へのローカライズでわかりやすいトランスクリエーションを行い、効果的なマーケティングへと導きます。

グローバルビジネスでマーケティング効果の高いトランスクリエーションをお考えなら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。

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