医療機器の翻訳で語学以外の知識も必要
医学・薬学などのドキュメントを翻訳する「医薬(メディカル)翻訳」。医療機器の翻訳は、こちらのジャンルに分類されます。今回は、そんな医薬(メディカル)翻訳に求められる専門性や、翻訳サービスを依頼する時に知っておきたいポイントについてご紹介します。
医療機器に関する専門知識は必須
例えば、海外製のペースメーカーやステントなどの医療機器を日本で発売するためには、以下のような書類をそろえる必要があります。
●安全性試験報告書
●マニュアル
●添付資料
●製造販売承認申請書 など
翻訳の能力はもちろん大切です。しかし、医療機器や安全性試験がどのような仕組みになっているのかまで理解していなければ、医薬(メディカル)翻訳はできません。翻訳を依頼する場合は、翻訳者の知識の深さも考えるようにしましょう。以下からは、専門性以外に必要とされるスキルについてまとめます。
■高い翻訳能力
言わずもがな、原文の意味を忠実に、かつ読者に分かりやすく伝えるための翻訳能力は必須スキルです。また、ヒトの健康や命にかかわるドキュメントを担うわけですから、単に正しく翻訳ができていればいいわけでもありません。より慎重で、かつ品質の高い翻訳能力が求められます。
■正確かつスピーディーな作業
未承認の薬や機器の承認審査に時間がかかってしまう “ドラッグ・ラグ”問題。これを解決しようと、多くの医療関係者は努力を続けています。しかしそれを理由に、医薬(メディカル)翻訳における納期が短くなってきていることも事実です。
スピードを上げつつ、正確性を担保するためには、医療機器にかかわる専門知識が身についていなければなりません。また、読みにくく、誤解を招く文章になってしまったせいで、審査担当者が混乱してしまい、承認までの時間が延びてしまっては本末転倒です。
■ドキュメントの役割・構造への理解
前述のとおり、海外製医療機器の日本販売を行うには、さまざまな書類が必要です。そのため、それぞれのドキュメントがどのような役割を持っており、どのように関係し合っているのか? 全体の構造は? といった部分まで理解する必要があります。幅広い知識を身に着けているとともに、全体を俯瞰し理解する力も、医薬(メディカル)翻訳者には必要だと言えます。
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このように、一口に翻訳と言っても、枕に“医薬”や“医療機器”などが付けば、必要となる知識は大きく異なります。間違いが許されない医療の世界で翻訳を行うスタッフは、プロフェッショナルでなくてはなりません。翻訳を依頼する場合は、この点をしっかりと見極めるようにしてください。
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