2018.11.06

メディカルドキュメントの翻訳について

近年、ローカリゼーション翻訳の分野では、医療機器ドキュメントが増えつつあり、SDL Tradosなどの翻訳支援ツールを使用しての翻訳処理も活発に行われています。十印でもすでに、人工心肺、カテーテル、CTなどの医療機器マニュアルの作成、ローカリゼーション翻訳をはじめ、医薬品・メディカル用語の辞書作成プロジェクトなどに携わってきました。本記事では医療分野での翻訳の需要が増す背景と十印で可能な翻訳について解説します。

医療機器業界の動き

日本をはじめとする先進国の高齢化についてはよく知られていますが、現在、実は開発途上地域でもすでに高齢化がどんどん進んでいます。総務省と国立社会保障・人口問題研究所の調査・推計によると開発途上地域の高齢化率は2060年には16.8%になる見込みです健康寿命の延伸や高齢者が健康な生活を送れる医療福祉の整った社会の実現は、日本のみならず世界全体にとっての課題となっています。

こういった背景をもとに、世界各国で医療機器産業が活発化しています。例えばアメリカのパルスオキシメーターやカテーテルを日本に輸入したり、日本の人工心肺輸出のためにマニュアルを多言語化して世界に届けたりしています。健康維持が日本などの先進国のみならず世界全体の課題であるからこそ、最新の医療機器が国境を超えて飛び交っているという現状があります。

このような医療機器業界の動きに合わせ、医療機器業界における翻訳者のニーズは今度どんどん高まることが予測されます。

医療機器翻訳の難しさ

医療機器の開発や販売には、正確で質の高い翻訳の文章が必要になります。専門知識が必要なことはもちろん、海外で開発・製造されたペースメーカーやカテーテルなどの医療機器を日本で製造・販売するには、海外で実施された安全性試験報告書からマニュアル、添付資料、製造販売承認申請書など、大量の書類の翻訳が必要になります。

また、海外から医療機器を導入するのみでなく、近年は日本国内での医療機器開発も進んでおり、今後輸出が拡大すると考えられています。その場合も輸入時と同じような書類を輸出先の国に合わせて多言語化する必要性が出てきます。

医療機器翻訳者の需要

輸出と輸入の増大の現状、また一つの翻訳案件に対する資料の多さから、この医療分野を専門としていたり、十分に対応できる翻訳者はまだ多くいません。

医療機器翻訳に適応していくには、翻訳者が医療機器や安全性試験の仕組みを理解することも不可欠です。非常に難しい分野なだけに、翻訳者が育たないという現状があるのです。翻訳者である以上、翻訳のフォーマットに対応できる慣れ(経験)も必要になるため、一人前になるには時間がかかると言えます。

■医療機器翻訳者
上記で説明したように、翻訳の中でもやっかいな分野であるため、医療機器翻訳に対応できる翻訳者はまだ少ないと言われています。しかし、十印には医療分野に専門性を持つ登録者も多数おり、翻訳も十分にあります。

■十印の医療機器翻訳
十印では医薬品・メディカル用語の辞書作成プロジェクトなども手がけており、その実績をもとに医療機器の申請業務からマニュアルの翻訳まで、下記のようなメディカルドキュメントに対応しております。

・取扱説明書の翻訳
・取扱説明書のラインティング
・製造販売承認・認証書のライティング
・そのほか、医療機器のドキュメントに関わるもの

さらに、弊社のポイントは、社内にDTP担当者やエンジニアリング各部門を有していることがあります。よって、印刷配布物の作成からWebページの構成まで、文書作成における総合的なサービスを提供させていただくことが可能です。

メディカルドキュメントの翻訳とは、非常に高い専門性と質の高い訳文、またその文書が人の命に関わるものであるという自覚が必要になる難しい翻訳なのです。

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ここまでにお伝えしたように、医療機器業界の翻訳は非常に需要がある(これから拡大する)と言うことができます。なぜなら、医療機器の販売シェア拡大のためには、質の高い訳文は不可欠だからです。

その一方で、医療分野の翻訳は非常に難しく、翻訳者を慎重に選ぶ必要があるというのも忘れてはいけないこと。特にそれが「命を扱う」分野であるからこそ、用語、表現……論文や資料を書くうえで何か間違いがひとつあっても、それを読んだ人が間違った治療を行い、患者さんの命を奪ってしまうこともありえるのです。

十印は、医療分野においても医療に精通した翻訳者とパートナーシップを結び、翻訳支援ツールを使用したスピーディーな翻訳サービスを提供し、実績をあげています。多言語化やローカリゼーション翻訳はもちろん、和訳やそもそもの資料の作成まで幅広く対応させていただくことが可能です。お急ぎの納期の案件も、一度気軽にご相談ください。

十印の医薬翻訳についてはこちら

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