2021.05.31

直訳タイプの機械翻訳と意訳タイプの機械翻訳

グローバル化が進んでいる昨今では、多くの企業において翻訳業務を行う機会が増えています。そして、翻訳業務を社内で行う場合や翻訳会社に外注する際には「直訳調」と「意訳調」などの指示を行う必要があります。

ここでは、直訳調と意訳調の違いやそれぞれに向いている文書についてまとめました。また直訳タイプの機械翻訳と意訳タイプの機械翻訳についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

直訳と意訳の違いとは

直訳調とは、原文の1つ1つの言葉を忠実に置き換えていく翻訳方法のことをいいます。それに対し、意訳調は原文の厳密な意味や文法にはとらわれません。書かれている文章全体の意味やニュアンス、伝えたいメッセージなどを重視し、自然な文章へと訳します。

そして、直訳調と意訳調にはそれぞれメリットとデメリットがあります。直訳調のメリットとしては、情報を正確に伝達できるということが挙げられます。しかしながら、文構造や単語の意味を変えずに忠実に訳すと、不自然な訳文になることもあります。別の文化背景を持っている言語に訳すということを考えると、これは当然のことだといえるでしょう。

そして、意訳調のメリットはやはり自然で理解しやすい訳文になるということです。しかし、情報の伝達という点においては直訳調ほどの正確さはありません。また、意訳調を行う際に翻訳者の主観が入ってしまうこともデメリットの1つだといえるでしょう。

直訳が向いている文書と意訳が向いている文書

直訳調と意訳調にはそれぞれ異なる特徴があり、一概にどちらが優れていると言うことはできません。翻訳する対象文書に直訳調と意訳のどちらが向いているかを検討することが大切だといえるでしょう。

直訳調が適しているのは、原文に準じる必要がある場合です。具体的には、専門書や取扱説明書、試験問題、特許関係書類、契約書などが挙げられます。それに対し、できるだけ自然で読みやすい文書にしたい場合には意訳調が向いているといえます。パンフレットや雑誌記事、広告、小説などには、多くの場合で意訳が用いられます。

翻訳会社に翻訳を依頼する場合には、どのように使用する文書なのかを伝えて、直訳調にしたいのか、意訳調にしたいのかを伝えるようにしてください。

■直訳タイプの機械翻訳:ルールベース機械翻訳
機械翻訳にはいくつかの種類がありますが、そのうち直訳タイプのものが「ルールベース機械翻訳」です。ルールベース機械翻訳では、まず翻訳のルールをシステムに登録します。そして、文章を入力すると登録したルールに沿って分析・翻訳が行われます。

ルールベース機械翻訳においては文法を機械的に解釈して各単語に切り分け、それぞれの単語を辞書を用いて置き換えていきます。機械翻訳の中でも最も古い歴史を持っているのがルールベース機械翻訳であり、現在でも状況に応じて採用されています。

■意訳タイプの機械翻訳:統計的機械翻訳
ルールベース機械翻訳の次に登場した機械翻訳が「統計的機械翻訳」です。統計的機械翻訳では、大量の対訳データを利用してコンピューターに学習させ、その学習結果をもとに翻訳が行われます。インターネットが発達してからは対訳コーパスの収集が容易になり、それと同時に統計的機械翻訳も進歩しました。

ルールベース機械翻訳においては単語レベルで翻訳するのに対し、統計的機械翻訳では文章レベル、あるいは段落レベルで翻訳することが可能です。そのため、ルールベース翻訳よりも自然な意訳をすることができます。

より細かいニュアンスを表現できるニューラル機械翻訳

ルールベース機械翻訳と統計的機械翻訳の後に登場した機械翻訳が、ニューラル機械翻訳です。ニューラル機械翻訳は人間の脳を模倣した仕組みとなっており、機械にディープラーニングを行わせます。これによって、それ以前よりもずっと精度の高い翻訳を行うことが可能になりました。細かいニュアンスを踏まえての翻訳も可能なため、現在ではニューラル機械翻訳が主流となっています。
機械翻訳は単語ごとに機械的に置き換えるだけなので、直訳調の翻訳しかできないと言われてきましたが、ニューラル機械翻訳の登場によりおどろくほど自然で流暢な翻訳が可能になりました。

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ここでご紹介したように、一口で翻訳といっても、直訳調と意訳調では大きく異なります。翻訳をおこなう際には、どちらが向いているか精査する必要があります。そして、翻訳は翻訳会社に外注することも可能ですが、機械翻訳を活用するという方法もあります。機械翻訳を用いることによって、業務の効率化や時間短縮、従業員の負担軽減などが可能になります。

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