トランスクリエーションはどう使うのが正解?
ビジネスのグローバル化が進む昨今、競争に勝ち残るために、トランスクリエーションの需要が高まっています。しかし、ブランドや商品のメッセージを伝えるために翻訳をしても、思うような効果が出ないとお悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。言語や文化の違いからマーケティング効果が出ていないのであれば、トランスクリエーションが効果的です。
本稿では、人気のトランスクリエーションの使い方の正解について解説していきます。
トランスクリエーションとは?
トランスクリエーション(transcreation)とは、「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語です。元の言語の表現を現地の文化・習慣や嗜好・流行に合わせて訴求力を持たせ、マーケティングでの利用に適した翻訳手法です。
トランスクリエーションは自由度の高い翻訳が可能で、原文の表現通りに翻訳する必要がありません。そのため、キャッチコピー的な目を引く表現でマーケティング効果を高められるのも特徴です。
近年では、ビジネスのグローバル化と共に、トランスクリエーションが使われる機会が増えており、気づかないところでもトランスクリエーションされた表現を目にしている可能性が高くなっています。
トランスクリエーション成功へのカギ:準備とコミュニケーション
トランスクリエーションをしてみたが思いのほか効果が出ていない、というのであれば、依頼方法を見直す必要があるかもしれません。依頼時に、全て翻訳会社に任せているのであれば、思うような効果が出せないのも仕方がないとも言えます。
トランスクリエーションを効果的に行うには、入念な準備が欠かせません。マーケティングの際と同じように、企業として伝えたいメッセージやブランドイメージを明確にし、商品やサービスの強み、ターゲット顧客などを翻訳会社と共有します。
イメージの擦り合わせができているかどうかで、トランスクリエーションの出来上がりの満足度は大きく変わります。コミュニケーション不足は、トランスクリエーションによる翻訳のイメージが合わない、がっかりしたという、残念な結果につながりかねません。トランスクリエーション成功のためには、コミュニケーションを大切にする翻訳会社選びが大切です。
トランスクリエーションとローカリゼーションの違いとは?
トランスクリエーションと共に近年よく使われているローカリゼーションですが、違いがわからないという方も多いかもしれません。
トランスクリエーションでは、原文にとらわれず、別の言語で同じ効果を生むような表現を使います。原文に忠実とは限らないため、一見誤訳に見えるケースもあるかもしれませんが、リズムよく韻を踏んだり、最新の表現による魅力的な言い回しで表現したりできる自由度の高さがあります。また、主にマーケティング目的で、スローガンやキャッチコピーなどに使われることが多いのが特徴です。
一方ローカリゼーションは、ターゲット顧客向けの言語や文化・習慣、嗜好に合わせた内容の最適化です。元の言語の表現をベースに、コンテンツが違和感なく受け入れられるように内容変更をし、翻訳以上の訴求効果が出るようにします。
トランスクリエーションとローカリゼーションの組み合わせで訴求効果を上げる
トランスクリエーションとローカリゼーションのいずれも、ターゲット顧客向けに最適化するという点では同じですが、その表現方法が異なります。そのため、訴求の目的やコンテンツに合わせて使い分けたり組み合わせたりすることも可能です。
表現の自由度の高いトランスクリエーションで目を引き、すんなり理解してもらえるローカリゼーションで引き込むコンテンツを目指すのです。伝えたいメッセージを届けて訴求効果を高めるためには、ターゲット顧客向けに特化されたトランスクリエーションとローカリゼーションで表現を最適化しましょう。
十印のトランスクリエーション
十印ではお客様とのコミュニケーションを大切にしています。ヒアリングでお客様の伝えたいメッセージを受け止め、十印のノウハウと技術力でお客様にぴったりのトランスクリエーションを提供し、マーケティング効果を高めるお手伝いをします。
トランスクリエーションで顧客の知りたい情報を提供し、ターゲット顧客の心を掴み、グローバルなビジネスを成功へと導きます。効果的なマーケティングとブランディングには、是非、十印のトランスクリエーションをご検討ください。
まとめ
十印では、半世紀にわたり翻訳に関するノウハウをもとに、製品特徴や企業・ブランドのイメージを余すことなく伝える翻訳を行っています。お客様のご要望に合わせ、原文に忠実な翻訳からローカリゼーション、商品やブランドのストーリーを伝えられるトランスクリエーションまで、幅広い翻訳技術でグローバルビジネスでの訴求を成功させるお手伝いをします。
ターゲット顧客やエリア・商材に合わせ、現地向けに最適化された内容、理解されやすい表現へとローカリゼーションし、印象に残るトランスクリエーションを行い、マーケティング力向上へと導きます。
グローバルなビジネスで、トランスクリエーションをはじめとするマーケティング効果の高い翻訳をお考えなら、どうぞお気軽に十印にお問い合わせください。
▶著者紹介
株式会社十印 マーケティング部
石川弘美
1990年に株式会社十印に入社し、マニュアル制作に従事。日本語原稿の書き起こしから、多言語マニュアル制作のディレクションまで、幅広い業務を担当。
2002年より、ローカリゼーション・プロジェクトのマネジメントを中心業務とし、同社の数々の大型プロジェクトの進行管理を担当。2009年よりはマーケティング部にて宣伝広報活動とともにマーケティング活動を行う。2018年より一般社団法人日本翻訳連盟理事、アジア太平洋機械翻訳協会理事。